〈特集上映〉自在「人機の情動/MAN MACHINE EMOTION」
日々進化するテクノロジー。その中で「人機一体」はどこまで進むのか?物理空間とバーチャル空間の双方で、自己主体感を保ったまま、人がロボットやAIと一体になる。気づかぬほどに自然なマンマシン・テクノロジーの未来。そんな身体拡張の可能性を探究するのが東京大学教授・稲見昌彦率いる100人の研究者集団「稲見自在化身体プロジェクト」であり、映画『自在』の発端だった。
この研究室に遠藤麻衣子(『KUICHISAN』『TECHNOLOGY』ほか)が潜入。実験用実機を装着し、若手研究者たちと対話を重ねながら創り上げたのが本作『自在』である。
この度、この作品の日本初公開にあわせて、遠藤監督が「人機の情動/MAN MACHINE EMOTION」をテーマにセレクトした3作品も同時上映。人類とテクノロジーの共生のあり方を、会期中のトークを交えながら考察する。
遠藤麻衣子監督 最新作『自在』
+ 遠藤監督セレクトの併映3作品(長編1作 + 短編2作)と贈る特別企画
「人機の情動 / MAN MACHINE EMOTION」
<上映作品>※すべて日本初上映
『自在』(14分)短編
『ハックト・サーキット』(15分)短編
『アーティフィシャル・ユーモア』(29分)短編
『ネプチューン・フロスト』(105分)長編
★アジア・国内プレミア上映 ! 遠藤麻衣子監督短編映画作品
★2024年スイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭(ヴィジョン・ドゥ・リール)等招待作品
★稲見自在化身体プロジェクトとのコラボレーション作品
『自在』
2024年/日本/14分/DCP/白黒・カラー/1.33:1/5.1ch/英題:JIZAI
ロボットと一体化した少年は、能力の限界を広げるために新たな体の一部を作っている。彼は三つ目のメガネやロボットを通じ、同時に他のふたりの子供と、現実世界の時空を超えて交感を重ねる。重奏的なその体験の先で…。
出演:遠藤陽太郎、シュミット真綾、早川天麻 ほか|監修:稲見昌彦|制作・監督・脚本・編集:遠藤麻衣子
製作:JST ERATO稲見自在化身体プロジェクト、トモ・スズキ・ジャパン|制作:3 EYES FILMS、A FOOL|協力:JIZAIE、Art&Science Communication Lab
監督:遠藤麻衣子/Maiko Endo
映画監督/アーティスト。ヘルシンキ生まれ。東京で育つ。ニューヨークで創作の後、帰国。 2011年日米合作長編映画『KUICHISAN』で監督デビュー。同作は 2012年イフラヴァ国際ドキュメンタリー映画祭にてグランプリを受賞。日仏合作で長編二作目となる『TECHNOLOGY』を完成させた。中編『TOKYO TELEPATH 2020』が、2020年ロッテルダム国際映画祭正式出品作となる。2021年に初の美術作品となる映像インスタレーション《Electric Shop No.1》を東京のTakuro Someya Contemporary Artで発表。2022年、第14回恵比寿映像祭でオンライン映画《空》を発表。翌年、東京都写真美術館の展覧会「風景論以後」に同作を展示。現在、東京を拠点に活動中。
『ハックト・サーキット』(2014年/15分/アメリカ/DCP/カラー/16:9/ステレオ)
◉フランシス・フォード・コッポラ監督、ジーン・ハックマン主演による映画『カンバセーション…盗聴…』(1974)の編集で、スタッフが映像に音を加えている。それを記録した短編で、映画制作のメカニズムを伝えると同時に、リアルとは何かを問いかけ、監視社会への問題をも提起。
●監督:デボラ・ストラットマン Deborah Stratman
映像作家、アーティスト。権力、支配、信念の問題に関する作品を制作し、場所、アイデア、社会がどのように絡み合っているかを探求している。トラットマンは音を究極の多機能ツールとし、時間を超自然的なものと見なして表現する。ストラットマンの映画やアート作品は国際的に展示され、受賞している。現在シカゴに在住、イリノイ大学で教鞭を振るっている。
『アーティフィシャル・ユーモア』(2016年/29分/ポルトガル・ブラジル・スペイン/DCP/カラー/2.39:1/5.1ch)
◉ブラジル先住民族の少女が恋する相手はキュートなAIロボット。やがて、都会でロボットはスタンダップコメディの人気者になってゆく。恋の行方は?ドキュメンタリー的アプローチから、マット・グロッソ州のヤワラピティ族やカマユラ族の村でも撮影された短編フィクション。
●監督:ガブリエル・アブランテス Gabriel Abrantes
1984年、アメリカ合衆国ノースカロライナ州で生まれ。アブランテスの映画は、カンヌ国際映画祭の監督週間と批評家週間、ベルリン国際映画祭、ロカルノ映画祭、ヴェネツィア・ビエンナーレ、トロント国際映画祭で紹介されてきた。また批評家週間のグランプリ、ベルリン国際映画祭のEFA賞、ロカルノ映画祭のゴールデンレオパード賞、EDPヤングアーティスト賞など、数多くの賞を受賞。また、リンカーン・センター(ニューヨーク)とBAFICI(ブエノスアイレス)での回顧展上映シリーズでも作品が上映された。現在、リスボンに在住。
『ネプチューン・フロスト』(2021年/105分/ルワンダ・アメリカ/DCP/カラー/1.66:1/5.1ch)
◉アフリカ・ブルンジ共和国の電子廃棄物キャンプでは、独裁者が奴隷労働を強いていた。宇宙の力を通じて脱出したインターセックスの主人公が、鉱山労働者や反独裁ハッカー集団とともに特殊な回路を…。共同監督のS・ウィリアムズが作曲も手がけたアフロフューチャリスティックなSFパンク・ミュージカル。
●監督・音楽:ソウル・ウィリアムズ Saul Williams
アメリカの詩人、ミュージシャン、俳優。マーク・レヴィンの映画「スラム」で俳優デビューし、共同執筆も担当。この映画は1998年のサンダンス映画祭で審査員大賞を、カンヌ国際映画祭でカメラドールを受賞した。出演した「Aujourd'hui - TEY」(アラン・ゴミス監督)は2013年のFESPACOで金賞を受賞、同映画祭で最優秀男優賞を受賞した初のアフリカ系アメリカ人となった。またウィリアムズはこれまでに5冊の詩集を出版している。ミュージシャンとしては、6枚のアルバムをリリースし、カニエ・ウェスト、ナズ、ジャネール・モネイ、ナイン・インチ・ネイルズ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ザ・ルーツ、モス・デフ、アレン・ギンズバーグ、アミリ・バラカ、ギル・スコット・ヘロン、エリカ・バドゥなどのアーティストと共にツアーやコラボレーションを行ってきた。
●監督:アニシア・ユゼイマン Anisia Uzeyman
女優、劇作家、映画監督。ルワンダ生まれ。フランスの高等演劇学校で演劇を学ぶ。監督デビュー作「Dreamstates」は全編がiPhoneで撮影され、ソウル・ウィリアムズが出演。この映画は2016年のロサンゼルス映画祭で初上映された。彼女はまた、数多くのミュージックビデオも監督している。女優としては、映画「Aujourd'hui-TEY」(ここでソウル・ウィリアムズと出会った)や、ゲティ・フェリン監督の長編作「Ayiti Mon Amour」(2017年のトロント国際映画祭で初上映)に出演。自身のオリジナル脚本を詩的に表現した「Saolomea, Saolomea」を2021年に出版もしている。
★8/03(土)『自在』+ アフタートーク ゲスト:樋口泰人さん(映画評論家・爆音映画祭ディレクター)、遠藤麻衣子監督
★8/12(祝)『ネプチューン・フロスト』+ Q&A (ソウル・ウィリアムズ、アニシア・ユゼイマン監督)/モデレーター:秋田祥(ノーマルスクリーン主宰)
★8/13(火)『自在』上映前舞台挨拶 ゲスト : 早川天麻さん
★8/16(金)『自在』+ アフタートーク ゲスト:稲見昌彦(東京大学教授)×遠藤麻衣子(映画監督)
▶︎2024年8月3日(土)より公開
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《当日料金》一般:1,900円/大学・専門学生:1,400円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,400円/会員:1,300円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,300円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,300円/毎週月曜日サービスデー:一律1,300円