ペーター・クーベルカ バイオグラフィ |
PETER KUBELCA●1934年ウィーン生まれ。少年時代はウィーン少年合唱団に所属した。1964年にオーストリア・フィルム・ミュージアムを共同で創設。1967年に「芸術としての料理」の講座を始め、以降ヨーロッパで最も著名な料理研究家となる。1970年に、NYでアンソロジー・フィルム・アーカイヴスをジョナス・メカスらとともに開設。1978年よりフランクフルト、シュテーデル美術学校映画学部教授。1980年オーストリア国民栄誉賞を受賞。 *左上の写真はジョナス・メカス監督の『リトアニアへの旅の追憶』(1972年)から。 クーベルカは、スタン・ブラッケイジ、マヤ・デレンらとともに、1950年代に新しい映像を世に提示した戦後実験映画のパイオニアとして、映像教育分野や実験的な映像作家の間でその業績は頻繁に語られています。しかしながら、わが国では長らく観賞の機会がありませんでした。それは、彼が映画フィルムの純粋性を第一のポリシーとしているからにほかなりません。現在もビデオへのコピーが許可されないばかりか、細心の注意を込めて作られた映画プリントが世界に何本か存在するのみです。 この伝説化した映画作家の人間的魅力を伝えるエピソードも豊富にありました。実験映画の世界で活躍する一方、ヨーロッパにおける最も著名な料理研究家であり、彼の映画製作ゼミではその授業の一環として学生が料理をつくることが取り入れられていること、ジョナス・メカスの親友であり1970年にはメカスらとともにニューヨークでアンソロジー・フィルム・アーカイヴスを開設したこと、そしてメカスの代表作『リトアニアへの旅の追憶』(1972年)の第3部には主要な人物として登場しており、映画の中にその人柄が印象的に刻みつけられていました。 |
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