〈特集上映〉KAFA韓国映画アカデミー40周年記念 KAFAと韓国映画のこれから
〈特集上映〉KAFA韓国映画アカデミー40周年記念 KAFAと韓国映画のこれから
1984年に設立し、ポン・ジュノ、イ・ジェヨン、ホ・ジノなど、今や韓国だけではなく世界映画の顔となった監督を輩出し、2000年代以降の韓国映画の躍進のエンジンの一つでもある韓国の国立映画学校、「韓国映画アカデミー(KAFA)」。その40年にわたる歴史を振り返りつつ、新たに生まれつつある新しい才能を紹介する特集上映。そのKAFAと長年共同製作などの交流を続けてきた日本の東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻の協力のもと、東京藝大作品の上映、新たな作家を育成するために日韓が意見交換を行うシンポジウムなども開催する。
KAFA韓国映画アカデミー40周年記念「KAFAと韓国映画のこれから」
主催:韓国映画アカデミーKAFA
協力:東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻、ダゲレオ出版+イメージフォーラム
●Aプログラム「ラッキー・モンスター」
2019年/90分/デジタル
監督・脚本・編集:ポン・ジュニョン
出演:キム・ドユン(『新感染半島 ファイナル・ステージ』『コンクリート・ユートピア』)他
「スーパーヒーローになるため、妻を見つけなければ」借金の取り立てに苦しむ一文無しの男マンスは、自分がなんの取り柄もないことを痛感し、妻を守るため偽装離婚を提案する。しかし、人生の大逆転。最後の希望と購入した宝くじで大金を手にすることに。早速妻に連絡を取ろうとするマンスだが、彼女は行方不明になっていた……。不思議なユーモアと奇想天外な展開が魅力のねじれた復讐譚。
●Bプログラム「京都から届いた手紙」
2022年/102分/デジタル
監督・脚本・編集:キム・ミンジュ
出演:ハン・ソナ、ハン・チェア、チャ・ミギュン(『タクシー運転手 約束は海を越えて』『バーニング』)他
記憶が失われつつある元・在日朝鮮人の母の過去と、家から旅立ってそれぞれの道を歩もうとしている3人の娘たちの人生が交差する様を繊細に描いて高い評価を得た『京都からの手紙』。プサンのヨンド(影島)を舞台に、地元のオーディションで選出された俳優たちとともに制作したヒューマン・ストーリー。
●Cプログラム「KAFA×藝大共同制作作品+『逃避行』」〈合計84分〉
『消えない』2007年/20分/デジタル/監督:ビョン・ビョンジュン
『あおひげ』2011年/53分/デジタル/監督:後閑広/出演:北村匠海、大島葉子、キム・ジュンヒ
『逃避行』2022年/14分/デジタル/監督:森美春/脚本:石井夏実
隣に住む韓国人との交流を通して成長する思春期の少年を瑞々しく描いた『あおひげ』とビョン・ビョンジュン監督による『消えない』の2本の日韓共同製作作品に加えて、平穏な日常から奇妙な世界へと迷い込む少年たちを描き、今年のサンセバスチャン国際映画祭に招待された東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻の森美春監督『逃避行』を上映する。
●Dプログラム「KAFA80〜90年代 初期卒業制作作品集」〈合計73分〉
『アンドロメダ』1986年/22分/16ミリ(デジタル版上映)/監督:イ・ヨンジェ(『我が心のオルガン』)
『ホモ・ビデオクス』1990年/20分/16ミリ(デジタル版上映)/監督:イ・ジェヨン(『スキャンダル』)
『支離滅裂』1994年/31分/16ミリ(デジタル版上映)/監督:ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)
KAFA(韓国映画アカデミー)初期、80年代から90年代にかけての短編作品集。森の中の屋敷に住むミステリアスな女に恋をした男。その逃避行の行方は? 当時の韓国の街並みも映したファンタジックなラブストーリー『アンドロメダ』、テレビの前で日々を過ごす主人公の男はある日カメラを買い、近隣に住む女性を撮影し始める--1990年クレルモン=フェラン国際短編映画祭批評家大賞受賞作『ホモ・ビデオクス』、軽快かつシニカルな作風の萌芽が見られるポン・ジュノのキャリア初期の短編オムニバス作品『支離滅裂』の三作品を上映。
●Eプログラム「KAFAニューウェーブ」〈合計113分〉
『ロスト・アンド・ファウンド』2004年/17分/16ミリ(デジタル版上映)/監督:キム・ドンリョン(『妊娠した木とトッケビ』)
『家から出るな』2009年/43分/16ミリ(デジタル版上映)/監督:チョ・ソンヒ(『私のオオカミ少年』)
『Hz』2016年/11分/デジタル/監督:ポン・ジュニョン(『ラッキー・モンスター』)
『Ah-ah-ah』2015年/15分/デジタル/監督:ノ・ヨンミ
『コンテナ』2018年/27分/デジタル/監督:キム・セイン (『同じ下着を着るふたりの女』)
病の母を持つ主人公と母親を亡くした少女、二つの並走する人生がある時交差する--イメージフォーラム・フェスティバル2020で寺山修司賞を受賞したキム・ドンリョンの瑞々しい初期作品『ロスト・アンド・ファウンド』、地下アパートに住む兄妹の元にやってきた男たちの目的は一体?大ヒット作『私のオオカミ少年』のチョ・ソンヒによる緊張感張り詰める室内サスペンス『家から出るな』、最新作『同じ下着を着る女』が各国映画祭で賞賛を浴びたキム・セインが、成長期の少女の葛藤を丁寧に描いた『コンテナ』等、2000年代のKAFA出身、近年も新作を発表する5監督によるいずれも日本未公開の短編作品集。
●Fプログラム「KAFAの現在」〈合計63分〉
『2+1』2023年/26分/デジタル/監督:チャン・ヨンソン
『ベビー・バスタブ』2023年/14分/デジタル/監督:チェ・ボムソク
『穴』2023年/23分/デジタル/監督:フアン・ヒェイン
効率を至上命題とする奇妙なオフィスを皮肉たっぷりコミカルに描いた『2+1』、赤ん坊の入浴をきっかけに自身の創作と人生が入り乱れ混乱する漫画家を描く『ベビー・バスタブ』、打ち捨てられたマンションの部屋にあいた穴を巡る不条理なスリラーで本年のカンヌ映画祭「ラ・シネフ」第二席を獲得した『穴』。KAFAの最新修了作品3本を上映。
▶︎2023年11月3日(金)より限定上映
《当日料金》一般:1,500円/大学・専門学生:1,000円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,000円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,000円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
〈シンポジウムのお知らせ〉
11月4日(土)14:00〜16:00
シアター・イメージフォーラム3F「寺山修司」
出演者
・チョ・グンシク〈韓国映画アカデミー学長〉
・ポン・ジュニョン〈映画監督『ラッキー・モンスター』・韓国映画アカデミー第32期卒業〉
・ノ・ヨンミ〈映画監督『Ah-ah-ah』・韓国映画アカデミー第32期卒業〉
・諏訪敦彦〈映画監督・東京藝術大学教授〉
・森美春〈映画監督『逃避行』・東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻第17期修了〉
*本特集上映の半券提示で入場可(定員30名)