作品案内

濱口竜介アーリー・ワークス アンコール+寝ても覚めても Ryusuke Hamaguchi Early Works

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上映日程: 11月10日〜11月23日

最新作『寝ても覚めても』とあわせて、濱口ワールドが堪能できる「濱口竜介アーリー・ワークス」の開催が決定!好評につき一週間延長上映決定!

商業映画デビュー作『寝ても覚めても』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品という快挙を成し遂げるなど、世界が注目する濱口竜介監督。いまを生きる人々の姿を、そして人々が生きる街を、鮮烈な映像表現で描き続ける濱口作品は、これから益々世界中で観られるようになるのは間違いない。『寝ても覚めても』含む全7作品の特集上映を開催する。

〈上映作品〉
『ハッピーアワー』(第一部・第二部・第三部)
製作:神戸ワークショップシネマプロジェクトプロデューサー:高田聡、岡本英之、野原位 / 監督:濱口竜介 / 脚本:はたのこうぼう(濱口竜介、野原位、高橋知由) / 撮影:北川喜雄 / 録音:松野泉 / 照明:秋山恵二郎 / 助監督:斗内秀和、高野徹音楽:阿部海太郎
出演:田中幸恵、菊池葉月、三原麻衣子、川村りら ほか
2015年 / 317分 / HD / カラー
30歳を過ぎて友人になった4人の女性たち。彼女たちを結びつけた1人が抱える秘密が明かされた時、3人の日常も揺らぎだす。即興演技ワークショップの参加者が出演し、主人公たちの家族、恋人、出会う人々にまで豊かな枝葉を伸ばす珠玉の5時間。電車、駅のホーム、バス、テーブルを囲んだ対話など、従来の濱口作品にあった場面がより洗練され、山と海が隣接する神戸の地形を活かした撮影も魅力を放つ。10年代を代表する傑作。

『親密さ』(前編・後編)
製作:ENBUゼミナール / 監督・脚本:濱口竜介
撮影:北川喜雄 / 編集:鈴木宏 / 整音:黄永昌 / 助監督:佐々木亮介 / 制作:工藤渉 / 劇中歌:岡本英之
出演:平野鈴、佐藤亮、伊藤綾子、田山幹雄 ほか
2012年 / 255分 / HD / カラー
演劇の上演からなる後半と、その過程を描いた前半の2部構成による巨編。海の向こうで戦争が始まった世界を舞台に、脚本家と演出家のカップルが舞台を作り上げる。恐怖・戦争をめぐる討論やインタビューなど実際の舞台稽古で行われた部分に、演じた部分を重ねることで戦時下の演劇という虚構を成立させる。夜明けまでの数十分を話しながら歩くロングテイクが忘れ難い。濱口が講師を務めたENBUゼミナール映像俳優コース卒業制作。

『THE DEPTHS』
製作:東京藝術大学大学院映像研究科・韓国国立フィルムアカデミー / プロデューサー:原尭志、シム・ユンボ / 監督:濱口竜介 / 脚本:濱口竜介、大浦光太 / 撮影監督:ヤン・グニョン / 照明:後閑健太 / 整音:金地宏晃 / 美術:田中浩二 / 編集:山崎梓 / 助監督:菊地健雄
出演:キム・ミンジュン、石田法嗣、パク・ソヒ、米村亮太朗、村上淳ほか
2010年 / 121分 / HD(Blu-ray上映) / カラー
東京藝術大学と韓国国立映画アカデミーの合作。友人の結婚式へ来日したカメラマン、ペファンは男娼リュウの魅力に惹かれて韓国へ連れ帰ろうとする。濱口映画の根幹を担う対話が、韓国語と日本語で交わされることによる壁をはじめ劇中には境界線が張り巡らされているが、題名にもある深度を増すことで境界は消えていく。石田法嗣との最初の出会いとなり、彼に向けられる眼差しは、今後の作品で重要な位置を占めることを予感させる。

『PASSION』
製作:東京藝術大学大学院映像研究科 / プロデューサー:藤井智 / 監督・脚本:濱口竜介 / 撮影:湯澤祐一 / 照明:佐々木靖之 / 録音:草刈悠子美術:安宅紀史、岩本浩典 / 編集:山本良子 / 助監督:野原位
出演:河井青葉、岡本竜汰、占部房子、岡部尚、渋川清彦 ほか
2008年 / 115分 / HD(Blu-ray上映) / カラー
濱口の名を知らしめた東京藝術大学映像研究科修了作品。結婚を発表したカップルと友人たちの関係に変化が訪れる。あたかもトレンディドラマの様な設定から暴力をめぐる討論、本音ゲームへと対話劇が発展する一方で『ハッピーアワー』でも際立った都市を切り取る視点が突出。横浜を映画的な都市へと変貌させ、終盤の10分に及ぶ長回しで風景と言語を一体化させる。脚本家・荒井晴彦は「俺はこんな映画を書きたかった」と絶賛した。

『不気味なものの肌に触れる』
製作:LOAD SHOW、 fictive / プロデューサー:北原豪、 岡本英之、 濱口竜介 / 監督:濱口竜介 / 脚本:高橋知由 / 撮影:佐々木靖之 / 音楽:長嶌寛幸 / 録音:黄永昌 / 助監督:野原位 / 制作:城内政芳 振付:砂連尾理
出演:染谷将太、石田法嗣、渋川清彦、 瀬戸夏実、水越朝弓、河井青葉、村上淳 ほか
2013年 / 54分 / HD / カラー
『ハッピーアワー』始動前に関西の特集上映のために制作された中篇。父を亡くして義兄に引き取られた千尋は、ダンスパートナーの直也との時間に没頭する。表題の触覚性を染谷将太と石田法嗣の身体性とインタビュー形式の対話によって表出させた上で師・黒沢清への接近と言うべき不穏な空間を全篇に作り上げて見せる。来るべき長編『FLOODS』のパイロット版であり、今後の濱口映画の新たな展開を予感させる刺激に満ちている。

『永遠に君を愛す』
製作:竹澤平八郎 / 監督:濱口竜介 / 脚本:渡辺裕子 / 撮影:青木穣 / 照明:後閑健太 / 録音:金地宏晃
整音:上條慎太郎 / 美術:原尚子 / 編集:山崎梓 / 助監督:佐々木亮介 / 音楽:岡本英之
出演:河井青葉、杉山彦々、岡部尚、菅野莉央、天光眞弓、小田豊 ほか
2009年 / 58分 / HD / カラー
東京藝大修了後に自主制作で撮られた中篇。結婚式を目前にしたヒロインが、お腹の子どもの父親は元彼である可能性に思い悩むうちに式当日を迎える――という設定を濱口が提示して藝大の先輩・渡辺裕子が脚本を執筆。『PASSION』の後日談的世界観とも言え、心地よい語り口で見せる抱腹絶倒のシチュエーション・コメディになっている。電車が登場することの多い濱口作品の中でも際立って多彩な電車が登場する点も注目したい。

『寝ても覚めても』
出演:東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知(黒猫チェルシー)、仲本工事、田中美佐子
監督:濱口竜介 / 原作:柴崎友香『寝ても覚めても』(河出書房新社)/ 音楽:tofubeats
2018年 / 119分 / 配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス
同じ顔をした二人の男と、一人の女。スリリングな展開が観る者の心をかき乱し、恋愛観を揺さぶる「大人の恋愛映画」の傑作!

上映作品解説:吉田伊知郎
企画:ビターズ・エンド 協力:NEOPA、fictive、神戸ワークショップシネマプロジェクト、ENBUゼミナール、東京藝術大学大学院映像研究課

〈上映スケジュール〉
●11月10日(土) 12:20『寝ても覚めても』/14:45『ハッピーアワー』(第一部)/16:45『ハッピーアワー』(第二部)/18:40『ハッピーアワー』(第三部)

●11月11日(日) 12:05『寝ても覚めても』/14:15『親密さ』(前編)/16:15『親密さ』(後編)/18:50『寝ても覚めても』

●11月12日(月) 12:20『PASSION』/14:25『寝ても覚めても』/16:35『THE DEPTHS』/18:50『寝ても覚めても』

●11月13日(火) 12:20『寝ても覚めても』/14:30『不気味なものの/永遠に君を愛す』/16:35『寝ても覚めても』/18:45『THE DEPTHS』

●11月14日(水) 12:05『寝ても覚めても』/14:15『親密さ』(前編)/16:15『親密さ』(後編)/18:50『寝ても覚めても』

●11月15日(木) 12:20『寝ても覚めても』/14:30『不気味なものの/永遠に君を愛す』/16:35『寝ても覚めても』/18:55『PASSION』

●11月16日(金) 12:20『ハッピーアワー』(第一部)/14:30『ハッピーアワー』(第二部)/16:30『ハッピーアワー』(第三部)/18:40『寝ても覚めても』

●11月17日(土) 12:15『PASSION』/14:25『寝ても覚めても』/16:40『THE DEPTHS』/18:55『不気味なものの/永遠に君を愛する』/21:00『寝ても覚めても』

●11月18日(日) 12:20『寝ても覚めても』/14:45『ハッピーアワー』(第一部)/16:45『ハッピーアワー』(第二部)/18:40『ハッピーアワー』(第三部)/21:00『寝ても覚めても』

●11月19日(月) 12:20『天国はまだ遠い/記憶の香り/遊撃』/14:00『寝ても覚めても』/16:15『親密さ(前編)』/18:20『親密さ(後編)』/21:00『寝ても覚めても』

●11月20日(火) 12:20『寝ても覚めても』/14:45『ハッピーアワー』(第一部)/16:45『ハッピーアワー』(第二部)/18:40『ハッピーアワー』(第三部)/21:00『寝ても覚めても』

●11月21日(水) 12:05『親密さ(前編)』/14:10『親密さ(後編)』/16:40『寝ても覚めても』/18:50『THE DEPTHS』/21:00『寝ても覚めても』

●11月22日(木) 12:20『寝ても覚めても』/14:45『ハッピーアワー』(第一部)/16:45『ハッピーアワー』(第二部)/18:40『ハッピーアワー』(第三部)/21:00『寝ても覚めても』

●11月23日(金) 12:15『何食わぬ顔』※/14:35『寝ても覚めても』※/17:15『PASSION』/19:20『天国はまだ遠い/記憶の香り/遊撃』/21:00『寝ても覚めても』

※11月23日(金) 『何食わぬ顔』12:15の回、上映後に濱口竜介監督によるティーチイン有
※11月23日(金) 『寝ても覚めても』14:35の回、上映後に濱口竜介監督によるティーチイン有

〈入場料金〉
『PASSION』『THE DEPTHS』『不気味なものの肌に触れる/永遠に君を愛す』『天国はまだ遠い/記憶の香り/遊撃』『何食わぬ顔』1,300円
『ハッピーアワー』通し券3,000円均一
『親密さ』通し券2,000円均一
『寝ても覚めても』一般1,800円
(当館ではムビチケは利用できません。ご注意ください。)