作品案内

〈特集上映〉In memory of Gena Rowlands イン・メモリー・オブ ジーナ・ローランズ

上映日程: 11月23日〜11月29日

ジョン・カサヴェテス作品のミューズ、世界中の映画人に愛される、不世出の俳優ジーナ・ローランズを偲ぶ。

世界中の映画監督・俳優たちから愛され、唯一無二の俳優として屹立するジーナ・ローランズが、2024年8月14日、カリフォルニア州の自宅で息を引き取った。享年94歳。俳優として活躍しながら、ジョン・カサヴェテスの公私にわたる最良のパートナーとして、彼と共闘して映画に挑み続け、カサヴェテス監督作品に7本出演。ジョン亡き後も、その確固たる演技で世界中の人々を魅了し続けた。『こわれゆく女』(74)と『グロリア』(80)ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、『オープニング・ナイト』(77)ではベルリン映画祭の最優秀主演女優賞を受賞している。

現在目覚ましい活躍をしている映画監督のリューベン・オストルンド(『逆転のトライアングル』)やシャーロット・ウェルズ(『aftersun/アフターサン』)、パブロ・ラライン(『スペンサー ダイアナの決意』)たちもジーナ・ローランズの演技を絶賛。また彼女の訃報に触れた映画人たちが、自身のSNS等で哀悼の意を表しており、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたジェイミー・リー・カーティスは、「彼女は偉大な女優の一人であり、私にとっては道しるべだった。」とインスタグラムにコメントを寄せた。

今回は、ジーナが出演しているジョン・カサヴェテス監督作品7本の中から、厳選した5本を上映。中流アメリカ人夫婦の破綻した関係が崩壊へと至るまでの36時間を描いた『フェイシズ』(68)、壊れかけた家庭を繋ぎとめようとする夫婦愛を描き、アカデミー賞主演女優賞、監督賞にノミネートしたカサヴェテスの代表作の一つである『こわれゆく女』(74)、有名女優の舞台前の極限の緊張を描き、ジーナ・ローランズがベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞した『オープニング・ナイト』(77)、ジーナ・ローランズが相手に一歩も引かないタフな女性・グロリアを熱演し、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『グロリア』(80)、そしてカサヴェテスの集大成的作品であり、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した『ラヴ・ストリームス』(84)の5作品だ。
なお明日10月19日(土)発売の「キネマ旬報 11月号」では、ジーナ・ローランズを追悼する巻頭特集が組まれ、表紙もジーナ・ローランズが飾っている。
特集上映「In memory of Gena Rowlands/イン・メモリー・オブ ジーナ・ローランズ」は、11月23日(土)から1週間限定で開催する。

【上映作品】

●『フェイシズ』 FACES
関係の破綻した中流アメリカ人夫婦の36 時間を描く。男女の愛の葛藤を描いたカサヴェテス一連の作品の原点。
自宅を抵当に入れて撮影した監督第2作。アカデミー賞3部門(脚本賞、助演男優賞、助演女優賞)にノミネートという成果を挙げ、ハリウッドにその存在を認知させた革命的傑作。ヴェネチア国際映画祭最優秀主演男優賞、最優秀監督賞。
1968年/アメリカ/130 分/モノクロ/ヴィスタ
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 撮影:アル・ルーバン 出演:ジョン・マーレイ、ジーナ・ローランズ、シーモア・カッセル
(c)1968 JOHN CASSAVETES
配給:ザジフィルムズ

●『こわれゆく女』 A WOMAN UNDER THE INFLUENCE
精神のバランスを崩した妻と、土木工事の現場監督を務める夫。壊れかけそうな家庭を繋ぎとめようとする夫婦愛を描いたカサヴェテスの代表作の一つ。脚本はジーナ・ローランズ主演の戯曲として執筆。ゴールデングローブ賞最優秀女優賞(ドラマ)受賞。アカデミー賞主演女優賞、監督賞ノミネート。
1974年/アメリカ/147 分/カラー/ヴィスタ
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 製作:サム・ショウ 出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク、マシュー・カッセル
(c)1974 Faces International Films,Inc.
配給:ザジフィルムズ

●『オープニング・ナイト』 OPENING NIGHT
一人の有名舞台女優を通して、人が〝老い″を自覚し始めた時に感じる焦燥や不安を描いた作品。ベルリン国際映画祭で主演女優賞を受賞したジーナ・ローランズの演技は必見。カサヴェテス作品の中で本作が唯一「夫婦役」として共演している。
1977年/アメリカ/144 分/カラー/ヴィスタ
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 撮影:アル・ルーバン 出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ベン・ギャザラ
(c)1977 Faces Distribution Corporation
配給:ザジフィルムズ

●『グロリア』 GLORIA 
ニューヨークを舞台にしたハードボイルドアクション。ジーナ・ローランズ演ずるグロリアが、ある日突然、ギャングの抗争に巻き込まれ、そのギャングの子どもを連れた逃避行が始まる…。相手に一歩も引かないタフな女性・グロリアを熱演し、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。
1980年/アメリカ/121分/カラー/ヴィスタ
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 製作:サム・ショウ 撮影:フレッド・シュラー 音楽:ビル・コンティ
出演:ジーナ・ローランズ、バック・ヘンリー、ジュリー・カーメン、ジョン・アダムズ 
提供:ソニーピクチャーズエンタテイメント

●『ラヴ・ストリームス』 LOVE STREAMS
他人を愛することに不器用ながらも、愛や孤独をテーマにした小説を書く弟と、その深い愛ゆえに狂気に陥っていく姉の内面の荒廃を描く。「愛、孤独、家族」を主題にしたカサヴェテス映画の集大成ともいうべき傑作。ベルリン国際映画祭金熊賞受賞。
1984年/アメリカ/141分/カラー/ヴィスタ
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 原作・共同脚本:テッド・アレン 撮影:アル・ルーバン 出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ダイアン・アボット、シーモア・カッセル 
(c) MCMLXXXIV Cannon Films, Inc.
配給:ザジフィルムズ

▶︎2024年11月23日(土)より公開予定


《当日料金》一般:1,600円/大学・専門学生:1,300円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,300円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,300円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,300円/毎週月曜日サービスデー:一律1,300円