イントロダクション
2020年代に新たなインディペンデントシーンを作るべく、日本と台湾のfresh!!!な映像作家たちが国境、世代を超えて作品を上映するリアルイベント<グラウンド・レベル・シネマ>。日本と台湾を結んで同時開催する本企画も6回目の開催となった。今回は過去最多の33作品を5プログラムで上映!
※11月22日(土)は全プログラム上映終了後に日本側作家によるアフタートーク、11月23日(日)は台湾&日本側作家によるアフタートークを行います。
Program A
Letters for lonely souls
北山ノエル+黒田零 / Noel KITAYAMA & Rei KURODA / 6min.
孤独について綴られた往復書簡をもとに、2人の作家が眼差した2つの旅路。
シングル8・コマ日記 / Single 8 Single Frame Diary
陳君典 / Chun-tien CHEN / 8min.
1980年代には期限が切れていたシングル8フィルムで、2023年から2025年の心情と風景を記録する。
詩の声は誰の聲 / read aloud
三木はるか / MIKIHARUKA / 20min.
2021年刊行の村岡由梨詩集『眠れる花』はとてもよい詩集です。村岡さんに感想を伝えたいけれど、適切な言葉を見つけられないまま数年が経ちました。読者としてしかるべき言葉選びができないのなら、詩集になぞらえた映画を作ることが剴切な感想になるという仮説を立てました。
刻まれた光の詩(冬) / Engraved Light Poem
蔡易錦 / TSAI Yi-Chin / 3min.
北欧の冬場には、最も短い束の間の陽光があるが、太陽が現れない時は、世界が最も冷たく澄んだ青に沈む。本作は映像詩のかたちで、光と色彩が時間のなかを流れる様を記録し、同時にフィルムという媒体が言語となりうる可能性を実験した。
3
洪安旭 / An Hsu HUNG / 3min.
「フレーム」をめぐる探究の延長と、そこにある人工と知性。
私回路 / Infolded Signal
張若涵 / Johan CHANG / 5min.
2024年から2025年に至る内心の風景。まだ着地していない状態の記録であるとともに、家庭と自己のあいだの信号でもあり、移動のなかで繰り返し折り重なっていく。
夕日が落ちるとこ一緒に見れたら / As long as we see the sunset together
藤井アンナ / Anna FUJII / 20min.
映像作家にとっての「旅」はオーバーウェルミング(圧倒的)。
記録を残してもしばらく触れなくていいやと放っておく。みんなそうではないか。
ここぞとばかりに光る旅の記憶がある。本作は「ふたり旅」で流れる時間をなぞる時間。
Program B
セイレーン / The Sirens
吳梓安 / Tzuan WU / 20min.
私たちの世界は沈み、言葉も、音も、映像も水に浸される。貝は蜃気楼を吐き、人魚は泡となり、人間は再び生まれる。「私」と名づけられた空洞のなかで、体液が伏流する。それは近いのか遠のか、見えたり消えたりする。水は同時に、誕生と沈没を意味する。人ならざるセイレーンたちは、美しくも恐ろしい。本作は実験音楽家・劉芳一と長期的に交換し拡散してきた好奇心から生まれた。胎児の発生からイメージの発生に至るまで、緩やかな語り口で終末思想を帯びた抽象的なSF映画へと触発されている。
アンチ アンティゴネー / Anti-Antigone
山口健太 / Kenta YAMAGUCHI / 13min.
「ヤマシロ産業」の正統な後継者と目されていたケンジが淡路島でバカンス中に自殺した。ケンジの叔父にあたるノブオは「ヤマシロ産業」の社長をしている。
依存の場所 / Sites of Dependency
閻望雲 / YEN Wang-Yun / 6min.
ベイトソンの言う生態とは、起源も方向性も異なるように見える力を並列し、環境と心を互いに引き合う実体として捉えることだ。実験として、私は世界を新たに見つめ直しながら、自らの脳内活動とも向き合わざるを得ない——渡り鳥の移動や水循環のために造られた人工島で、私は同時に、まもなく生まれてくるひとりの子どものことを考えている。
逃走の先へ / Where does the escape?
ムラカミロキ / MurakamiLoki / 10min.
酒を飲む、何かから逃げるために。現実から逃げるためにSNSで承認欲求を満たす。結果後に何が残ったか。その逃げた先に、何かあったろうか。
ephemeral
白水 浩 / Hiroshi SHIROUZU / 6min.
夏休みが終わったらもう大晦日。という位、歳をとると一年が過ぎるのも早いものです。最近は人生100年時代と言いますが、悠久の時の流れに比べると儚いですね、人間なんて。そんな事を少しだけ考えました。(画像はイメージです)
プラトニック・シーズン / PLATONIC SEASON
木澤航樹 / KISAWA Koki / 17min.
この街で彼が成し得ること。
Program C
両側の建物 / Two-sides House
楊鎮宇 / YANG Chen-Yu / 9min.
左右対称の古い宿舎が改修されていて、新しいようで古いような壁や配管、階段が次々に生えていた。新旧が並存し、建物は自らの過去と照らし合っている。ひとつずつ穴が開けられていくごとに、長らく滞っていた空間もゆるやかに流れ始める。
副作用 / Side Effects
梁紹文 / Shaowen LIANG / 10min.
血中脂質の薬を飲み始めてから、新しい睡眠モデルに慣れる必要が生じた。疲労感や眠気が消え、目が冴えた時間が長くなる。子どもの頃のように、天井を見つめながら意識が溶けるのを静かに待つ毎日——記憶が他者の記憶や解けない断片映像と混ざり合い、やがて薄れ、目覚める。
医師は「これは薬に慣れるまでの適応期で、次第に体のバランスは整う」と言う。
雨路 / Before and after she returned
林玟伶 / Irene LIN / 10min.
部屋の実景、生活の痕跡、至るところに彼女たちの肖像がある。去ることと留まることを繰り返しす人々には、人に寄り添う何かが存在しているように思える。
変わらぬモノ / Forever = Never
Johnny HUNG / 12min.
孔子は「三十にして立つ」と言った。
だが、三十歳になっても特別な実感はなく、「ようやく独り立ちできる」という心境にもならなかった。
むしろ思考は過去にとどまり、昔への憧れが募っていく。
振り返らずに前へ進もうとしたとき、ようやく気づく。
あの頃の出来事も、人も、風景も、もう消え去っていた。
マイブック 2025 1月篇 / my book 2025 January
松田天樹 / Takaki MATSUDA / 20min.
作者にとって久々のセルフドキュメンタリー。一年間自分を記録するプロジェクト。25歳、デザイナー。かつてあったような葛藤や熱情はどこかへ行ってしまった。残った柔らかく緩やかな日常。撮るべきものがあるのか?何を主題にするべきか?分からない。やがて、ただ撮りたいときに撮るだけだと決めた。あとは編集する時の自分に任せればいい。なんだかんだ撮りたい瞬間は訪れる。
Program D
猫とドローン / Cat and Drone
門脇健路 / Kenji KADOWAKI / 12min.
いまどきの世の中は危険がいっぱいで猫が外出できないので、人間が代わりにいろいろなものを見聞きする映画です。
似たような年頃に / about the same age
徐璐 / Erica SHEU / 10min.
同じくらいの年齢の友人たちとアメリカ・ミネソタ州へ行き、小さい頃に住んでいたアパートを探した。子どもの頃の写真や、父が裏に書き残したメモを手がかりに、かすかな記憶と照らし合わせながら、かつて両親も今の自分と同じくらいの年齢で異国の地に身を置いた心境を想像してみる。
形、流、転 / Morphosis
曾莉珺 & 迷刻歐歇 / Lichun TSENG & Mick O'SHEA / 15min.
流れゆく旅——記憶と現実、過去と現在を行き来しながら、音と影はときに並走し、ときに交差する。変化は創作の過程のなかにあり、私たちの間で、私たち自身の中で、そして作品のなかで続いていく。時間の中で止めどなく流れるように。
カノン 夏の夜の猫 / kanon, A Cat's Summer Night
松岡徹 / Toru MATSUOKA / 6min.
夏の夜におきた奇跡。あの猫がかえってきました。
KONIROW
内山涼湖 / UCHIYAMA Atsuko / 12min.
夢中になっている姿は惹かれるものがある。程よい関係性を感じる。
氣づけばKONIROWさんを踊りながら撮っている。心地よい音
が繋いでくれる。海山月太陽老若男女、、、、
みんなみんなある、なんでもある、自分の中になんでもある。
ありがとう
ドキュメンタリーって?
事実の記録を元に構成した映像作品とある。映像に撮った事実はもはや、その時感じたのもとは違う味わいとなっている。
やはり、自分次第なんだろうな。
KONIROWさんの2023年から2025年に5bit Recordsさん主催で行われたライブペイントの様子を中心に展開。
夏の旅 / A summer day
大熊誠一郎 / Seiichiro OKUMA / 10min.
太陽が燦々と輝く。
2025年の夏に半年ぶりにスロバキアに帰る、その日々の瞬間を撮った。
人々との半年ぶりの再会、そこでサッカーをする。
カメラを置き、そっと撮った旅の日々。
Program E
偉大な指導者の夢を見たことがありますか? / Have You Ever Dreamed of Our Great Leader?
雪克 / Shake / 10min.
前作に引き続き、アーカイブ映像とAIツールを用い、映像と音声のずれを意図的に作って物語る練習を行う。これは、台湾の白色テロ時代に政治的監視下で精神が歪んで錯乱する一人の男性についての話である。権威的な政治は、いかにして監視・密告・演出を通じて、個人の肉体、思想、社会関係を国家権力のための「猥褻なパフォーマンス」へと変化させるのだろうか。
三里塚 シャドー / Sanrizuka Shadows
ワン イチェン/ WANG Yijean / 7min.
2024年、辺田部落に戻った。この部落は空港建設のため既に無人となっており、現在は貯水池にする予定だ。ここに再び何か記録を残せないかと考えた。
悪い記憶 / The Unforgettable
ニシノユキコ / Yukiko Nishino / 10min.
「人生が辛い」ということを幼少期に気づいてしまった少年たちに、私は何を伝えられるだろう。「人生は思ったより楽しい」なんか、言えるはずなかった。
映画の殺戮シーンに高揚感を覚えた10代の「私」と「元少年A」に何の違いがあるのだろうか。
祖母の前日譚 / The Grandmother Epithesis - Prequel
郭立貞 / Lichen K / 3min.
四人の女性、いくつかの文字、重荷と希望を乗せたひとつの段階。
沈黙の屋根 / Silent Roof
内山尚久 / Naohisa UCHIYAMA / 8min.
〈うす気味悪い:超自然的な影響の作用を提案するさま〉だそうだ。
虫や鳥もそのような感覚を持っているんだろうか。
それより危険と感じ、すぐに別の所に移動するのだろうか。
アニメーションの12法則 レビューチャレンジ / Animation 12 Principles Challenge (in progress)
楊詠亘 / Daz YANG / 5min.
アニメーションの12の原則は、多くの人がアニメーション制作を学ぶ入口となるものだ。長年アニメを作ってきた自分は完全に理解していると思っていたが、友人との会話で「えっ?これ何?本当に学んだっけ?!」と気づかされた。そこで今年3月からこのプロジェクトを開始。毎月ひとつの原則とひとつの技法を組み合わせ、一年かけてアニメーションの12の原則を改めて練習し直していく。
Solariza
平井望 / Nozomi HIRAI / 3min.
まるで瞼を内側から蹴られるようだ。この世の光は真であるはずなのに、僕の視神経を逆流する電気信号が我こそが真であると主張する。
左右も、上下も、男女も、真偽も、過去も現在も、そして表裏も今はどうだっていい。
僕は奴を受容し、混ざり合い、今夜も月光に焼かれる。
類もまれな断片の壮麗 Ⅱ / Magnificence of unparalleled fragments Ⅱ
立川清志楼 / TATEKAWA Kiyoshiro / 10min.
写真と映像の境界について考察し探求する作品。写真とは一見静止した時間のようであるが、本来、動的平衡の状態ではないのか?写真とは過去と未来、真逆の時間が同時に流れている状態ではないのか?
世界を静止させるはずの写真の流動性と分解した映像から生まれる静止した時間を抽出する。
爆竹の内部 / Inside a firework
ヨンハ・ジェームズ・ファン / Yongha James HWANG / 7min.
外国語と母語で行われるしりとり、そして爆ぜる炎とともに消える言語体系。言語のつながりと視聴覚的な反復を主要な軸とした作品である。
※タイトル、上映時間等に変更が生じる場合があります。
































