作品案内

〈特集上映〉OKI HIROYUKI ON SCREEN 大木裕之特集2024

oki001
上映日程: 5月25日〜6月7日

スクリーンで大木裕之に惑溺する

1980年代から映画制作を開始、初期には無編集の日記映画スタイルが観客に衝撃を与え、ベルリン国際映画祭で絶賛されるなど、「映画作家」として表現活動を開始した大木裕之はその後、現在に至るまで、ライブ上映、パフォーマンス、ドローイングなど、表現を拡張させ、映画や美術の垣根を越えて常に刺激的な存在として活躍している。
イメージフォーラム・フェスティバル1990で審査員特別賞を受賞し、国際的に注目されるきっかけとなった『遊泳禁止』などの初期作品から最新作までを一挙上映。大木裕之の身体的なカメラが捉えた光、人物、風景の美しさ、そして虚実を交錯させ、呼吸するかのように巧みに編集された時間の流れをぜひスクリーンに没入して体験してほしい。

【大木裕之】
1964年東京都生まれ。東京大学工学部建築学科在学中の80年代前半より映画制作を開始。大学卒業後にイメージフォーラム映像研究所に通い、3時間に及ぶ大作『松前君の映画』(1989)を卒業制作として発表。翌1990年には『遊泳禁止』でイメージフォーラム·フェスティバル1990審査員特別賞を受賞、「ランボーの末裔」と絶賛される。その後、高知を創作の拠点とし、1996年には、高知県立美術館製作による『HEAVEN-6-BOX』で第46回ベルリン国際映画祭フォーラム部門ネットパック賞を受賞。国際的な評価が高まる。その後も現在に至るまで、映画分野のみならず、ライブ上映、インスタレーション、パフォーマンス、ドローイングなど、映像と美術の垣根を越えて刺激的な創作活動を続けている。上記の他にも、山形国際ドキュメンタリー映画祭、ロッテルダム国際映画祭など数多くの国際映画祭に招待されているほか、「六本木クロッシング」、「あいちトリエンナーレ」など美術展での展示も多数行なっている。

【上映プログラム】

HEAVEN-6-BOX/16ミリ(デジタル版)/60分/1995
天国からの光が降り注ぐ街、高知。10分×6セクション(箱)という厳密な構造のもと、JR旭駅前をはじめとした高知の風景や人々の営みの断片が、神秘的かつノイジーに交錯する。高知県美術館製作による大木裕之の代表作の1本。第46回ベルリン国際映画祭フォーラム部門ネットパック賞受賞
製作・所蔵:高知県立美術館
▶5月25日(土)上映終了後に大木裕之によるトークショーあり。


遊泳禁止/8ミリ(デジタル版)/89分/1989
1989年7月〜8月の22日間の記録と、途中に挿入される大木の過去作とで構成される日記的映画。時間と空間を切り取ることへの異様なまでの執着にフィルムに対する切実な思いが滲み出ている。イメージフォーラム・フェスティバル1990で審査員特別賞を受賞。審査員のドミニク・ノゲーズから「ランボーの末裔」と讃えられた。


優勝 ―Renaissance/16ミリ(デジタル版)/88分/1995-1998 +JEANS FACTORYテレビCM集(約12分)
映像による四国4県の巡礼の旅。合田佐和子、高崎元尚など高知ゆかりの美術家も出演し、山や海を舞台に神話を想起させる幻想的な光景がカメラに収められる。本作の素材などを編集して大木裕之が90年代に制作したJEANS FACTORYのテレビCM集を併映。大木作品が毎日地上波で放送されていた!
制作:JEANS FACTORY


七月の思想家/16ミリ(デジタル版)/73分/1993
1993年7月を中心に、全編高知で撮影。架空の存在「七月の思想家」の視点を匂わせつつ切り取られた時間と風景の中で、世界との関係性を探求する思索の痕跡がみずみずしく描かれる。
所蔵:高知県立美術館


たまあそび/35ミリ/60分/1996 R18+
日記的撮影スタイルが劇中で独特な化学反応を起こし詩情をもたらす、大木裕之のゲイ・ピンク作品第2弾。「恋知らぬ 猫のふりなり 球あそび」。正岡子規の俳句を織り交ぜつつ、松山を舞台に社会人野球選手たちの恋を描く異色のドラマ作品。
制作・配給:ENKプロモーション


3+1/16ミリ/82分/1997
愛知芸術文化センターが「身体」をテーマにプロデュースしているオリジナル映像作品の1本。96年7月の沖縄、8月の高知、9月の名古屋をそれぞれ、16ミリ、8ミリ、8ミリビデオで撮影。さらに9月24日に行なわれた公演「舟の丘、水の舞台」をデジタルビデオで撮影した映像を、公演の構成に即して重ね合わせている。
企画:愛知芸術文化センター、制作:愛知県文化情報センター
▶上映終了後に越後谷卓司(多摩美術大学教授)×大木裕之によるトークショーあり。


心の中/16ミリ/89分/1997-1998
1997年5月7日から1998年5月6日まで、全国を横断して撮影された素材が即興的にオーバーラップされ、「心の中」の物語を紡いでいく。海辺で「心中」を演じる二人の青年の姿を日記的映像とフィクションを織り交ぜて描いている。
製作:リカコ・カンパニー


g8-2(カリ)/デジタル/83分/2006
東京、四国、韓国、チベットを舞台に、人々の姿や風景、また作者自らの人間関係も素材として撮影。性のあり方を問いかけながら、フィクションとドキュメンタリーの境界を横断していく。大木のカメラが捉えた終わることのない「日常」の中で、様々な人間模様が「曼荼羅」のように現れてくる。


レフトライトデザイア/デジタル/40分/2016
meta dramatic/デジタル/40分/2024

10年の間隔で撮影された素材を交錯させ、独白とともに思索を深めていく『レフトライトデザイア』と、狩猟生活を送る東出昌大とパフォーマンスを行なう大木を軸に映像が多層化され、言葉・映画・ライブの問題を探求する『meta dramatic』。「恵比寿映像祭2023 コミッション・プロジェクト」での委嘱制作作品『meta dramatic 劇的』から更新を続けた最新版を上映。


木(ム)/デジタル/60分/2003(製作:ikura_pro)
木三(ムミ)/デジタル/30分/2024

香川でのワークショップから生まれた「デジ」シリーズ中の作品。毎年8/21から8/31の10日間に撮影を行なうという当初のコンセプトを拡大し、9/18から9/28の10日間に撮影された映像も重ねられ、10年サイクルで作品を制作。奇しくも両親の死がその期間に重なり、大木にとって重要な意味を持つシリーズとなった。


メイ/デジタル/50分/2004〜2008(製作:Fou production)
メイⅣ/デジタル/50分/2019〜2023

毎年5月に撮影が行なわれ、5年分の素材で1作品が構成される「メイ」シリーズの第1作と最新作を上映。「美(中国語読みで“メイ”)とは何か」を探求する大木のカメラがとらえた、一見脈絡のない断片的なシーンを膨大に集積してゆくことで、“ 生”の全体性の再構築が図られる。


移動教室/8ミリ(デジタル版)/23分/1986
松前君の絵日記/8ミリ(デジタル版)/6分/1988
光景獲り/16ミリ(デジタル版)/5分/1991
M・I 2023/デジタル/30分/2000〜2023
オーマイゴッド/デジタル/8分2019・2024
松前君の映画2024/デジタル/10分/2024

イメージフォーラム映像研究所以前の作品『移動教室』、大木のライフワーク「松前君」シリーズの原型『松前君の絵日記』など、最初期から最新作までで構成される「レア」短編プログラム。

企画:株式会社ダゲレオ出版
協力:ANOMALY

【上映スケジュール】

HO_schedule_02


▶︎2024年5月25日(土)より公開予定

《当日料金》一般:1,500円/大学・専門学生:1,300円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,200円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,200円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,200円/毎週月曜日サービスデー:一律1,200円