映像作家への第1歩
多くの映像作家を輩出してきたイメージフォーラム映像研究所の2019年度(第43期)卒業制作展。
今年は映像アートコース、アニメーションコース、専科コース合わせて28作品を8プログラムで上映。1年を通じて築かれたイメージが鮮やかに結実する、映像作家への第1歩。
タイムテーブル
日付 | 3/18 | 3/19 | 3/20 | 3/21 | 3/22 |
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11:00 | - | - | A | F | E |
13:00 | - | - | G | B | C |
15:00 | - | - | H | D | F |
17:00 | - | - | E | A | G |
19:00 | B+D | B+D | C | H | - |
※チラシ掲載情報と異なる点がございます。ご注意下さい。
〈変更点〉
3/18(水)19:00の回 [変更前] B [変更後] B+D
3/19(木)19:00の回 [変更前] D [変更後] B+D
- イメージフォーラム3F「寺山修司」
東京都渋谷区渋谷2-10-2
TEL. 03-5766-0116
会場
- 一般700円/会員500円(入替なし)
- ※各回上映後、作家紹介あり
当日受付
Aプログラム 4作品80分
Bael 酒巻海成 / 8分 / 2020年〈映像〉
心の奥深くから音が聞こえる(K.S)
Demenz 白水浩 / 6分 / 2020年〈映像〉
ここ数年、物忘れ、認知機能の衰えが激しい。勘違い、空目が多く、固有名詞が出てこない。漢字も読めなくなっている。今、この文章を書いた事も明日には忘れてるかもしれない。そして、やがてそれが私自身に関する記憶にまで及んでしまうのではないか?というテーマで作りました。(H.S)
TSUKURIME Ayako Tejima / 11分 / 2020年〈映像〉
私の目に関するエッセイを感覚的な映像で編んでいく。家で過ごした休日たち。ベランダから見える景色、季節の手仕事、ふくろうのマリオネット。何気ない日常の中にもあふれ出す世界がある。(A.T)
30歳の旅 Johan Chang / 55分 / 2020年〈映像〉
『30歳、何をしましたか?』海を渡って自作試みの年。30歳を迎える作者は私的な映像と声の旅。ある時点の記憶を辿りながら話す人々。(J.C)
Bプログラム 3作品21分
動物園 U/Zoo U 立川清志楼 / 7分 / 2020年〈アニメ〉
「動物園」は、主に王侯が所有し政治的に修好関係を結ぶ、あるいは影響下に置いたり植民地として支配した国・地域から珍しい動物を集めてきた私的な施設であり、メソポタミアや地中海世界・中国・インド・アステカなど世界各地で多元発生的に作られた。(Wikipediaより)この作品は、動物園のポートレートである。(K.T)
DOGHEAD Momo Takenoshita / 4分 / 2020年〈アニメ〉
さまざまな生きものが出てきます。おたのしみあれ。(M.T)
PUBLIC EYES TOKYO 2020 内山尚久 / 10分 / 2020年〈映像〉
1960年代初頭アメリカ。当時急速に広まり始めた、高速道路や無機的な集合住宅の都市計画に抵抗する為、ジャーナリストであるジェーン・ジェイコブスは、『アメリカ大都市の死と生』を書き市民運動を起こした。 その著書の中で彼女は、街の安全な街の条件の一つとして、常に多数の目(ストリート ウォッチャー)が存在していることを指摘している。
それから60年後の2020年東京。数メートルおきに設置されている防犯カメラ。 それらは現代の「公共の目」として犯罪の防止や摘発に寄与している事は間違いない。 ただ、カメラの下で生活や仕事をする人々、そこを通り過ぎるだけの人たちの膨大な情報も、常にデータとして蓄積されている。安心できる都市とは?
この映像は普段なにげなく歩いている東京の都市部を、視線を変えたらどうなるか、カメラを上に向けながら歩いた作品です。 ただ、この私のカメラを持った行動が記録されている防犯カメラの 『観ることのできない映像』の方が、私の本当の作品なかもしれません。 (N.U)
※チラシに情報掲載しておりました『新鮮なパ』(20分), 『となりの隣人』(35分)の2作品は、作者の事情により上映取りやめとなりました。何卒ご了承下さい。
Cプログラム 5作品71分
休日 杉本洋樹 / 16分 / 2020年〈映像〉
とくに話の筋があったり、会話などがあるわけではありませんが、人が二人いればそれぞれ個々の時間と共に過ごす時間があり、その二種類の時間を映像にしようと意図しました。(H.S)
さめないで 田野勝晴 / 3分 / 2020年〈アニメ〉
不意にやってくる眠気は夢と現実がきれぎれに入り混じっていて、気だるくフワフワした心地よさを感じさせます。その時に感じる生温かさとその夢が途切れたしまった後の空虚な感覚をアニメーションで表現しました。(K.T)
忘れてないけど覚えていない。 朴夢里佳 / 15分 / 2020年〈映像〉
忘れていないけど、思い出すことができない。覚えていないわけではないが、忘れた。記憶がもたらす感情や真実・嘘・風化や美化などのもどかしさを根底に制作しました。(Y.P)
PATTERNS 稲葉朋子 / 5分 / 2020年〈アニメ〉
「勝って世界の模様を変えろ!」パターンをかけた戦いが今、始まる。紙が立ち上がる、ペラペラコマ撮りアニメーション。tomokoinaba.com/patterns/(T.I)
ユキちゃんとタマちゃん 高橋幸大 / 32分 / 2020年〈映像〉
ユキちゃんはカジちゃんの部屋に住んでいる。カジちゃんは全然働かないし、女を連れ込む。カジちゃんはタマちゃんを連れてきた。タマちゃんは猫みたいな子で、気づくといなくなる。タマちゃんはユキちゃんになついている。ユキちゃんはカジちゃんとタマちゃんと、生きている。(K.T)
Dプログラム 3作品57分
VORTEX Takamoto Yamauchi / 9分 / 2020年〈映像〉
私はこの作品で、混濁をきたした意識状態を映像化することに取り組みました。ベルリン滞在時に撮影した写真をスライド化したものと、東京で撮影した映像を使用し、それらを細かく断片化、一部変容させることで本来の意識の流れを裁断し、多量のfragmentを作成しました。そのfragmentを時間、場所の整合性を無視し、モザイク状に組み上げていくことで、混沌とした意識模様を表現しました。
人は時として、この様な自らが創り出した幻覚と妄想の”渦”へと否応なく呑み込まれてゆくのではないでしょうか。
注意)この作品では長時間にわたり強い光の点滅が繰り返されます。光感受性発作や光刺激による体調不良などご経験のある方はご視聴をお控え下さい。(T.Y)
無題 金|熙 / 30分 / 2020年〈映像〉
死についてよく考える 死にたい気持ちが季節のように迫るからだ。このごろがその季節だ。 死が私を包んでいる今、私が見ることをと私がすることを盛ってみる。(J.K)
赤い玉がない! 山口健太 / 18分 / 2020年〈映像〉
誰もが持ってる赤い玉をめぐる、俺と松田と母の物語。初期衝動丸出し丸投げあとはみなさまのご想像にお任せします的映画。母に贈るラブレターでもあります。(K.Y)
※チラシに情報掲載しておりました『Everything flows』(15分)は、作者の事情により上映取りやめとなりました。何卒ご了承下さい。
Eプログラム 4作品72分
差異と反復とコーヒー 工藤雅 / 5分 / 2020年〈アニメ〉
ここではありふれていることが許される場所です。あらゆる目的を持った人々がここにやってきて何かをして去っていく様子は、車窓を眺めているようにどんどん移り変わります。(M.K)
「IMAGE FOR LOVE」のつくり方 田中情 / 20分 / 2020年〈映像〉
映画学校に通う学生。卒業制作にはSF映画を撮りたいと考えている。理想と現実の乖離。学生は次第に観念のスパイラルに取り込まれてゆく。(J.T)
Fences 小林真楠 / 15分 / 2020年〈映像〉
生活区域と密な眺めに立ち戻り、隔てるためにはたらく光を撮った。わたしたちにとって、わたしにとって、フェンスとは何か。きわめて近い距離で焦点化される意識と、ひとりよがりに生まれ変わる契機。(M.K)
The Ballad of Foreigners 中島夏樹 / 32分 / 2020年〈映像〉
音楽を学んでいた私が、歌を探して、ある場所を訪れる。そこは、ノンフィクションライターである母がかつて訪れ、人生を変えた場所でもあった。母の記憶、そしてその地に生きる人々の記憶と物語。それらは時を越えて、私の中で交差していく。(N.N)
Fプログラム 3作品78分
父の声 エルサムニー・ソフィー / 15分 / 2020年〈専科〉
この1年近くは、声が持つエネルギーや声が喚起する感情等について考えている。
本作品は、父の「声」と「語り」に着目し、1970年代から沖縄の変容を見つめてきた父による彼の体験に基づいた 730 についての語りと、当時の様子が収められた複数のファウンドフッテージ(8mm フィルム)から構成される映像作品。(※730は、『本土復帰』に伴い、1978 年 7 月 29 日の晩から30 日にかけて行われた車線変更を意味し、戦後沖縄史の一コマとして記憶されている) (S.E)
まどろむ-風の波 永井桃子 / 3分 / 2020年〈専科〉
夢か現実か、まどろみの中に現れる世界。グレーの紙に鉛筆とパステルを用い、トレースせずに前のコマを見ながら描いたドローイングのアニメーションです。(M.N)
Dear Present Future 藤井杏奈 / 60分 / 2020年〈専科〉
東京の家路の香りを恋しく想う留学生活は過ぎ去った。今は渋谷の涼しい午後、ふと、ボストンの街とアパートのベランダ、友人達が額の後ろに現れる。当時の同居人サヘラを中心に再度描く等身大のカレッジライフ。(A.F)
Gプログラム 5作品74分
ASMRISM 前田大介 / 10分 / 2020年〈専科〉
次に何が映し出されるか、ある程度予想できること、予定調和の映像は退屈となりがちなのに、場合によっては、そこに快楽を感じることがある。それは一体なぜか。ものともの、ひととものの関係から生まれる映像の快楽を見つけ出したい。(D.M)
動物園 I/Zoo T 立川清志楼 / 22分 / 2020年〈専科〉
「動物園」は単なる見世物ではなく、教育・研究施設としての役割を強く持つべきであると考えられている。つまり、生きた動物を生きたまま収蔵する博物館としての性格が強い。(Wikipediaより)この作品は、動物園のポートレートである。(K.T)
TOKYO INCIDENTS 坂本裕司 / 17分 / 2020年〈専科〉
東京の路上をさまよい歩き、観察する。本作は都市の肖像、偶景(アンシダン)によるコラージュである。一枚一枚落ち葉を拾うように、街の片隅に落ちた一瞬の物語を切り取った。読む映像作品。(Y.S)
Silent 田中慧 / 15分 / 2020年〈専科〉
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Smoke ジョイス・ラム / 10分 / 2020年〈専科〉
「とんど焼き」は一年の無病息災を祈るために、瀬戸内海に浮かぶ大三島で毎年行われている行事の一つです。村の人びとは協力し合いながら、高さ約8メートル、幅約3メートルのとんどを作り、全員で空き地まで引いたあとに火を放ちます。(J.L)
Hプログラム 2作品98分
意味をもつ前に 寺島万智 / 8分 / 2020年〈専科〉
光源があって、物体があって、影ができる。光や物体の動きで影が伸びたり縮んだり、現れたり消えたりする。その現象を見て、映像の原初的な体験ってこんな感じなのかな、と思った。そしてフィルム(8mm)で撮影をしてみることにした。(M.T)
きりむすぶ 花房慎也 / 90分 / 2020年〈専科〉
好きな人を10年間撮り続けました。そしてついに結婚しました…(S.H)
映像:映像アートコース
アニメ:アニメーションコース
専科:専科コース