作品案内

逃げきれた夢

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上映日程: 6月9日〜7月14日

人生のターニングポイントを迎えた男が、 新たな一歩を踏み出すまでの 可笑しくも切ない希望の物語

誰もが思わぬタイミングで迎える、人生のターニングポイント。北九州の定時制高校で教頭を務めている末永周平もその一人。毎日のように昼食に立ち寄る元教え子の南が働く定食屋で、周平は支払いをせず無言で立ち去ってしまう。定年を前にして、記憶が薄れていく症状に見舞われたために、これまでのようには生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? あんなに愛し合って結婚したはずの妻との仲は冷え切り、会話どころか目を合わせることもない。可愛くて仕方なかったはずの一人娘は、父親よりスマホと過ごす時間の方が楽しそうだ。気さくで優しい先生のつもりでいたが、心から慕ってくれる生徒なんて一人もいない。青春時代を共に過ごした親友との友情も、忙しさを理由にちっとも大切にしていない。新たな「これから」に踏み出すために、「これまで」の人間関係を見つめ直そうとする周平だが──。

フィルメックス新人監督賞に輝く気鋭の才能が、生きることの真実に迫る日本のエンターテインメントを支え続ける光石研、12年ぶりの映画単独主演作

監督・脚本は、二ノ宮隆太郎。主演の光石研を深くリスペクトし、脚本をアテ書きするだけでなく、光石本人の人生を取材し、そのエッセンスを物語に注入した。2012 年に初の長編映画監督作品『魅力の人間』で、第34回ぴあフィルムフェスティバルで準グ ランプリを受賞すると共に、バンクーバー、ロッテルダムなどの国際映画祭に出品。さらに2017年には、監督・主演を務めた『枝葉のこと』が、第 70 回ロカルノ国際映画祭新鋭監督コンペティション部門に選出される。徹底的にリアリティを追求し、生きることの真実に迫ろうとする作品が高く評価され、今、最も世界から新作を熱望される大注目の若き才能だ。本作のシナリオでフィルメックス新人監督賞グランプリを受賞、晴れて映像化が実現した。
周平を演じるのが、映画デビューから45年、映画、TV ドラマ、舞台、CM と縦横無尽に活躍し、日本の映画・TV で欠かせ ない重要な存在として活躍してきた名優、光石研。『あぜ道のダンディ』以来、12年ぶりの映画単独主演作となる。生徒想いの教頭というキャラクターをまとっているが、周平はもっとレイヤーの多い人間味あふれる男だ。カッコ悪くてずるくて、自分勝手。それでもどこか憎めない愛らしさがにじみ出る周平を、光石ならではの情感と品性で演じきった。
舞台は光石の故郷でもある北九州市。誰もが懐かしく感じる昭和の日本の原風景が残る街並みを捉えたのは、『ドライブ・マイ・カー』の撮影監督を務めた四宮秀俊。二ノ宮監督の前2作に続くタッグとなる。共演には、周平の元教え子の平賀南に吉本 実憂が扮し、光石と対峙するシーンを緊張感と切なさが交錯する忘れ得ぬ場面へと昇華させた。周平の娘の由真には工藤遥。 父と娘のジェネレーションギャップに、温かなユーモアをもたらした。さらに、周平の妻に坂井真紀、学生時代の同級生に松重豊と、味わい深い実力派が顔をそろえた。誰にでも必ず訪れる、人生のターニングポイント。そのきっかけは何であれ、人は目の前の一歩から「変える」ことができる。立ち止まり、見つめ直し、向き合い、じたばた生きる周平の可笑しくも切ない姿を通して、ターニングポイントに立つすべての人にエールを 贈る希望の物語。

出演:光石研、吉本実憂、工藤遥、坂井真紀、松重豊
監督・脚本:二ノ宮隆太郎
制作プロダクション:コギトワークス 配給:キノフィルムズ ©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ
2022年/日本/96分/カラー/スタンダード/モノラル © GREAT GREEN WALL, LTD

▶︎2023年6月9日(金)より公開
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《当日料金》一般:1,800円/大学・専門学生:1,300円(学生証の提示が必要)/シニア:(60歳以上)1,300円/会員:1,200円(会員証の提示が必要・同伴1名まで同額割引)/障がい者割引:1,200円(手帳の提示が必要・付添いの方1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー:一律1,200円/毎週月曜日サービスデー:一律1,200円

「逃げきれた夢」舞台挨拶のお知らせ
シアター・イメージフォーラムでは「逃げきれた夢」の公開を記念し、以下の日程で舞台挨拶を行います。

●6/10(土)15:00の回上映後
登壇:光石研さん、二ノ宮隆太郎監督

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