[※対面のみの講座です。オンラインでの受講はできません]
映画・アートの一線で活動する専門家とのディスカッションを通じて、映画における現代的な問題について考える1週間。
イメージフォーラム映像研究所は2023年の夏季短期講座において、<映画と政治>の関わりについて多方面から自由に語る講座を設けます。個人映画、商業映画を問わず、映画を語る際に、社会・政治的視点が最近ますます切り離せなくなっています。本講座は、オンラインとは別次元で、直接そして気軽に映画とそれにまつわるポリティクスについて意見を交換し、これからの議論の方向性について考える場になります。映画は娯楽でもある一方、語りと交流のきっかけを生みます。映画が持つそうした可能性を広げる機会にぜひご参加ください。
■講座日時:8月28日(月)〜9月2日(土) 〈6日間〉連日19:00〜21:00
■受講費:15,000円(税込)※教材費含む
■定員:30名
※レクチャーは全て日本語で行います。
[講座内容]
映画研究・批評家、映画作家による連続講義形式。講義のあと参加者と質疑応答形式のディスカッションを毎回行います。
▶ 第1夜[8月28日(月)]:
「アートと無神経:グローバル・サウスからキュレーションを問い直す」
講師:マーク・ノーネス(映画研究者)+近藤健一(森美術館シニアキュレーター)
▶ 第2夜[8月29日(火)]:
「ゾンビ映画から考える<反>肉食の思想」
講師:丸山雄生(アメリカ研究者)
▶ 第3夜[8月30日(水)]:
「刑務所と映画:壁を飛び越える実験」
講師:坂上香(映画監督)
▶ 第4夜[8月31日(木)]:
「エッセイ映画の政治性:1970年代の私映画」
講師:中根若恵(映画研究者)
▶ 第5夜[9月1日(金)]:
「ベータマックスからインスタLiveへ: クィア・ヴィデオ・アクティヴィズム」
講師:秋田祥(映画プログラマー)
▶ 第6夜[9月2日(土)]:
「映画史を書き直すためのクィア批評」
講師:久保豊(映画研究者)
[講師略歴]
マーク・ノーネス(Markus Nornes)
ミシガン大学教授。研究分野はアジア映画、日本映画、映画と翻訳、ドキュメンタリー等。単著にJapanese Documentary Film: The Meiji Era Through Hiroshima (2003), Forest of Pressure: Ogawa Shinsuke and Postwar Japanese Documentary (2006), Cinema Babel: Translating Global Cinema (2007), Brushed in Light: Calligraphy in East Asian Cinema (2021)。共著に『日本映画研究へのガイドブック』(2016), 『日本戦前映画論集—映画理論の再発見』 (2021)。共同監督に『ザ・ビッグハウス』 (2018)。
近藤健一(Kondo Kenichi)
森美術館での展示として、小泉明朗(2009)、山城知佳子(2012)、ビル・ヴィオラやゴードン・マッタ=クラークの映像上映プログラム(2015)ビデオひろば展(2016)を企画。共同企画に「アラブ・エクスプレス展」(2012)、「アンディ・ウォーホル展」(2014)。2014〜2015年にはベルリン、ハンブルガー・バーンホフ現代美術館にて客員研究員を務める。
丸山雄生(Maruyama Yuki)
東海大学文化社会学部ヨーロッパ・アメリカ学科准教授。専門はアメリカ研究、とくに人間と動物の関係や動物の表象。共訳書に、『ビデオランド レンタルビデオともうひとつのアメリカ映画史』(作品社, 2021年)。本講座に関連する論考に、「人間であること、動物になること、ゾンビにとどまること:三つのエージェンシーと客体化」、『立教アメリカン・スタディーズ』41号(2019年)。 (※オンラインでも閲覧可能 http://doi.org/10.14992/00017864)
坂上香(Sakagami Kaori)
ドキュメンタリー映画監督。高校卒業後、渡米留学し、南米を放浪。10年間TVディレクターを務め、2004年以降、自主映画制作や上映活動を行うと同時に、国内外の矯正施設で表現系ワークショップを行う。劇場公開映画:『プリズン・サークル』『トークバック 沈黙を破る女たち』『ライファーズ 終身刑を超えて』著書:『プリズン・サークル』(岩波書店)『ライファーズ 罪に向きあう』(みすず書房)
中根若恵(Nakane Wakae)
映画研究者。南カリフォルニア大学映画芸術学科博士課程在籍。専門は日本の実験映画、ドキュメンタリー映画、ジェンダー論。学術論文に、「作者としての出演女性——ドキュメンタリー映画『極私的エロス・恋歌1974』とウーマン・リブ」(『JunCture』2016年)、「身体による親密圏の構築——女性のセルフドキュメンタリーとしての河瀨直美映画」(『映像学』2017年)など。
秋田祥(Akita Sho)
映画館や団体などと協働しながら、主に性的マイノリティの人々の経験をとらえた映像作品を新旧/地域を問わず上映、配信。アーティストの古橋悌二が過ごしたニューヨークの時間についても調査中。上映団体Normal Screenをオーガナイズ。
久保豊(Kubo Yutaka)
映画研究者。専門は日本映画史、クィア映画史/批評。金沢大学人間社会学域准教授。単著『夕焼雲の彼方に──木下惠介とクィアな感性』(ナカニシヤ出版、2022年、第14回表象文化論学会奨励賞受賞)、編著『Inside/Out──映像文化とLGBTQ+』(早稲田大学演劇博物館、2020年)、論文に「日活ロマンポルノのハッテン史──「普通ではない」とされる男たちの勃起」(『日活ロマンポルノ 性の美学と政治学』水声社、2023年)などがある。
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