映画『ラウダー・ザン・ユー・シンク ギャリー・ヤングとペイヴメントの物語』

COMMENT
なぜ彼があそこまで制御不能な人間だったのか、
映画を観ることで感じ取ってもらえると思う。
スティーヴン・マルクマス
(ペイヴメント)
*出典:Rolling Stone Japan WEB掲載『ペイヴメントが語るバンドの軌跡とそれぞれの人生、ギャリー・ヤングの今、新作の可能性』
ギャリーの日本での人気は異常だった。
まるで彼がリンゴで、僕らはビートルズにでもなった気分だったよ。
スコット・カンバーグ
(ペイヴメント)
ギャリーは日本が大好きだった。
彼は日本ではロックンロールライフを満喫していたよ。僕もね。
ボブ・ナスタノビッチ
(ペイヴメント)
映画を観て、
アメリカの90年代オルタナティブシーンへの
解像度が上がりました。
ペイヴメントのメンバーや、
時代のゆるさや寛容が、
バンドの音に表れている気がしました。
小山田圭吾
(Cornelius)
1990年代の前半、バリバリの音楽ライターだった私は、
ペイヴメントが来日するたびにインタビューしていた。
もちろんギャリー・ヤングにも。
彼はいつも雄弁で、ユーモラスで、自信ありげで、
そしてどこか寂しげだった。
この映画は、ロック史上に残る迷ドラマー、
いや名ドラマーの数奇で悲喜劇的な人生を、
ギャリー本人と関係者による回想によって物語る、
素晴らしい伝記作品である。
観終わってすぐに
『スランテッド・アンド・エンチャンテッド』を
聴き直したくなった。
佐々木敦
(HEADZ)
学生の頃からペイヴメントの曲を聴いてきたけど、
全然知らないことばかりだった。
バンドを始めるワクワク感と、
続けていくうちに起こる困難に共感しつつ、
それでいてなぜペイヴメントが特別な存在であるのかが
よくわかる良い映画だと思った。
仲間にはシニカルじゃなく、
こんなにも情に厚い人たちだったなんて思いもしなかった!
川辺素
(ミツメ)
人の人生の歯車はそれぞれ様々なリズムで回っている。
特にギャリーのリズムははちゃめちゃだ。
でも、そんなリズムがペイヴメントとして
ピタッとあってる時は奇跡的に美しい。
たとえ、それが逆立ちしてるような
僅かな時間だけだったとしても。
ダースレイダー
(ラッパー)
「自分はヒッピーになるには若すぎて、
パンクスになるには年を取りすぎていた」
と、キム・ゴードン(ex-ソニック・ユース)は
たびたび語っている。
彼女とギャリー・ヤングは同い年だ。
これから人生の冒険に繰り出す子どもたちと、
先行するカウンターカルチャーの空気を吸ってきた大人たちが
出会って起こる化学反応。
ペイヴメントに、彼らが育ったストックトンの町に、
ギャリーがいてよかった!
野中モモ
(翻訳者・ライター)
絶対に心が掻き乱される!
ラウド&クリアーレビュー
素晴らしくヨレヨレ!
プレイリスト
INTRODUCTION
君はギャリー・ヤングを知ってるかい?全世代の音楽ファンのハートを今もなお掴み続ける唯一無二のオルタナバンド、ペイヴメント。その伝説のオリジナルドラマー、ギャリー・ヤングの半生とバンドを追った傑作ドキュメンタリーが待望の(世界初)劇場公開!
ニルヴァーナやソニックユースと共に90年代を代表するインディー / オルタナ・ロックバンドと称され、今日も新規のファンを獲得し続けているペイヴメント。ゆるく荒削りでキャッチーなそのローファイ・サウンドは、伝説の「おやじ」ことギャリー・ヤング抜きには生まれなかった!
ヒッピー世代のドラマーで他のメンバーより一回り年上、「LSDなら375回やってる」と豪語し、ライブ前には並ぶファンに野菜をプレゼント。出番がない曲では逆立ちを披露するなど、その予測不能な行動はメンバーを時に悩ませながら、幾つもの伝説のステージを生み出した。
90年代当時の空気が詰まったライブ映像や充実のメンバーインタビューと共に語られる、これは知られざるギャリー・ヤングとペイヴメント黎明期の物語――
STORY
幼馴染のスティーヴン・マルクマスとスコット・カンバーグは大学卒業後、一緒に音楽を作ろうと決心。地元ストックトンで安いと噂のレコーディング・スタジオ、その名も「Louder Than You Think(ラウダー・ザン・ユー・シンク)」を訪れる。マリファナの匂いが立ち込める怪しげな部屋の中佇んでいたのは、界隈では名の知れたおじさんドラマー、ギャリー・ヤングだった。スタジオでギターをかき鳴らす若者2人にギャリーは尋ねる。「それじゃただのノイズだ。俺がドラムを叩こうか?」
プログレ上がりで腕は確かなギャリーのドラムが加わり、ペイヴメントは独自のローファイサウンドを確立。1992年には伝説のファーストアルバム『スランテッド・アンド・エンチャンテッド』をリリースし、「次のニルヴァーナ」とも称され90年代ロックシーンを熱狂させる。しかしその一方、酒とドラッグに溺れるギャリーは次第に制御不能になっていくのだったーー