作品案内

新生ロシア1991 The Event

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上映日程: 1月21日〜2月24日

自由と変化を求めた1991年レニングラードの夏 世界を揺るがした「ソ連8月クーデター」—— 新生ロシア誕生の瞬間を目撃する 異才セルゲイ・ロズニツァが映し出す、ロシアの光と影

1991年8月19日。ペレストロイカに反対する共産党保守派がゴルバチョフ大統領を軟禁し軍事クーデターを宣言した。テレビはニュース速報の代わりにチャイコフスキーの「白鳥の湖」を全土に流し、モスクワで起きた緊急事態にレニングラードは困惑した市民で溢れかえった。夜の街では男がギターを掻き鳴らしウラジーミル・ヴィソツキーの「新時代の歌」を歌い、ラジオからはヴィクトル・ツォイの「変化」が流れた。自由を叫んだ祖国のロックが鳴り響くレニングラードは解放区の様相を呈し、8万人が集まった宮殿広場でついに人々は共産党支配との決別を決意する—— 本作品はレニングラードの8名のカメラマンが混乱する市中に紛れ撮影した映像をセルゲイ・ロズニツァが手にし、3日間で終わった「ソ連8月クーデター」に揺れながらもロシアの自由のため立ち上がったレニングラードを再構成する。

本作品の映像はアレクサンドル・ソクーロフの製作や後にロズニツァも所属し初期作品を制作した事で知られるレニングラード・ドキュメンタリー映画スタジオの8名のカメラマンがモノクロフィルムで撮影した映像である。ロズニツァはクーデターが起きた1991年8月、数学者から映画監督へ転進する準備をしながらキーウでこの出来事を見つめたという。25年の時を経てロズニツァは変化を遂げようとするレニングラードを懸命に記録した同窓の意を受け取り、それぞれの想いを込め1991年夏のレニングラードを映画にした。

レニングラード市長のアナトリー・サプチャークはモスクワのホワイトハウスで市民と共に反クーデターを訴えるエリツィンを支持し、レニングラードの各所で開かれた集会やラジオ放送で市民にクーデターへの抵抗を訴える。そんな躍動するサプチャークを追っていたカメラに映り込んだ若かりしウラジーミル・プーチンの姿をロズニツァは逃さなかった—— 民主化に熱狂する大群衆の中、「苦しみ多きわが国民よ、騙されるな!」と書いたプラカードを掲げた女性がスクリーン越しの私たちに問いかける。

監督:セルゲイ・ロズニツァ
2015年/70分/ベルギー=オランダ/ロシア語/4:3/日本語字幕:守屋愛
配給:サニーフィルム

▶︎2023年1月21日(土)より公開
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《当日料金》一般:1,800円/大学・専門学生:1,300円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,200円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,200円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,200円/毎週月曜日サービスデー:一律1,200円
★一般1,800円に限り『ミスター・ランズベルギス』の半券提示で200円引き(ほかの割引サービスとの併用は不可)

トークショーのお知らせ
●2/5(日)『新生ロシア1991』12:15の回上映後
ゲスト:金平茂紀さん(ジャーナリスト)

※予告編なし本編より上映

※ゲストの都合などにより、変更、中止の可能性がございます。予めご了承下さい。

※マスク着用でご来場ください。
また館内に設置した消毒液のご利用、入場時の検温にご協力をお願いいたします。