モンゴルの雄大な自然の中に家族と暮らす少年ビリグ。この土地にはまだ電気も水道もひかれていないが、やんちゃ盛りのビリグや同じ年頃の友達エルグォートゥとダワーにとっては、馬に乗って駆け回る大草原全体が遊び場だ。

ある日、ビリグが川の水を汲みに行くと、上流から小さな白いピンポン球が流れてきた。しかし、卓球を知らない少年たちは謎の物体に興味津々。ビリグのおばあちゃんは、それは川の上流に住むという精霊の宝物「光る真珠」だという。しかし、夜じゅう待ってみても球は光らない。物知りのラマ僧たちにきいても、誰も知っている人はいなかった。 

そんなあるとき、ダワーの父親がテレビを買った。大草原に手作りのアンテナを立てて奮闘するが、なかなか映像が映らない。しかし少年たちは偶然テレビから聞こえてきた雑音まじりの音声から、あの白い球は「卓球」というスポーツに使われるボールらしい、ということを知る。さらにアナウンサーが続けて言う。「ご存知のように卓球は我々の国技、このボールは我が国家の球なのです。」

これを聞いた3人はびっくり。「卓球」がどんなスポーツかはわからないけれど、そんなに大事な球がなくなって「国家」は困っているに違いない、「国家」のある北京まで球を返しにいこう、と思い立つ。馬とスクーターで北京を目指した3人。しかし、大草原は彼らの想像をこえてどこまでも広がっていた・・・ 

さあ、はたして少年たちは白い球の正体を探し当てることができるのだろうか?