ルアツサンブラージユ Reassenblage 1982
姓はヴエト、名はナム Surname Viet Given Name Nam 1989
核心を撃て Shoot for the Contents 1991
ありのままの場所 Naked Space: Living is Roud 1985
トリンは移動する。 こことよそ、内部と外部、主観と客観、東洋と西洋、マイノリティとマジョリティ、こうした二項のいずれにも属さず、複数の言語、複数の文化を身に帯びたハイブリッドな存在として、境界をかろやかに横断する。 かたときもとどまることなく。風の奏でる旋律のように。 詩的であると同時に思索的なそのエクリチュールと同様、トリンのフィルムはデリケートな肌理と鋼のような強度をそなえている。 沈黙のなかにかすかな響きを聞き取り、空白のなかに隠された姿を見出す、強靱で粘り強い思考が生み出す繊細なリアリティ――。 境界線上を移動しつづけるトリン・T・ミンハのリズミックな歩行=思考の軌跡がここにある。
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