私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・
世界が評価した全く新しい [思考する映画] ついに凱旋上映!!
繰り返される言葉とイメージの連鎖が、眠った感覚を覚醒させる
観る者を思考に導く哲学的で詩的な言葉の嵐と、リアリティーの次元から引き剥がされたような演技、大胆に景色を切り取る様な映像が不思議な魅力を醸し出し、世界の映画祭で高い評価を受けた本作。その中でも特に高く評価されたのは、現代の東京をディストピア的に捉えたその映像美と、研ぎ澄まされた音響だった。監督/撮影を務める北尾和弥の都市をフレームで抉り取るような画面構成や光と影の捉え方は、そこにある景色を全く別の劇空間へと変質させ、全てアフレコで再構築され徹底的に無駄を削ぎ落としながらも雑味たっぷりな音響が、静かにその空間を漂いながら時にフレームを壊してしまいそうなほどに鋭く襲い掛かる。これらはアンドレイ・タルコフスキーやタル・ベーラ、アピチャッポン・ウィーラセタクンらを思わせる不思議な時空感覚、マルグリット・デュラスやストローブ=ユイレ、更にはハル・ハートリーの影響をも感じさせる浮遊するような言語感覚と相まって、映画に独自の世界観と圧倒的な強度をもたらし、言葉や文化の壁を超えて観客の心に爪痕を残した。都市を彷徨いながら『何か』を探す女を演じるのは、パフォーマー/アーティストとして活躍する石川理咲子(Ree)。その身体による表現力は、漂白されて構築され直した歪で美しい世界の中に儚くも屹立し、唯一存在を許されたかのように光と闇の狭間を闊歩する。『私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・』この映画は、多様で複雑なテーマを持つ歪で大きな塊だ。観る者全てがすぐに “普通ではない” と感じる映画だろう。しかしただの “異質な映画” ではない。これは、他ではまず感じる事のできない異様で刺激的な “全く新しい映画体験” を産み出す、未だ誰も見たことがない装置なのだ。
監督・脚本・撮影・編集/北尾和弥
日本/2019年/カラー/16:9/DCP/137分 製作: CNSS
▶︎2023年2月11日(土)より公開
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《当日料金》一般:1,800円/大学・専門学生:1,300円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,200円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,200円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,200円/毎週月曜日サービスデー:一律1,200円