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No.1104
まだ観てない短編映画をスクリーンで
2026 10/31 Sat.

      タイムテーブル

    日付 10/31
    13:00 A
    14:45 B

      会場

    • イメージフォーラム3F「寺山修司」
      東京都渋谷区渋谷2-10-2
      TEL. 03-5766-0116

      当日受付

    • 各プログラム:一般1,200円/会員1,000円
    • セット券:一般2,000円/会員1,800円
    • ※各回15分前会場、自由席入れ替え制
    • ※当日の12:30よりチケット販売します。

    • 協力:株式会社ダゲレオ出版

  • aramaki

    aramaki

  • かの山

    かの山

  • とてつもなく大きな

    とてつもなく大きな

  • 夜の電車

    夜の電車

  • Heaven

    Heaven

  • Shikasha

    Shikasha

  • 6:13AM

    6:13AM

  • キラッと☆Sweet Max ジュース

    キラッと☆Sweet Max ジュース

  • とおぼえ

    とおぼえ

  • ぞうが死んだ

    ぞうが死んだ



イントロダクション

配信のおかげで世界中の様々な映画を家で観られるようになった。それでも実験映画や個人映画、短編を観る機会はとても限られている。海外の映画祭で名前をよく聞く作品ほど、いつ、どこで観られるのか分からないままになる。私はそんな作品たちを観逃し続けてきた。
川添彩さんの『とてつもなく大きな』も観逃したままだ。予告編では楽しそうに動き回る少女たちがどこか恐ろしげであり、そのカメラワークにドキドキした。その世界にどっぷり浸かるにはやはり大きなスクリーン以外考えられない。そう思っているあいだにも川添さんは次々と作品を制作され、その多くが国外の映画祭で上映されたものの、なかなか国内で観られない。観れた作品はたった2つ、『とおぼえ』と『ない、あるいはひかりのような』だ。妙に色気がある世界観はどこか不穏で、カメラワークがやはり刺激的。思い返すと音が耳に残る。どうにか川添彩作品をスクリーンで拝見したい。お会いして以来その旨を伝えていた。そしてロッテルダムでご一緒する機会があり、ビールで酔った勢いで「その機会をぜひ設けさせて欲しい」と話したのが、この上映会のきっかけである。
平林勇さんは私が採択された2011年当時「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」出身の先輩の中で一際目立つ存在だった。『BABIN』がロカルノ映画祭で審査員賞を受賞し、その後制作された短編たちは次々とカンヌ、ベネチア、ベルリン、サンダンスに入選し「一体どんな作品を作っているのだろう」とずっとチェックしてきた。キッパリとしたフレーミングと独特な佇まいはどこか上品。遊び心の背景に実直さが垣間見えて、なんとも味わい深い。
2021年に『かの山』がヴェネチアに入選した際、私は何をどうすればいいか分からなかった。相談できるのが平林さん以外に考えられず、面識もないのに連絡してみると平林さんは快くあらゆることを指南してくださった。私の恩人だ。
当の私は大量の映像を作ってきたものの、自分の名前で世に出した作品は数えるほどしかない。映像はどうすれば「作品」になるのか?その謎解きをしたい。その答え合わせを、スクリーンの前で一緒にしてもらえたら嬉しい。(企画・山下つぼみ)


Aプログラム(4作品/71分)

aramaki  平林勇/デジタル/26分/2009/ベルリン国際映画祭入選

男が森の中で獣に食べられて死のうとする、ワンカットの作品。ベルリン国際映画祭では、富士の樹海で死ぬ日本人ならではの作品と解釈された。

かの山  山下つぼみ/デジタル/19分/2021/ベネチア国際映画祭入選

離婚を決めた夫婦が時間を共に過ごした街、逗子で最後に過ごす1日。穏やかに過ごそうとする妻を、夫が散歩に誘いだす。

とてつもなく大きな  川添彩/デジタル/11分/2020/カンヌ国際映画祭 批評家週間選出

エイコは子供の頃に聞いた音を何度も思い出す。あれはすごく大きい何かの呼吸。現実か夢か判然としない光景の中で、自分自身の存在を揺さぶられるようなイメージを記憶の中に追い求める主人公の意識の流れを描く。挿入されるフィルム撮影の水のイメージや、詩のテキストが観客の想像力を刺激する。

夜の電車  川添彩/デジタル/15分/2019

三好銀の漫画「夜中の電車」を原案とした短編。アパートを飛び出して、乗客もまばらな深夜の電車に乗ることで起きる、なにげない日常の変容。エジプトに持ち去られようとする自転車、車窓から見る暗闇、鳴り響く黒電話。とあるカップルに起きたひとときの心の変化を、幻想的な心象風景を織り交ぜて詩的に描いている。


Bプログラム(6作品/78分)

Heaven  平林勇/デジタル/13分/2016/バンクーバー国際映画祭入選

生物の生と死を、生物のクローズアップで表現した作品。見たくなくても見なければならない劇場での上映を前提にして作った作品。

Shikasha  平林勇/デジタル/11分/2010/カンヌ国際映画祭 監督週間選出

Shikashaは「紫河車」と書き、胎盤のことである。親の命と子供の命についての作品。

6:13AM  山下つぼみ/デジタル/20分/2022

コロナ禍下。1日おきの6:13AM。同じ時間に通り過ぎる逗子市の日常の風景が、見る度に変わる。川の時間に身を委ねながら見つけた、人間の日々。超個人的定点観測ドキュメンタリー。

キラッと☆Sweet Max ジュース  山下つぼみ/デジタル/3分/2021

みんなと交われない一人の少女が夢見た世界。夢に迷い込んだと思いきや、そこには「現実」があった。

とおぼえ  川添彩/デジタル/23分/2022/ロッテルダム国際映画祭入選

弟の死に顔に自分自身の死を感じた主人公は、自己の存在の不確かさへと思いを深めていく。内田百閒の短編小説「とおぼえ」と「冥途」から着想されている。記憶と現実を行き来するように進む物語とフィルム撮影の光のゆらめきの中に生と死のあわいを表出しようとした野心作。

ぞうが死んだ  川添彩/デジタル/8分/2012/オーバーハウゼン国際短編映画祭入選

世界が終わることを“分かった”少年、世界に終わりはないことを知った青年、“ただ在る”でいることを選んだ少女、3人の時間を切り出した作品。

※Bプログラム終了後、作家によるトークあり(約60分)

Profile

川添彩

1989年横浜生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。主にフィルムを扱った映画作品を制作。『とてつもなく大きな』(2019)が2020年カンヌ国際映画祭批評家週間短編部門入選。『幽明の虫』(2025)では2025年釜山国際映画祭 Sonje Awardにて審査員特別賞を受賞。

平林勇

武蔵野美術大学卒業。グラフィックデザイナーを経て、映像ディレクターに。制作した短編映画は、カンヌ、ベルリン、ベネチア、ロカルノ、サンダンスなどの映画祭で上映される。2026年現在、 実写、アニメーション、実験映画を含め、作った短編映画は25本以上。2019年、長編映画『SHELL and JOINT』が完成し、ロッテルダム国際映画祭で上映される。現在、画家・石田徹也の長編映画を制作中。

山下つぼみ

Weber State University動物学科卒業。龍村仁監督率いる株式会社オンザロードに入社後、フリーに。ドキュメンタリーや子ども番組のディレクターとして活動する傍ら自主制作映画を制作。2021年に制作した『かの山』がヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門入選した。開発中の長編企画『秋穂』が、文化庁補助事業Film Frontierに採択され、Popup Film Residency Paris(2025), ロッテルダム映画祭のラボ(2026)に参加した。