ジョナス・メカス「ポエトリー・デイ」東京
ポンピドゥー・センターが開催する「ポエトリー・デイ」に連動し、ジョナス・メカスの遺作『レクイエム』を日本初上映し、永方佑樹によるパフォーマンスを行う
日時:2024年9月14日(土)21:00〜(23:00終了予定)
会場:シアター・イメージフォーラム
料金:一般・シニア1,500円、学生・会員1,200円(9/11より劇場HP、窓口でチケット発売)
ポンピドゥー・センターは、詩を称える形式を刷新・再発明するために、毎年フランス国内外の会場で「ポエトリー・デイ」という合同イベントを開催している。2020年ジョン・ジョルノ、2021年シャルル・ボードレール、2022年パティ・スミスに続き、2024年はリトアニアの映像作家であり詩人のジョナス・メカスがインスピレーションを与える人物として選ばれた。
映像の領域にまで境界を広げる詩の能力を称え、ジョナス・メカスのテキストと映画に触発された様々な創作形態を通して、特に若い世代と詩への熱意を分かち合うことを目的としている。
東京では、シアター・イメージフォーラムでジョナス・メカス最後の作品『レクイエム』(2019)の上映と、詩人の永方佑樹によるパフォーマンスを一日限定で開催する。
●『レクイエム』2019年/84分
『レクイエム』は、ニューヨークのThe Shedとバーデン・バーデン祝祭劇場の依頼により制作された。2019年1月にメカスが亡くなった後、同年11月に公開された。
メカスによって撮影されたビデオ映像と、ジュゼッペ・ヴェルディ『レクイエム』のサウンド、『レクイエム』で歌われる一節を英訳したテキストによって構成されている。(日本語字幕なし)
The Shedでの初公開時には、単独の映像作品として上映されただけではなく、『レクイエム』の生演奏と合わせた上映も行われた。
「この作品は、ヴェルディの傑作への瞑想的なトリビュートであり、1月に96歳で他界した映像作家自身へのオマージュでもある」(The Shed)
●パフォーマンス:『Dialogue(対話) – Voix(聲)』
2017年ニューヨーク。息子セバスチャンにうながされながらブルックリンの自宅ロフトで詩を読み上げてゆく、2年後にこの世を去る事を未だ知らないジョナス・メカスのVoix(聲)が立ち上げるのは、その瞬間だけではない。" Semeniškių idilės/ Idylls of Semeniškiai (セメニシュケイの牧歌)"。ナチスに侵攻されてゆくリトアニアより脱出し、強制労働キャンプを命からがら逃れ、母国から遠く離れたドイツで、故郷セメニシュケイへの追憶として書いた詩を、94歳となったメカスがアメリカの地で読み上げてゆく時、その聲がふくんでいるのは、詩を紡ぐ時に思い起こされていた幼少期や、難民収容所での日々、あるいは詩集を携えてたどり着いたニューヨークの街中で、自らの手が持ち上げた16ミリカメラの硬い手触りといった記憶の全てであり、その聲との対話は、「詩」という装置を使った聲と文字、瞬間と記憶のダイアローグである。
*メカス全詩集『Poezija』(ユリウス・ジス編:2021Odilė出版)およびメカス本人によるリーディング音声「Semeniškių idilės」(2017-録音:セバスチャン・メカス、ユリウス・ジス 編集:ユリウス・ジス、マヤ・ハン)を使用
ジョナス・メカス
リトアニアのセメニシュケイに生まれたジョナス・メカス(1922-2019)は、1949年にニューヨークに到着し、最初の16ミリカメラを購入、日常生活の瞬間を記録し始めた。ヴィレッジ・ヴォイス紙「ムービー・ジャーナル」のコラムニスト、弟のアドルファス・メカスと共に創刊した『フィルム・カルチャー』誌の編集を務め、フィルムメーカーズ・コーペラティヴとアンソロジー・フィルム・アーカイヴズを設立。彼の作品は、ジム・ジャームッシュやマーティン・スコセッシなど、多くの映像作家やアーティストに影響を与えた。彼の映画、アートワーク、アーカイヴは、ドクメンタ11、ヴェネチア・ビエンナーレ2005、MoMA PS1、ルートヴィヒ美術館など、世界中で広く展示されている。
永方佑樹
詩人。詩をテキストのフォルムとしてだけではなく行為としてとらえ、水等の自然物やデジタル等を詩的メディアとして使用する、「詩を行為する」表現を国内外で展開している。
主催:株式会社ダゲレオ出版
協力:Re:Voir、ポンピドゥー・センター、野村建太
Portrait de Jonas Mekas - Photo © Sebastian Mekas - © Centre Pompidou, conception graphique : direction de la communication et du numérique. © Centre Pompidou, conception graphique : direction de la communication et du numérique.