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公開講座「研究会」 第1回:萩原朔美
生物として抗いがたい表現:フリッカーの魅力
1/10(土)

    タイムテーブル

    日付 7:00
    1/10



      受付

    • 当日500円 

  • 萩原朔美

    萩原朔美
  • 風は木を忘れる

    風は木を忘れる
  • キライズム

    キライズム

「研究会」とは:
イメージフォーラム映像研究所のワークショップ専任講師を中心とした映像作家や映像研究者による講演、上映を中心としたエデュケーション・プログラムです。主任研究員はワークショップ専任講師の10名です。
イメージフォーラム映像研究所では、映画祭や定期上映において、映像作家の自由で斬新な表現を紹介してきました。今回の「研究会」では、映像作家や研究者が、より深く映像表現を思考し、その思考を開かれた視点に立たせる研究の場を作り出します。第1回は、映像作家、演出家、エッセイストの萩原朔美氏を講師に、フリッカー(光の明滅)が鍵となる映画そのものの魅力に迫ります。




生物として抗いがたい表現:フリッカーの魅力

「どうして、人は光の明滅に注目してしまうのだろうか。信号やパトカーのランプなど、チラチラ、キラキラするものに目が向ってしまう。その答えが、この映像にある。」
(『キライズム』作品コメントより)
「何故人は映画にひかれるのだろうか。この映画は、そんな疑問に対する私の返答だ。映画の魔力は、ストーリーでも、役者でも、監督の地からでも、ましてや宣伝のテクニックでもない。それは純粋な視覚への刺激ではないだろうか。そんな仮説を、文章ではなく映像として喋ってみようと思った。答えは生存の欲望とダイレクトにつながっている明滅運動である。映画はチカチカする。それが全てなのだ。」
(『風は木を忘れる』作品コメントより)







<進行>
19:00〜20:00 発表、参考上映(抜粋)、質疑応答
20:00〜20:30 懇親会




萩原朔美

映像作家、演出家、多摩美術大学教授。
かつて寺山修司が主催した劇団「天井桟敷」の演出部に籍を置きその手腕を発揮するかたわら、20年代前半ですでに著書「赤い自転車」を発表、早くから創作のジャンルに頭角を現わした。70年代以降は、ビデオ、映画をはじめ版画、写真、さらには月刊「ビックリハウス」の編集長をつとめるなど、分野を越えた様々なメディア探求は、高く評価されている。事物の推移をリアルタイムで写し撮る手法は、ビデオの最も根源的な特性を生かしたもの。実験映画の名作として世界的評価の高い『KIRI』(72)のワンショット・ムービーは、今日のビデオ時代を予見。『映像書簡』シリーズの近作に見られるように、近年は実験的な「物語」表現に取り組む。最新作に『キライズム』(08)。近著に「死んだら何を書いてもいいわ」(新潮社、2008年)