ストーリー

 1987年、中国と北朝鮮国境の町図們(トゥーメン)。父とふたりで暮らす娘ユー・ホンは大学の合格通知を手にする。故郷を離れ、北京の大学に進学する彼女は、恋人シャオ・チュンと過ごす最後の夜に彼と初めて結ばれる。

 大学で寮生活を始めたユー・ホンにリー・ティという大人びた親友ができる。そして、リー・ティの年上の恋人ローグーに、魅力的な青年チョウ・ウェイを紹介される。出会った瞬間、彼こそが探し求めていた人だと感じるユー・ホン。夜を徹して語り合い、ふたりは恋に落ちる。おりしも学生たちの間では、自由と民主化を求める嵐が吹き荒れ始める。改革を激しく求める熱気のなかで、ふたりは狂おしく愛し合う。

 しかし、幸せは長く続かない。チョウ・ウェイにあまりに強く魅かれるあまり、いつか離れる日を恐れたユー・ホンは自分から別れを口にしてしまう。彼女の気持ちを理解できないチョウ・ウェイ。お互いに求め合いながらも、ふたりの心はすれ違ってしまう。そして、学生たちによる激しい抵抗活動の続くある夜、彼女を心配して北京にやって来た故郷の恋人シャオ・チュンと共に、ユー・ホンは大学から姿を消してしまう。 一方、天安門事件のあとチョウ・ウェイは軍事訓練に参加する。その後自由を求めてリー・ティ、ローグーと一緒にベルリンへと移り住む。

 10年に渡る月日が流れる。ユー・ホンは図們から深圳(シンセン)へ、さらに武漢、重慶へと中国各地を転々としながら仕事や恋人を変えて生活している。既婚の男性と不倫をしたり、年下の恋人に求婚されても、胸の奥底ではチョウ・ウェイを忘れることができない。チョウ・ウェイもまた、外国での暮らしの孤独と不安のなかで、思い続けるのはユー・ホンのことだった。
帰国したチョウ・ウェイは偶然大学時代の友人に遭遇してユー・ホンの居所を知り、彼女に会いに行く。思い続けた相手との再会に、言葉少なに海辺に立ち尽くすふたり。自由への幻想と共に心にしまった青春時代の恋は、再び燃え上がるのだろうか。

 

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