作品案内

リフレクション Reflection

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上映日程: 6月25日〜7月29日

現在も続くウクライナ侵略戦争を真正面から描いた、ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督、2作品『アトランティス』『リフレクション』同時・緊急劇場公開決定!敵の捕虜となった外科医の運命を、純真な少女の視点を交え、驚くべきショットの連続で凝視した『リフレクション』の深遠さ

ロシアのクリミア半島侵攻、ドンバス紛争が始まった2014年が背景の『リフレクション』は、思いがけない壮絶な運命をたどる外科医セルヒーが主人公だ。兵士たちの命を救いたい一心で従軍医師となった彼は、東部戦線で人民共和国軍の捕虜となり、拷問などの悪夢のような非人道的行為を経験。やがて捕虜交換によって首都キーウに帰還したセルヒーが、失われた日常を取り戻そうと苦闘する姿を、12歳の娘ポリーナ(演じるのは監督自身の娘ニカ・ミスリツカ)との触れ合いを軸に見すえていく。

本作は対照的な2部構成になっている。主人公にトラウマをもたらす人民共和国軍の捕虜収容所での惨劇を描く前半は、おぞましい拷問や移動火葬車による遺体の焼却シーンを、感情を一切差し挟まない 固定カメラで映像化。非戦闘地域のキーウに舞台が移る後半は一転、父娘が織りなす交流劇が象徴的な表現や隠喩を織り交ぜて展開していく。

前作『アトランティス』ですでに確立されたヴァシャノヴィチ監督の様式美はいっそう洗練され、緻密に設計された驚くべきアクション・ショット、窓や扉といったモチーフを多用したイメージに目を奪われる。とりわけ主人公の自宅マンションの窓にハトが激突し、その痕跡が残されるミステリアスなエピソードは、観る者に深い思考を促す。反射、鏡像といった意味を持つ『リフレクション』という題名にこめられたテーマとは何なのか。戦争と平和、生と死、肉体と魂、そして贖罪。深遠なる多義性に富んだ本 作には、ヴァシャノヴィチ監督の並外れた才気が凝縮されている。

監督・脚本・撮影・編集・製作:ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ/出演:ロマン・ルーツキー、アンドリー・ルィマルーク、ニカ・ミスリツカ
2021年/ウクライナ映画/ウクライナ語・ロシア語/126 分/シネスコ/原題:Відблиск|/日本語字幕:額賀深雪/字幕監修:梶山祐治
協力:ウクライナ映画人支援上映 有志の会/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
©Arsenal Films, ForeFilms

▶︎2022年6月25日(土)より公開
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《当日料金》一般:1,800円/大学・専門学生:1,300円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,200円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,200円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,200円/毎週月曜日サービスデー:一律1,200円
★同日公開の『アトランティス』との相互割引あり。半券提示で一般料金1,800円に限り1,500円に割引

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