アニメーション、ドキュメンタリー、エッセイフィルム…、前年度の卒業制作の発展型や新作など、多彩な映像表現にチャレンジするイメージフォーラム映像研究所2025年度専科生による作品上映。
※専科→イメージフォーラム映像研究所を1年間履修した受講生を対象とするコースです。
上映プログラム
遠鳴り 野原 由香利 / 8分 / 2025
前回上映の『遠鳴り』に、一部の方からもう少し長く観たかったというご感想をいただきました。未使用の動画を補填して膨らませました。
辺田部落へ 綿貫 孝哉 / 10分 / 2025
「辺田部落」(1973)は三里塚の村落の人々を描いた作品である。舞台となった三里塚周辺地域では、成田空港滑走路の拡張工事が予定されており、数年の内にその風景は失われようとしている。現在の辺田部落を映像として記録するとともに、フッテージを使用して、土地の持つ記憶を浮かび上がらせる。
missing out かないりょうすけ / 13分 / 2025
都心の街灯や看板が作り出す、人々の注意を惹き、欲望を喚起する光。見逃すことへの恐怖(fear of missing out)に駆られて消費する日々を過ごしつつ、その光をカメラに収め続けるにつれて光の美しい滲みや脈動に魅せられるようになった。
テセウスの自殺 遠藤 大致 / 30分 / 2025
自らの複製を作り、殺す。この行為は自殺と言えるだろうか。その問いを知るべく、私は実際に自らを複製し、殺した。この作品はその記録である。
山は生きている 吉川 日奈子 / 10分 / 2025
登山が趣味で活動的だった祖母が、部屋で横になっていることが増えた。何かが変化していくこととどう接するべきか考えるとき、ある種の得体の知れなさがつきまとう。自然の風景を見つめる視線と、彼女を見つめるそれが同じものであると気づくとき、得体の知れなさは安堵に変わる。
正しいの反対は左 Yongha James Hwang / 11分 / 2025
右手をけがして、しばらくの間、左手で生活する。
ミャンマーの友人たちと一緒に日本語学校に通い、私は白い子犬に会いに行く。
左手は外国語のようにたどたどしく、正確ではない。
日本には、頭が鳥で、身体が犬の妖怪がいる。
夢と現実が混ざり合った場所、その中に両手がある。
頭は空を記憶し、身体は空を想像することしかできない。
左手は再び白い子犬に餌を差し出し、ゆっくりと、右手が届かないものを手探りでなぞる。
Luca 松井ゆきの / 27分 / 2025
LUCAからはじまったという わたしの、あるいはあなたの
つなぎ、歌う、列車
ひとつはふたつをもとめ、丸
キッチンのうた 綿貫 楓 / 9分 / 2025
「生きるためのキッチンは ゆたかな場所でもあった
そのキッチンで私は 撮っていたということ もう撮れないということ
その場所にあったということ うたっているということ」
アウンサンスーチーを探して 廣瀬 洋子 / 16分 / 2025
アウンサンスーチーは2021年ミャンマーの軍政クーデタにより不当に逮捕され禁固33年の刑が確定した。どこに捕らわれているのか、今も不明である。作者は英国留学中に彼女と出会い、生涯の友となる。
人々の目はウクライナやガザなど西欧の戦争に集まる。アジアの小国ミャンマーの混乱と悲劇について報道の機会は少ない。今生でスーチーさんに会うことができるのか。作者はパーソナルな視点から、彼女の人柄とミャンマーと日本の関係、戦争の悲惨さを描きたいとスマホで生まれて初めての映画作品を制作した。
The Longest Table つもり まいこ / 13分 / 2025
The Longest Tableという机のはなしを聞いた。
そこに座ると形の見えなくなった命が姿を現すんだとか。
You may not see or you may see.
未使用のシーンを用いるなどして再編集したSecond Edition。
塩分 13% 藤田 絵梨子 / 8分 / 2025
梅は13%以上の塩分で漬けると長期保存出来る。
生き生きと動く玉子。左右にゆれる視線。
集めて保存瓶にいれてもそのままだと腐敗してしまう。
意思を持つ、集める、集まる、捨てる、腐る。
イメージを繋いでいった作品。
おなじ山を見ている viewscaper / 5分 / 2025
カントの色眼鏡と見る者のいない世界のはなし
The Praying of Sema Ririko Utsunomiya / 2分 / 2025
トルコのある村に暮らす女の子とその祖父。女の子は祖父から、先祖代々伝わる神聖な舞踏「セマー」を教えてもらう。セマーとは、回転しながら神に祈る儀式。女の子はくるくると回る中で、神様と一体になるような感覚を覚える。
恵方都市 祐 / 10分 / 2025
できることをしたいと思うけれど、出来ることには限界がある。
問題提起ばかりでは足りない。投げかけた先にはいったい何が生み出されるのか/されたのか。
今ここで何が起きているのか消化したい。西南西やや西寄りへ願いを込め、各地へ思慮を巡らせる。
肌を這う光 田中 永峰 良佑 / 38分 / 2025
それがどんな孤独だったか、追い付けない。それでも場所にはその断片が這っている。逃げ難く染み付いている。ぼんやりとあなたの影が見える。 ぼくらには、触れられる場所と触れられない場所があるんだね。そんなことを思いながら制作しました。













