◎1935年(3歳) モスクワから100キロほど離れたモスクワ川流城のイグナーチェヴォ村の近くに移る(1937年まで住んだこの場所は『鏡』の主要な舞台となる。1935・36年頃、両親が別れる。タルコフスキ−は妹マリヤとともに母のもとに残る)。 ◎1939年(7歳) モスクワの学校に入学。しかし、戦争の激化のため、母マリヤに連れられ、妹マリヤとともに、イグナーチエヴォ近郊に再び疎開。父アルセニーは、1941年志願兵として前線に赴き、重傷を負い帰還。
◎1943年(11歳) モスクワに戻り、元の学校に再入学(母マリヤは、モスクワ、ヴァローヴァヤ通りの著名な印刷所で校正係りとして働き、息子アンドレイを父のような芸術家に育てようと、音楽、絵画などを学ばせる)。 ◎1951年(19歳) 東洋語大学入学(しかし、2年で中退)。 ◎1952年(20歳) 地質調査隊に加わり、シベリア地区で、鉱石発掘の目録作成者として1年半ほど働く(怪しげなグループから逃れるために、とタルコフスキー自身、回想のなかで語っている)。 ◎1954年(22歳) 全ロシア国立映画大学入学。ミハイル・ロンムの下で学び、ここで、アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキーと出会う。 ◎1956年(24歳) M・ベイク、A・ゴルドンとともにアーネスト・ヘミングウェイ原作で短編映画『殺し屋』を共同製作。 ◎1959年(27歳) 映画『今日は外出許可はでない』《There Will Bbe Leave Today》をA・V・ゴルドンとともに共同製作。 ◎1960年(28歳) コンチャロフスキ−との共同シナリオで、『ローラーとバイオリン』を製作し、同学院を優秀な成績で卒業。 ◎1961年(29歳) 『ローラーとバイオリン』、ニューヨーク国際学生映画コンクール第1位受賞。8月、ソ連の代表的な映画理論誌「イスクーストヴォ・キノ(映画芸術)に好意的な批評が掲載される。 ◎1962年(30歳) 『僕の村は戦場だった』を製作。同年、ベネチア国際映画祭グランプリ、サンフランシスコ国際映画祭監督賞受賞。映画表現の芸術性をめぐって、イタリアの作家モラヴィアが批判し、サルトルが弁明するなど、話題を呼ぶ(タルコフスキー自身は、批判的なモラヴィアに好意的である)。 ◎1964年(32歳) 最初の長編映画論を執筆し、映画論集「映画が完成したとき」に発表。次回作、『アンドレイ・ルブリョフ』のシナリオを、コンチャロフスキーと共同執筆し、「映画芸術」誌(4・5月号)に発表。 ◎1967年(35歳) 『アンドレイ・ルブリョフ』完成。この映画は歴史解釈をめぐって、ソ連当局の激しい批判を浴び、5年間上映を禁止される。その後タルコフスキーは映画創造活動を著しく阻害されることになる。『アンドレイ・ルブリョフ』完成後、代表論文「刻印された時間」を執筆し、映画論文集「映画芸術の諸問題」(第10集)と「映画芸術」誌(4月号)に掲載。 ◎1969年(37歳) 『アンドレイ・ルブリョフ』、カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞受賞。 ◎1970年(38歳) 短編小説「白い日」を「映画芸術」誌(6月号)に発表。後の自伝的映画『鏡』のモチーフはこの短編のなかに描かれている。 ◎1972年(40歳) レムのSF小説をもとにした『惑星ソラリス』を完成。SF映画の概念を一変させる。この映画をめぐってさまざまな議論がとりかわされ、その内容が「文学の諸問題」誌(1973年1月号)などに掲載される。 ◎1975年(43歳) 『鏡』完成。この映画はその独白の構成などのため、激しく批判され、その詳細な批判文が「映画芸術」誌(1975年3月号)に掲載された。 ◎1976年(44歳) シナリオ「ホフマン物語」を「映画芸術」誌(3月号)に発表。きわめてロマン主義的なこのシナリオにもとづく映画製作にタルコフスキーはついに取りかかることができなかった。 ◎1977年(45歳) 『ストーカー』の撮影開始。 ◎1979年(47歳) 『ストーカー』完成。この年、詩的映像についての長時間のインタビューに応じる。これがタルコフスキーの代表的な映像論になる。 ◎1982年(50歳) 3月、ローマで『ノスタルジア』の撮影開始。 ◎1983年(51歳) 『ノスタルジア』完成。11月、ロンドン・コベント・ガーデンの王立オペラで「ボリス・ゴドノフ」を演出。
◎1984年(52歳) 小説形式の「サクリファィス」執筆終了(1・2月)。 ◎1985年(53歳) スウェーデンで、スウェーデンとフランスの合作映画『サクリファイス』の撮影開始。
◎1986年(54歳) 『サクリファイス』完成。タルコフスキーの映画論の集大成「刻印された時間」(英語版)がロンドンで出版される。 ◎1987年 1月5日、パリの聖アレクサンドル・ネフスキー寺院で、厳粛な葬儀がとりおこなわれた。 |
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監督作品:殺し屋|
関連ドキュメンタリー作品:in 「ノスタルジア」|in 「サクリファイス」
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