『スリープ』 SLEEP
1963年/42分(短縮版)/16ミリ/モノクロ/サイレント/18FPS
出演:ジョン・ジョルノ

ファウンド・フレーズ詩人ジョン・ジョルノ(ウォーホル、ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズと恋人関係だったと言われている)の様々な寝姿を延々6時間に渡って映し出す。ウォーホルは何本かの100フィート巻きのフィルムに撮影した“アクション”を繰り返しプリントすることで、その全体を引き伸ばして見せる。その結果、我々の前には静止したイメージが現れることになる。この映像はシルクスクリーン作品でもよく知られている。

『エンパイア』 EMPIRE
1964年/42分(短縮版)/16ミリ/モノクロ/サイレント/18FPS
原案・共同監督:ジョン・パーマー
撮影:ジョナス・メカス

ウォーホル映画のなかでももっとも伝説的な作品『エンパイア』は、1964年6月25日、午後8時から翌日の夜明けにかけて、エンパイア・ステート・ビルと向かい合うタイム・ライフ・ビル44階(一説では41階)から撮影された。(そこはロックフェラー財団のヘンリー・ゲルツァラーのオフィスだった。)
ウォーホル映画では、「現実の時間」を継続的に映すという新たな映画的時間の感覚を通して、アクションが洗練される。サイレント作品ではあるが、長回しで撮るため400フィート・マガジンのかかる同時録音用カメラ「オリコン」が使用され、その操作を知っていた友人の映画作家ジョナス・メカスが撮影者となった。このカメラの導入によってウォーホル映画はサイレント時代からサウンド時代に入っていく。
不動の物体を不動のカメラが写し続ける(しかも8時間も!)という、初期ウォーホル映画のコンセプトの究極というべき前代未聞の「モーション・ピクチャー」である。もっとも今日見ると、その画面の濃度や粒子のきわめて不安定な変化に観客は驚かされ、単純さのなかの多様性を感じ取らずにはいられないだろう。
アンディ・ウォーホル映画回顧展2014
Bプログラム(84分)

2/15(土)17:00/ 18(火)17:00/ 20(木)19:00/ 23(日)19:00/ 26(水)15:00
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