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激動の時代を駆け抜けた天才監督セルゲイ・エイゼンシュテイン。 彼の未完成作品『ベージン草原』を含む7作品と、当時のニュースフィルムをコラージュした『私の革命』を連続上映! 1889年に生まれ、ロシア革命のさ中、“煽動列車”に乗ったエイゼンシュテイン。舞台の演出家として出発し、『ストライキ』で長篇映画の監督としてデビュー。『戦艦ポチョムキン』『十月』『アレクサンドル・ネフスキー』『イワン雷帝』と、髪を逆立て、新しくて、グロテスクで、エキセントリックで、大胆不敵で、綿密に計算された映画を撮りつづけた。彼は激動の時代を駆け抜け、ハリウッドの占い師が予言した通り、ちょうど50歳で死んだのだ。そして、ロシアの撮影スタジオにはエイゼンシュテインの亡霊が出没すると噂されている。今回、レニー・バートレット監督作品『エイゼンシュテイン』の公開を記念して、彼の未完成の断片『ベージン草原』を含む7作品と、当時のニュースフィルムをコラージュした『私の革命』を連続上映!! |
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ストライキ 1924年/1969年サウンド版/35mm/モノクロ/スタンダード/80分 監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン 脚本:ワレリー・プレトニョフ+セルゲイ・エイゼンシュテイン+グレゴリー・アレクサンドロフ+I・クラフチュノフスキー 製作:ゴスキノ第一工場+プロレトクリト ■もくもくと煙を吐き続ける2本の工場の煙突。豚面の工場主。しかし、水面下では着々とストライキの準備がすすめられていた!労働者たちのストライキとそれを鎮圧しようとする醜悪な権力の姿を描き出す。殺戮された労働者の死体と、屠殺場で殺される牛のモンタージュ。そして軍隊の一斉射撃。見渡す限りの死体…。エイゼンシュテインの長篇第1作。 |
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戦艦ポチョムキン 1925年/1976年完全復元サウンド版(音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィッチ)/35mm/モノクロ/スタンダード/75分 監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン 脚本:ニーナ・アガジャーノワーシュトコ+セルゲイ・エイゼンシュテイン 製作:ゴスキノ第一工場+プロレトクリト ■映画史にエイゼンシュテインの名を刻み付けた不朽の傑作。水兵たちがロシア帝国に対して反乱を起こした戦艦“ポチョムキン号”の史実の映画化。兵士の銃撃による民衆の混乱と、恐怖と、悲しみを極度に断片化した映像で表現した“オデッサの階段”のシーンは、あまりにも有名。片目をえぐられる女教師、女の手を離れ階段を転げ落ちる乳母車。兵士による市民へ加えられた暴虐に対して戦艦の大砲が火を吹く! 石像の獅子が咆哮する!! |
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十月 1928年/1967年サウンド版(音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィッチ)/35mm/モノクロ/スタンダード/103分 監督・脚本:セルゲイ・エイゼンシュテイン+グレゴリー・アレクサンドロフ 撮影:エドゥアルド・ティッセ 製作:ソフキノ ■10月革命十周年記念として作られた。1917年の労働者の武装蜂起から冬宮襲撃までを描く。スケールの大きな革命の再現とドキュメンタリー的アプローチ、そして実験精神に溢れた作品。空っぽの会議、何度も階段を昇るケレンスキー。挿入される仮面や偶像のイメージ。しかし、スターリンの批判を受け、失脚したトロツキーのシーンの削除など短縮版での公開となった。エイゼンシュテインの悲劇の前奏曲は、ここから始まっていたのだ。 |
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全線 古きものと新しきもの 1929年/サイレント/35mm/モノクロ/スタンダード/90分 監督・脚本:セルゲイ・エイゼンシュテイン+グレゴリー・アレクサンドロフ 撮影:エドゥアルド・ティッセ 製作:ソフキノ ■農村の集団化と機械化に目覚めていく農婦マルファ。干ばつ。富農との諍い。トラクターが貧しい村にやってくる日。マルファの夢見る“未来”…。素人を抜擢し、映画表現の実験を試みた作品。“春”と妊娠のアナロジー、大空に浮かぶ巨大な牛、大胆な草刈り機の刃のアップ。しかし、『全線』は、またもスターリンの批判を受け、追加撮影と再編集を行い、タイトルも『古きものと新しきもの』と変更して公開にこぎつけた。 |
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メキシコ万歳! 1931〜32年撮影、未完/1979年サウンド版(編集:グレゴリー・アレクサンドロフ、朗読:セルゲイ・ボンダルチュク、音楽:ユーリー・ヤクシェフ)/35mm/モノクロ/スタンダード/88分 監督・脚本:セルゲイ・エイゼンシュテイン+グレゴリー・アレクサンドロフ 撮影:エドゥアルド・ティッセ 製作:メキシコ映画トラスト ■1929年欧米の旅に出たエイゼンシュテインは、アメリカの小説家A・シンクレアの援助でメキシコで映画を撮影する。しかし、映画製作を知らないシンクレアとのトラブルで撮影は中断、帰国を余儀なくされた。エイゼンシュテインの死後31年たってフィルムを引き取ることのできた同僚アレクサンドロフが映画を完成させた。少女の婚礼。フィエスタ。農奴と地主の争い。そして、死者の日の祭り。骸骨の仮面の下には、少年たちの笑顔があった。 |
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ベージン平原 1935〜37年撮影、未完のまま製作中止/1967年スチル撮影編集版(モスフィルム、製作:セルゲイ・ユトケーヴィチ、ナウーム・クレイマン、音楽:セルゲイ・プロコフィエフ、解説:ロスチスラフ・ユレーネフ)/35mm/モノクロ/スタンダード/30分 監督・脚本:セルゲイ・エイゼンシュテイン 製作:モスフィルム *ナレーション部分日本語字幕なし ■上層部からの何度かの横槍で『ベージン草原』は、ついに完成することがなく中断。撮影済みのフィルムは処分されてしまった。エイゼンシュテインは、中止決定後、落胆し自殺を試みたといわれている。コルホーズに放火した富農の父親と、それを密告した少年ステポク。放火犯たちの逮捕と逃亡。そして父親に撃たれて死ぬ少年…。古きものと新しきもの、父と子など様々な対立を描いた、実際の事件の映画化である。 |
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アレクサンドル・ネフスキー 1938年/35mm/モノクロ/スタンダード/108分 監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン+ドミトリー・ワシリエフ 脚本:ピョートル・パヴレンコ+セルゲイ・エイゼンシュテイン 撮影:エドゥアルド・ティッセ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ 製作:モスフィルム ■相次ぐ企画の流産、病気、撮影中止。屈辱を味わい、心身ともに追い詰められたエイゼンシュテイン9年ぶりの新作である。13世紀のロシア。英雄ネフスキーの率いるロシア軍とプスコフを占領したドイツのチュートン騎士団との闘いを描く。ナチス・ドイツの脅威、祖国防衛の意識の高まりの中、製作された。しかし、この作品も独ソ不可侵条約の締結により上映が中止される。エイゼンシュテイン、はじめてのトーキー作品。 |
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特別上映:私の革命 製作年不詳/35mm/モノクロ/スタンダード/20分 監督:E・ティホーノフ 撮影:B・タルソフ ナレーション:ミハイル・ロンム 製作:モスフィルム ■革命に参加した作家、演出家、映画監督…。彼らは、演劇や、詩や、映画を武器に、真剣に“新しい世界”を見つめていた。「私の革命」とは、詩人マヤコフスキーの言葉である。この作品は、エイゼンシュテインの作品や当時のニュース・フィルムをコラージュし、彼らを讃えた20分の短編。演説するルナチャルスキーやマヤコフスキー、新劇場のプランをたてるメイエルホリドの姿を見ることができる。ナレーションは『一年の九日』の監督でもあるミハイル・ロンム。 |
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トークショー・ゲスト紹介 8月9日(金)夜 8:5〜 亀山郁夫 (かめやまいくお/ロシア文化) 東京外国語大学教授。専門はロシア文化論。主な著書に『終末と革命のロシア・ルネサンス』(岩波書店/1993)、『ロシア・アヴァンギャルド』(岩波新書/1996)、『破滅のマヤコフキー』(筑摩書房/1997)『あまりにロシア的な』(青土社/1999)、『磔のロシア』(岩波書店/2002)。 8月16日(金) 夜8:50〜 |
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