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金山東嶺より葉の薫り
―フィルムに収められた6つの光の造形―
2010 10/23, 24

複製メディアの中で唯一(日本で)複製できない不思議なメディア、8ミリフィルム。時代の趨勢で大量消費メディアではもはやなくなってしまったが、新しい世代の作家にとっては、デジタルとは異なる魅力的な絵筆に写るのだ。
国際映画祭で軒並み招待上映された金東薫と、IFF2010で話題の葉山嶺の2人による、圧倒的に美しい光の採集。

  • 子どもが虫の死骸を埋めにいく

    子どもが虫の死骸を埋めにいく
  • 彼女たちの鳥

    彼女たちの鳥
  • SUNDAY

    SUNDAY
  • チケット売り場の桜井さん

    チケット売り場の桜井さん
  •  YOKO

    YOKO

    受付

  • 当日700円/会員500円

タイムテーブル

日付 3:00 7:00
10/23 -
10/24 -

    子どもが虫の死骸を埋めにいく

    繰り返される“子どもが虫の死骸を埋めると去っていく”シークエンスは、 カメラを使わずに、8mmフィルムから8mmフィルムへの複写によるもの。 徐々に破壊されるイメージそれ自体が、やがて映画のナラティヴとなる。


    彼女たちの鳥

    経験の後に、もと居た場所に帰ると、そこは既に前と同じ場所ではない。 例えば山へ出掛け、再び家に帰ること。例えば映画を観て、映画館を出ること。 体験との関係性も、結末の瞬間も、何一つとして決められてはいない。


    SUNDAY

    8ミリのコマ撮り作品。ある日曜日、ある人物が彼の部屋で迎える普通の一日。ラジオを聞きながら洗濯をする。外からはいつも通り電車の音が聞こえてくる。太陽はいつも通り動いている。この日曜日はいつも通り暑い一日であった。


    チケット売り場の桜井さん

    わたしにとってこの街の空間と時間の指標となっている観覧車と送電線。それらはいつ、どこを歩いていてもいきなり建物の後ろから姿を現す。まるで私の周りを漂っているかの様に。僕はこの町の指標をカメラでコマ撮りしてみたいと思った。


    YOKO

    太陽のある、いつものような、ある日。彼はいつものように街角でカメラを持って撮影をしている。彼女はいつものようにオフィスで働いている。いつものような一日がいつものような太陽の光とともに流れている。同じ太陽の光に包まれて。


    葉山嶺

    1987年神奈川県出身。 野生動物の多い家庭環境に生まれ育つ。 絵画制作を行ううち、2008年より映画を作り始める。 2010年イメージフォーラム・フェスティバルでノミネート上映。 2010年クロアチアの6th 25FPS INTERNACIONALNI FESTIVAL EKSPERIMENTALNOG FILMA I VIDEAにてFuji Award受賞。 現在、多摩美術大学映像演劇学科在学中。


    金東薫

    1977年、韓国全州(チョンジュ)市生まれ。漢陽大学演劇映画学科卒業(韓国)。2009年に制作した『チケット売り場の桜井さん』が、イメージフォーラム・フェスティバル2009で優秀賞を受賞し、2010年開催の「第60回ベルリン国際映画祭」に出品されるなど、注目を集める。あいちトリエンナーレで個展プログラム上映。


    <上映作品>

    子どもが虫の死骸を埋めにいく  葉山嶺/8ミリ/12分/2009
    彼女たちの鳥  葉山嶺/8ミリ→ビデオ/23分/2010
    ostalinda 金東薫/16ミリ(ビデオ版)/5分/2002
    SUNDAY 金東薫/8ミリ→ビデオ/5分/2007
    チケット売り場の桜井さん 金東薫/8ミリ→ビデオ/6分/2009
    YOKO 金東薫/8ミリ→ビデオ/7分/2010