作品案内

メイデン The MAIDEN

上映日程: 4月19日〜終了未定

カナダ・カルガリー郊外を舞台に、思春期の少年少女の友情と孤独、喪失の悲しみを紡ぎ上げた、メランコリックで魔法めいた映像世界。

カイルとコルトンは、カルガリーの郊外に住む高校生。親友同士のふたりは住宅地をスケートボードで駆け抜けたり、渓谷で水遊びに興じたりと、気の向くままに日々を過ごしている。夏休みが終わりに近 づいたある夜、立入禁止区域の鉄道の線路に侵入したカイルに惨たらしい出来事が降りかかる。新学期が始まってもその事実を受けとめきれないコルトンは、深い喪失感に打ちひしがれながら、かつてカイルと一緒に戯れた渓谷に足を向けるようになる。

ヴェネチア国際映画祭で評価された、その唯一無二の神秘性。そしてリヴァー・フェニックスを彷彿とさせる強烈なカリスマ性。

監督は1987年生まれのグラハム・フォイ。自身が育ったカナダ西部のアルバータ州カルガリーで撮影を行った本作で、第79回ヴェネチア国際映画祭のヴェニス・デイズ部門で“未来の映画賞”を受賞。第75回カンヌ国際映画祭の批評家週間「Next Step」のプログラムにも招待されている期待の新鋭監督だ。
映画はふたつのパートで構成され、前半では気が置けない親友同士であるカイルとコルトンのひと夏の日常が、詩的な美しさに満ちたショットで点描される。すると中盤のある重大な悲劇がターニングポイントとなって、後半はもうひとりの主人公ホイットニーの視点に切り替わり、静寂に包まれた森や草原を舞台にした幻想的なストーリーが繰り広げられる。変奏的な“ボーイ・ミーツ・ガー ル”物語が展開し、観る者は生と死の狭間というべきスーパーナチュラルな領域へと誘われ、いつしか夢と現実の境目さえも溶け、自然に宿る精霊を呼び覚ますかのような映像に目を見張る。多感な時期を生きる十代の若者たちを主人公にした本作は、友情と孤独、喪失の悲しみといった普遍的なテーマを扱っているが、それらを探求する作風・手法は、ハリウッドの思春期ものの定型とは明らかに異なる。マジック・リアリズムとも形容したくなる、その唯一無二の魅惑的な神秘性がヴェネチアでも評価された。撮影監督は、フォイ監督と共に様々なミュージックビデオや短編にも携わってきたケリー・ジェフリー。

2022年/カナダ/英語/カラー/16mm→デジタル/ヴィスタ/117分
監督・脚本:グラハム・フォイ/撮影:ケリー・ジェフリー/編集:ブレンダン・ミルズ/美術:エリカ・ロブコ/録音:イアン・レイノルズ
出演:ジャクソン・スルイター、マルセル・T・ヒメネス、ヘイリー・ネス、カレブ・ブラウ、シエナ・イー
原題:The MAIDEN 日本語字幕:上條葉月 テキスト協力:高橋諭治
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム

(C) 2022 FF Films and Medium Density Fibreboard Films.

▶︎2025年4月19日(土)より公開
◉B3ポスター付き特別前売鑑賞券1,500円当劇場窓口にて発売中(4/18までの販売/オンラインチケット予約には使用できません)

《当日料金》一般:1,900円/大学・専門学生:1,400円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,400円/会員:1,300円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,300円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,300円/毎週月曜日サービスデー:一律1,300円