映像作家への第1歩
多くの映像作家を輩出してきたイメージフォーラム映像研究所の2020年度(第44期)卒業制作展。
今年は映像アートコース、アニメーションコース、専科コース合わせて19作品を3プログラムで上映。1年を通じて築かれたイメージが鮮やかに結実する、映像作家への第1歩。
上映プログラム
キラッと☆sweet maxジュース 山下 つぼみ / 4分 / 2021年〈アニメ〉
少女たちの甘い夢は、大人たちを虜にする…。
社会の循環に組み込まれた少女の末路を描いた、ドローイングアニメーション。(Y.T)
妄想癖 芹澤 花 / 5分 / 2021年〈アニメ〉
イマジナリーフレンドは幼い子がよく無意識に生みだすらしい。「大人になりたくない」なんて云っていれば、いつまでも大人にならずに済むのではないか。ある日、19歳のわたしは無理矢理イマジナリーフレンドをつくる。新しい友達の作り方とわたしの日常。(S.H)
past→present→someday 森田 紀 / 7分 / 2021年〈映像〉
孤独。孤独の果てはどこにあるのだろうか。
自分自身も、自分の見ていた世界もとてもちっぽけだった。
孤独を克服したものはなんだろう、あの富士山だろうか。
街の無機質にも孤独にも取り込まれず、地球の終わりの日も最後まで変わらないものはきっと自然だ。(M.N)
VOMIT 松田 天樹 / 8分 / 2021年〈映像〉
白い部屋で(M.T)
うつろい 中尾 一平 / 16分 / 2021年〈映像〉
プライベートとパブリックの境界が融解し溶け合うさまについて。(N.I)
メロディー 羅 佳麗 / 5分 / 2021年〈アニメ〉
人々の交流方法の変化をもとにした、仮想空間のコミュニケーションにおける自己認識をテーマにしたアニメーションである。異なる外見と性格によって自分を四つのキャラクターに分割した。彼らの交流から、視聴者が新たな自己認識を理解してくれればと思う。(R.K)
Poemy AOIYUKI / 18分 / 2021年〈映像〉
劇映画の因数分解。コロナで芝居場を主催できない私は如何に自分の作品と呼べるものを制作するか悩んでいた。BPM120、1秒に4文字、4秒に16文字、俳句、環境音のループ、フィルムの静止した時間。それでも人間は呼吸をして声は不規則に漏れる。(A.Y)
Take off 森田 紀 / 4分 / 2021年〈アニメ〉
自然を撮る。
いつも変わらずに存在する空に、あの木に、あの川に湖にも命があるのだろうか。
人間よりも先に存在し、人間が超すことのできない自然。その有限の美しさに魅せられた。
We can't go against NATURE.(M.N)
秋色のアルバム Tamura Kazuko / 2分 / 2021年〈アニメ〉
秋の色をテーマとする4つの短いシーンが連続しているアニメーションです。各シーンは、順番に「イロハモミジの紅葉」「紅葉の雑木林」「こがね色のススキとメタセコイア」「イチョウの黄葉」を描いています。(T.K)
虚構のラクエン 西山 知希 / 9分 / 2021年〈映像〉
花々に囲まれた、現実に存在する不確かな楽園。
アダムのいない楽園。
2体のイヴが存在する虚なる楽園。
美しさを蝕む時の流れは、彼女たちを何処へ連れて行くのか。(N.T)
スーヴニール Yuya Ishihata / 6分 / 2021年〈映像〉
昆虫の能力や本能に突き動かされる動きには、自分の種を綿々と受け継いでいく幾千年の中で研ぎ澄まされ、生命の力強さと、人間が子に愛情を注ぐような愛を感じことがある。(I.Y)
異常性 芹澤 花 / 15分 / 2021年〈映像〉
ある日、異常という言葉に疑問を抱いた。
異常なひと、逆に正常なひとというと誰を思い浮かべるのだろうか。思い浮かべる「べき」なのだろうか。平等で残酷な世界の中で生きるわたしたちについて答えは求めずに考えるだけ考えてみた、そんな作品です。(S.H)
透明な終末 森 幸光 / 25分 / 2021年〈映像〉
死を自らの意思で決める気だった男。人類の世界が今日で終る事を知る。近ずく一日の終わり。寄り添う女。男の周囲が不安定になっていく。世界が歪む。次の世界の番人が見えてくる。ストレンジな空間に個性的な登場人物。先の見えない現在を思わせる終末。(M.Y)
GAME OVER ? 内山 尚久 / 9分 / 2021年〈専科〉
〈魔女狩り〉〈村八分〉それらは歴史の教科書に出ている遠い昔話だと思っていた。おそらくその時代の人達も、時代の空気の中での常識的な行動だったんだろう。と、コロナの状況の中で感じるようになった。このゲームに勝ち目はないのか?(U.N)
1、2、3、悔い改めよ!と言った 白水 浩 / 6分 / 2021年〈専科〉
昨年以降、世界は一変してしまった。行動は制限され現状認識の変更を迫られた。
だが考えてみるとその布石は3〜4年前から打たれていた気がする。その事を考えながら作っています。
愛すべき、そして憎むべき 世界/セカイ にこの作品を捧げます!(S.H)
いのちのキュビズム 美諒 / 3分 / 2021年〈専科〉
花の蕾が開く瞬間、切った茎の肉厚さ、枯れて落ちた花びらさえもいのちを感じる。
生命活動をしていないものも、いのちを感じることがあるかもしれない。
様々ないのちを多角的に切り取っていきたい。(M)
1/5400コマの独歩 Johan Chang / 10分 / 2021年〈専科〉
コマから味わう手作り映画。日本から台湾に帰国一年目。古い部屋に引越して、その中で、両地のフィルム映像を行き来し、生きている。(J.C)
しょうきっとん 山口 健太 / 13分 / 2021年〈専科〉
昔、父の実家に"しょうきっとん"という男がいたらしい。とっくのとうに彼は死んだが、父の記憶の中に棲み着いている。時代は流れ、息子に父は"しょうきっとん"の話をする。聞いてしまった息子の頭の中にも"しょうきっとん"は棲み着くことになった。
頭の中に棲み着く"しょうきっとん"を振り払うような感覚でこの映画をつくりましたのでお見せします。(Y.K)
Cos 手島 亜矢子 / 14分 / 2021年〈専科〉
秋から冬。時折、空にカメラを向けた。一度きりしかない空を私の目線で切り取った。空の記録と空に関する話で展開していく。(T.A)
映像:映像アートコース
アニメ:アニメーションコース
専科:専科コース