ニューフィルム・ジャパン

身体が動いて映画になった。

 デビュー作『SPACY』(1980)で世界に衝撃を与えた伊藤高志待望の新作『甘い生活』が登場。喪服の女が一人街を彷徨い、踊る。身体パフォーマンスと実験映画が強烈なノイズを伴いぶつかり合う。昨年『ニコトコ島』でジャパン・トゥモロウ大賞を受賞した大力拓哉+三浦崇が 早くも新作『コロ石』を発表。「見ていると作りたくなってくる」(しりあがり寿)独特のユーモアが拡大した。ベルリン国際映画祭ノミネート作品『aramaki』(平林勇)のほったらかしにされた身体、『アレから5年』(かわなかのぶひろ)で描かれる、社会へ帰還する身体など、映像で描写される身体の新しいボキャブラリー。

「カワイイ」の先へ。アニメーションの現在。

 90年代から続くデジタル・アニメーションの主要なトーンの一つに”無垢なるものへの指向”があった。しかし、ここ数年は変化が感じられる。軽さから重さへ、デジタルからアナログへ、無垢から無常へ。『SNOW LESSON』(外山光男)や『わからないブタ』(和田淳)らは親しみ以上に儚さを描き、『VARFIX』(田中廣太郎)は恐怖と笑いの共存を過激に演出する。田名網敬一+相原信洋のアニメーション・バトル最新作は、何と『般若心経』!