イメージフォーラム・フェスティバル2008(札幌)北海道立近代美術館

映像アートの新作、話題作を日本・世界から集めて上映する「イメージフォーラム・フェスティバル」を昨年に引き続き札幌で開催いたします。札幌開催においては、 「ニューフィルム・ジャパン」(日本招待部門)、「ジャパン・トゥモロウ」(一般公募部門)、「ニューフィルム・インターナショナル」(海外招待部門)、「アンディ・ウォーホル・フィルム」 ほか4つの「札幌特別プログラム」を加え、全17プログラムで構成いたします。

アート・アニメーションを展望する

 映画フィルムに直接スクラッチするカメラレス・アニメーションから、最新の3DCGまで、半世紀以上にわたる多彩なアニメーション表現をお楽しみ下さい。1930年代から80年代までの50年間に約70作品を制作し、アニメーションの技術と表現を飛躍的に高めた先駆者ノーマン・マクラレンの代表作をセレクトしたカンヌ国際映画祭特別プログラム(Qプロ)や、1970年代、デイヴィッド・リンチと並びカルト的な人気を博したスーザン・ピット・プログラム(Pプロ)。また、「ラスボス」プログラムでは昨年の第52回ヴェネチア・ビエンナーレで発表されたロシアのAES+Fやアメリカのジョシュア・モスレイの描く最新のCG表現を紹介します(Iプロ)。国内のアニメーション作品としては、日本を代表するアニメーション作家、田名網敬一の初期作品と最新作、海外の映画祭から注目を集める第一線作家の新作特集、そして一般公募部門受賞作などを上映します。

映像アートと身体パフォーマンス

 写真家細江英公による『へそと原爆』(1960年)は、若き日の土方巽の舞踏とモダンジャズと現代詩が見事に融合した胎動期の日本実験映画を代表する作品(Nプロ)。現在でも世界各地の映画祭や美術館での上映が途絶えることがありません。帯谷有理や万城目純、平林勇など現代の映像作家においても、身体表現は音楽やインスタレーションやドラマと結びつき新しい表現を生んでいます(Bプロ)。また、詩人であり映画やオペラの演出も行なう美術家レフ・マエフスキの新作長編『グラス・リップス』はNY近代美術館でのビッグ・プロジェクトから派生した異色作品(Hプロ)。イメージと物語性の関係を切り拓く1作として注目されています。

ニューフィルム・ジャパン[日本招待部門]

A日本1
アニメーション
9作品・78分

70年代から活躍する日本を代表する作家から、YouTube世代の若手まで。2D/3D、フィルム/ビデオ、具象/抽象の垣根を超えた自由な発想と斬新な構成。海外でも評価の高い作家の新作を集めたアニメーション・プログラム。

  • my copernicus[ 外山光男/ビデオ/5分/2007]
  • 珈琲の晩[ 外山光男/ビデオ/9分/2006]
  • 牢獄ノ祭典[ 猿山典宏/ビデオ/4分/1996-2006]
  • 眺めのいい部屋―境界線あるいは皮膚に関する物語[ 倉重哲二/ビデオ/15分/2008]
  • 家族デッキ[ 村田朋泰/ビデオ/14分/2007]
  • 海の映画[ 石田尚志/ビデオ/12分/2007]
  • ZAP CAT[ 相原信洋/16ミリ/4分/2008]
  • in the forest of shadows [五島一浩/ビデオ/9分/2008]
  • アーティスト・トーク 10月11日(土)田名網敬一
    CHIRICO [田名網敬一+相原信洋/16ミリ/6分/2008]
B日本2
身体表現
6作品・81分

映画における音をテーマとする帯谷有理。インスタレーションとダンスと実験映 画の融合を試みる万城目純、土から上半身が生えた異形のキャラクターを演出 する平林勇。身体表現はこんなに自由である。

  • 野巫女[ 帯谷有理/ビデオ/8分/2007]
  • 酸っぱい畑[ 帯谷有理/ビデオ/7分/2007]
  • 洞波羅蜜多[ 帯谷有理/ビデオ/11分/2008]
  • Mystic Tube #1《揺れている、逃げている》[ 帯谷有理/ビデオ/15分/2008]
  • Silent Flowers Field[ 万城目純/ビデオ/10分/2008]
  • BABIN[ 平林勇/35ミリ(ビデオ版)/30分/2008]©2008VIPO

    *この作品は文化庁の映画作家育成プロジェクト「ndjc2007」で制作されたものです。

インスタレーション
 
  • ポータブル・デュシャン
    [ 伊藤隆介/ビデオ・インスタレーション/2008]

ジャパン・トゥモロウ[一般公募部門]

C日本3
2作品・71分

日々撮影。徹底的にコマ撮りで光とシルエットを採集したダイナミックな風景映画『SUNDAY』。3年間にわたる新年10日間を綴る日記映画の力作『新年10日間』

  • SUNDAY[ 金東薫/ビデオ/10分/2007]奨励賞
  • 新年10日間[ 栗原みえ/8ミリ/62分/2005-2007]奨励賞
D日本4
4作品・80分

日常から創造へ。現実風景から抽象的な映像美を発見しリズミックな宇宙を創出した『LINE』と『UNCONSCIOUS』。世界の円形化を追求した『回帰』、妻の出産をドキュメントした『もここ』。

  • LINE[ 大仁田弘志/ビデオ/14分/2007]入選
  • 回帰[ 孫于景/ビデオ/34分/2007]入選
  • もここ[ 佐藤健人/ビデオ/27分/2007]奨励賞
  • UNCONSCIOUS[ 中島雄介/ビデオ/5分/2007]大賞
E日本5
3作品・84分

『合縁奇縁他生之縁』は葉たばこ作りと牛の飼育を丹念に捉えた記録映画。『Mermaid』は異国ロンドンに迷い込んだ人魚のコラージュ・アニメーション。 『しあわせ』は密室で繰り広げられる妄想劇。

  • 合縁奇縁他生之縁 ここは山根四号組
    [ 青山佳世/ビデオ/58分/2007]入選
  • Mermaid[ 高田苑実/ビデオ/4分/2007]入選
  • しあわせ[ 徳本直之+鎌田綾/ビデオ/22分/2007]寺山修司賞

ニューフィルム・インターナショナル[海外招待部門]

欲望装置の精神分析
1作品・150分(アメリカ)
“映画は、我々が欲情するものを与えはしない。我らが何に欲情すべきかを教えるものなのだ。”思想家であり現代随一のラカン派精神分析家であるスラヴォイ・ジジェクが、ヒッチコック、デイヴィッド・リンチ、ウォシャウスキー兄弟などのさまざまな作品を引用して、映画の隠された言語を掘りおこす。
引用作品:『鳥』『サイコ』『めまい』『エクソシスト』『ドクトル・マブゼ』『博士の異常な愛情』『カンバセーション…盗聴』『ブルー・ベルベット』『ソラリス』『ピアニスト』 『オズの魔法使い』『十戒』『イワン雷帝』など

  • スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド 
    [ソフィー・ファインズ/ビデオ/150分/2006/アメリカ]
メモリーズ
1作品・102分(韓国)

全州国際映画祭が2000年から毎年開催する「チョンジュ・デジタル・プロジェクト」では、毎年気鋭の映画監督3人に中編作品を依頼。過去にジャ・ジャンクー、ツァイ・ミンリャン、アピチャポン・ウィラーセタクン、諏訪敦彦などが新作を制作。今年はヨーロッパの監督が野心的な作品を発表。

  • メモリーズ[ ビデオ/102分/2007/韓国]
  • 一時中断[ ハルン・ファロッキ/40分]
  • うさぎ狩り[ ペドロ・コスタ/ 23分]
  • コレスポンデンス[ ウジェーヌ・グリーン/39分]
グラス・リップス
1作品100分(ポーランド、アメリカ)

ニューヨーク近代美術館で開催されたレフ・マエフスキ個展のために製作され、2007年のヴェネチア・ビエンナーレでも話題を呼んだ『詩人の血』というインスタレーション作品をベースに作られた長編映画。暴力的な父を持つ青年が、母の死をきっかけに精神を崩壊させる。やがてその記憶は混沌とした美と恐怖の世界へと埋没していく。

  • グラス・リップス
    [ レフ・マエフスキ/ビデオ/100分/2007/ポーランド、アメリカ]
ラスボス:異形の3D,CGアニメーション
5作品64分(カナダ、アメリカ、ロシア)

コンテンポラリー・アート界大注目のアート・ユニット、ロシアのAES+F、立体アニメーションと、それを正確にモデリングした3DCGの不思議な差異が印象的なジョシュア・モスレイの連作、独創的な破壊的キャラクターによるメルヘンで異彩を放つバリー・ドゥぺ。ゲーム的世界観と無常な現実が織りなすアニメーションの世界。

  • 取り乱した母、子供たちと再会する
    [ バリー・ドゥぺ/ビデオ/25分/2005/カナダ]
  • 通勤[ ジョシュア・モスレイ/ビデオ/5分/2003/アメリカ]
  • ながめ[ ジョシュア・モスレイ/ビデオ/6分/2004/アメリカ]
  • おそれ[ ジョシュア・モスレイ/ビデオ/6分/2007/アメリカ]
  • ラスト・ライオット[ AES+F/ビデオ/22分/2007/ロシア]
ドイツ・エクスペリメンタル・アニメーション
16作品63分(ドイツ)

実験的なアニメーション作家であり、メディア・アーティストであり、ライブ・パフォーマンスも行うドイツの2人のアーティストを特集。原色の粒子が飛び交うハットラーの『衝突』や、極彩色から灰色へ向かう流体の大紀行『_灰色』は抽象表現の新しい扉を開く。

  • アルプラウム[ マックス・ハットラー/ビデオ/5分/2001/ドイツ]
  • ハットラー:To Bed[ マックス・ハットラー/ビデオ/5分/2003/ドイツ]
  • 全ては巡る[ マックス・ハットラー/ビデオ/1分/2004/ドイツ]
  • ハットラー:夜の機械[ マックス・ハットラー/ビデオ/5分/2005/ドイツ]
  • 衝突[ マックス・ハットラー/ビデオ/3分/2005/ドイツ]
  • エコノミー・ウルフ: Theme For Yellow Kudra
    [マックス・ハットラー/ビデオ/3分/2006/ドイツ]
  • エコノミー・ウルフ: Mount Allen[ マックス・ハットラー/ビデオ/4分/2007/ドイツ]
  • IKEA: ハウス・オア・ホーム[ マックス・ハットラー/ビデオ/1分/2007/ドイツ]
  • 漂流[ マックス・ハットラー/ビデオ/4分/2007/ドイツ]
  • ライトメア[ ロベルト・ザイデル/ビデオ/5分/2001/ドイツ]
  • E3[ ロベルト・ザイデル/ビデオ/3分/2003/ドイツ]
  • _灰色[ ロベルト・ザイデル/ビデオ/10分/2004/ドイツ]
  • フューチャーズ[ ロベルト・ザイデル/ビデオ/4分/2006/ドイツ]
  • ダイヴ・ペインティング#1[ ロベルト・ザイデル/ビデオ/1分/2007/ドイツ]
  • 消失の現れ[ ロベルト・ザイデル/ビデオ/1分/2007/ドイツ]
  • フィレティック・ミュージアムでの記録
    [ ロベルト・ザイデル/ビデオ/3分/2007/ドイツ]

アンディ・ウォーホル・フィルム

*アンディ・ウォーホル・フィルム・プログラムは無料。ただし資料代として100円必要です。

アンディ・ウォーホル・フィルム1
2作品・73分(アメリカ)

1991年に全国を巡回した「アンディ・ウォーホル映画回顧展」から17年。新たな観客に向けて再び伝説が甦る。「エンパイア」「イート」など特殊サイレント・スピードによるプログラム。

  • エンパイア(抜粋)[アンディ・ウォーホル/16ミリ/42分/1963]
  • イート[ アンディ・ウォーホル/16ミリ/31分/1963]
アンディ・ウォーホル・フィルム2
2作品・118分(アメリカ)

ウォーホルの伝説的なクリエイティブ空間「ファクトリー」の男と女。ジェラード・マランガやイーディ・セジウィックらファクトリーの重要人物をフィーチャー。

  • キス[ アンディ・ウォーホル/16ミリ/54分/1963]
  • ビューティ#2[ アンディ・ウォーホル/16ミリ/64分/1967]
アンディ・ウォーホル・フィルム3
1作品・110分(アメリカ)

FBIによる厳重な監視下の下、アリゾナで撮影されたウォーホル初のロケーション映画。ゲイの男たちによる西部劇映画。

  • ロンサム・カウボーイ[ アンディ・ウォーホル/16ミリ/110分/1967]

特別プログラム

ニッポン・エクスペリメンタルの胎動1
6作品85分(日本)

詩、音楽、デザイン、写真、演劇、グラフィック。「新しさ」に魅せられたクリエイターにとって16ミリ映画は格好の表現メディアだった。戦後日本の実験映画の草創期を代表する作品集。札幌宮の森美術館「粟津潔展」関連プログラム。

へそと原爆
  • へそと原爆[ 細江英公/16ミリ/11分/1960]
  • ×[ 谷川俊太郎+武満徹/16ミリ/15分/1960]
  • 石の詩[ 松本俊夫/16ミリ/30分/1963]
  • 檻囚[ 寺山修司/16ミリ/11分/1969]
  • 風流[ 粟津潔/16ミリ/11分/1970]
  • アーティスト・トーク 10月11日(土)田名網敬一
    Good-bye Marilyn[ 田名網敬一/16ミリ/5分/1971]
ニッポン・エクスペリメンタルの胎動2
1作品107分(日本)

オイディプス神話を元に、1960年代の新宿を舞台にして実験映画的手法を大胆に取り入れて描く松本俊夫の長編劇映画第1作。16歳の新人ピーターの妖しい魅力にも注目。撮影は鈴木達夫、美術は朝倉摂、音楽は湯浅譲二。

薔薇の葬列
  • 薔薇の葬列[ 松本俊夫/35ミリ(16ミリ版)/107分/1969]
スーザン・ピット 魔法のアニメーション
4作品81分(アメリカ)

1979年のアニメ「アスパラガス」がカルト的な人気を博したスーザン・ピットの代表的アニメーション・プログラム。コラージュ、ドローイング、実写アニメ・・・。いかなる手法でも独特なサイケデリックなイメージを創出する。

スーザン・ピット
  • アスパラガス[ 16ミリ/18分/1979]
  • ジェファーソン・サーカス・ソング[ 16ミリ/16分/1973]
  • ジョイ・ストリート[ 35ミリ(ビデオ版)/24分/1995]
  • エル・ドクトール[ 35ミリ(ビデオ版)/23分/2006]
ノーマン・マクラレン作品集
カンヌ国際映画祭セレクション 13作品・87分

「アニメーションは動く絵の芸術ではなく、絵の動きの芸術である」(ノーマン・マクラレン)。抽象アニメーションの始祖の一人、ノーマン・マクラレンの代表作をセレクトしたカンヌ国際映画祭特別プログラムを上映。

ノーマン・マクラレン
  • マクラレン開会の辞[ 35ミリ(ビデオ版)/7分/1961]
  • 郵便はお早めに[ 35ミリ(ビデオ版)/2分/1941]
  • 星とストライブ[ 35ミリ(ビデオ版)/3分/1941]
  • めんどりの踊り[ 35ミリ(ビデオ版)/4分/1942]
  • 灰色めんどり[ 35ミリ(ビデオ版)/6分/1947]
  • 色彩幻想―過去のつまらぬ気がかり[ 35ミリ(ビデオ版)/8分/1949]
  • いたずら椅子[ 35ミリ(ビデオ版)/10分/1957]
  • 水平線[ 35ミリ(ビデオ版)/6分/1962]
  • 線と色の即興詩[ 35ミリ(ビデオ版)/6分/1955]
  • つぐみ―小鳥のファンタジー[ 35ミリ(ビデオ版)/5分/1958]
  • 隣人[ 35ミリ(ビデオ版)/9分/1952]
  • シンクロミー[ 35ミリ(ビデオ版)/8分/1971]
  • パ・ド・ドゥ[ 35ミリ(ビデオ版)/14分/1968]
アーティスト・トーク
 10月11日(土)13:45〜 Nプログラム 各プログラム上映終了後
 10月11日(土)16:00〜 Aプログラム 各プログラム上映終了後
 田名網敬一
田名網敬一
22nd Image Forum Festival
札幌プログラム
札幌会場・開催概要
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