作品案内

チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ

cesko
上映日程: 11月11日〜12月1日

《特集上映》「チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ」
1968年 “プラハの春”で花開いたエネルギーと8月の戦車侵攻 “チェコ事件”
自由を求め映画の可能性を信じ続けた映画人たち


チェコスロヴァキアでは1950年代の政治的な抑圧が1960年代に入ってやわらぎ、自由化の大きな波が訪れます。この時代、新世代の監督が多数輩出され、彼らは相互に協力し合うことで豊かな創作環境を築きあげ、その作品は国際的に高く評価されました。この「黄金の60年代」に生まれた映画たちが、チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグです。1968年の「プラハの春」が自由を求める民主化運動の最大の盛り上がりでしたが、同年、ソ連の介入・市街地への戦車の侵攻という軍事的な圧力によって「プラハの春」は押し潰され、ヤン・ニェメツ監督はソ連侵攻の様子をカメラに収めた映像を国外に持ち出し、「チェコ事件」を世界に知らしめます。本映画祭では、政府に批判的な作品と判断されてニェメツ監督が逮捕され国内での上映が禁止された『パーティーと招待客』、日本初公開となる『愛の殉教者たち』、そして「プラハの春」の象徴ともいうべきヒティロヴァー監督の『ひなぎく』をメイン上映とし、日本でもよく知られているさまざまな監督の作品(9プログラム)を上映することで、チェコスロヴァキアのヌーヴェルヴァーグが1960年代を通じて体制に対しどのように抵抗したか、また1968年を境にどのように変化したかをご紹介いたします。

《上映作品》
・パーティーと招待客
・ひなぎく
・愛の殉教者たち
・狂気のクロニクル
・大通りの商店
・受難のジョーク
・火葬人
・つながれたヒバリ
・闇のバイブル/聖少女の詩

Aプロ 『パーティーと招待客』
監督:ヤン・ニェメツ/原案・脚本・美術・衣装:エステル・クルンバホヴァー/配給:チェスキー・ケー
(1966/70分/モノクロ)
▶ピクニックにやってきた7人の男女が野外パーティーに招待される。主人は養子を迎え、若いカップルの結婚式と、自分の誕生日を同時に祝う。養子となる男は理不尽な要求をし、それに逆らって暴力を受ける者、加担する者、無言で逆らう者、同化していく者など、夫婦や友人の間に亀裂が生まれ、全体主義の不条理が描かれる。

Bプロ 『ひなぎく』
監督:ヴェラ・ヒティロヴァー/原案:パヴェル・ユラーチェク/脚本・美術・衣装:エステル・クルンバホヴァー/配給:チェスキー・ケー
(1966/75分/カラー)
マリエ1とマリエ2は、姉妹と偽り、男たちを騙しては食事をおごらせ、嘘泣きの後、笑いながら逃げ出す。「可愛さ」はあらゆる自由の免罪符になるのか? 1989年までの社会主義時代、すべての映画が国家予算で作られていたため、国会で予算の無駄遣いと批難されるが、国民からも国外からも強い支持を受けた。ヌーヴェルヴァーグの金字塔。

Cプログラム 『愛の殉教者たち』
監督:ヤン・ニェメツ/原案・脚本・作詞・美術・衣装:エステル・クルンバホヴァー/音楽:カレル・マレシュ、ヤン・クルサーク/出演:マルタ・クビショヴァー、カレル・ゴット/配給:チェスキー・ケー
(1966/73分/モノクロ)
▶デビュー作『夜のダイヤモンド』同様、台詞を極力排除し、全編音楽と効果音と移動し続ける活動的な映像で三つの愛の物語を描く。脚本のクルンバホヴァーは、音楽・俳優のクルサーク同様『パーティーと招待客』『ひなぎく』『闇のバイブル』にも参加。チェコの国民的歌手マルタ・クビショヴァーや、『ひなぎく』の二人のマリエもワンシーン出演している。

Dプログラム 『狂気のクロニクル』
監督:カレル・ゼマン/脚本:パヴェル・ユラーチェク/協力:日本スカイウェイ
(1964/85分/モノクロ)
▶実写と、ゼマンらしい切り絵アニメーションを融合させ、三十年戦争を舞台に強制徴兵される農夫と戦争に右往左往する人々を戯画的に描く。ユラーチェクは作劇(ドラマトゥルク)や脚本、制作として『ひなぎく』や『つながれたヒバリ』にも参加。

Eプログラム 『大通りの商店』
監督:ヤーン・カダール、エルマル・クロス/原作:ラジスラフ・グロスマン/音楽:ズデニェク・リシュカ/助監督:ユライ・ヘルツ/協力:CZECH CENTRE TOKYO
(1965/125分/モノクロ)
▶さえない家具職人がナチスの手先である義理の兄により、ユダヤ人の老婦人から没収した店を任される。人のいい彼は老婦人を追い出すことが出来ずかくまうが、ユダヤ人迫害は徐々に強まっていく。チェコスロヴァキア初のアカデミー賞受賞作。

Fプログラム 『受難のジョーク』
監督:ヤロミル・イレシュ/原作・脚本:ミラン・クンデラ/協力:東京国立近代美術館フィルムセンター
(1968/81分/モノクロ)
▶共産主義に関する冗談を絵葉書に書いた男が、党と大学から追放、逮捕され、鉱山の強制労働収容所に送られる。数年後、彼は復讐を企てるが…。本作は公開時に大ヒットするが、チェコ事件後は上映禁止となり、クンデラも後に亡命する。

Gプログラム 『火葬人』
監督:ユライ・ヘルツ/原作・脚本:ラジスラフ・フクス/音楽:ズデニェク・リシュカ/協力:阿部賢一/画像:ユライ・ヘルツ所蔵/スキャン協力:Studio Marvil (プラハ)
(1968/96分/モノクロ)
▶ナチスが台頭してくる1930年代、プラハの火葬場で棺に囲まれて仕事をする男が、奇妙な思想に取りつかれていく…。チェコ事件で撮影が一時中断され、完成、公開されるがすぐに国内で上映禁止となり、1990年に再公開される。メンツェルも俳優として出演している。

Hプログラム 『つながれたヒバリ』

監督:イジー・メンツェル/原作・脚本:ボフミル・フラバル/協力:IVC
(1969/95分/カラー)
▶1948年の二月事件以降共産党独裁となったチェコスロヴァキアで、思想犯として強制労働に従事する人々をユーモアとペーソスで描く。作品完成後すぐに上映禁止となり初公開は1990年。フラバルとメンツェルの共作はアカデミー賞を受賞した『厳重に監視された列車』など数多い。

Iプログラム 『闇のバイブル/聖少女の詩』
監督:ヤロミル・イレシュ/原作:ヴィーチェスラフ・ネズヴァル/脚本・美術・衣装:エステル・クルンバホヴァー/協力:是空
(1970/74分/カラー)
▶脚本はニェメツが監督することを前提に書かれたが、彼は映画製作を禁じられていてイレシュが代役を務めた。チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ最後の作品と言われ、ゴシック・ロリータの傑作として再評価も高い。原作のネズヴァルはチェコ・シュルレアリスムグループの創始者で詩人。

企画:チェスキー・ケー/協力:NFA、チェコセンター東京(CZECH CENTRE TOKYO)、チェコ蔵(CHEKOGURA)、東京国立近代美術館フィルムセンター、阿部賢一、IVC、是空、日本スカイウェイ

《上映日程》
[A]パーティーと招待客
[B]ひなぎく
[C]愛の殉教者たち
[D]狂気のクロニクル
[E]大通りの商店
[F]受難のジョーク
[G]火葬人
[H]つながれたヒバリ
[I]闇のバイブル/聖少女の詩

11/11(土)=13:30[A]/16:00[C]/18:30[B]
11/12(日)=13:30[E]/16:00[A]/18:30[H]
11/13(月)=13:30[C]/16:00[B]/18:30[I]
11/14(火)=13:30[A]/16:00[C]/18:30[B]
11/15(水)=13:30[C]/16:00[A]/18:30[G]
11/16(木)=13:30[B]/16:00[C]/18:30[A]
11/17(金)=13:30[A]/16:00[B]/18:30[D]

11/18(土)=13:30[I]/16:00[C]/18:30[B]
11/19(日)=13:30[F]/16:00[A]/18:30[C]
11/20(月)=13:30[A]/16:00[B]/18:30[H]
11/21(火)=13:30[C]/16:00[B]/18:30[A]
11/22(水)=13:30[B]/16:00[A]/18:30[D]
11/23(木)=13:30[A]/16:00[B]/18:30[C]
11/24(金)=13:30[C]/16:00[A]/18:30[I]

11/25(土)=13:30[G]/16:00[B]/18:30[A]
11/26(日)=13:30[D]/16:00[C]/18:30[B]
11/27(月)=13:30[A]/16:00[B]/18:30[C]
11/28(火)=13:30[B]/16:00[C]/18:30[A]
11/29(水)=13:30[A]/16:00[C]/18:30[H]
11/30(木)=13:30[C]/16:00[B]/18:30[A]
12/01(金)=13:30[B]/16:00[C]/18:30[G]

《前売券》
1回券:1300円/3回券:3000円(3回券をお買い求めの方に特製ポスターをプレゼント!複数名使用不可)

《当日券》
一般:1500円/大学・専門学校生・シニア:1200円/高校生・会員:1100円

《トークイベント》
11/11(土)13:30の回上映後にトークイベント有/ゲスト:ペトル・ホリーさん(CHEKOGURA)

《来場者プレゼント》
11/11(土)にご来場の方に先着で「テリー・ポスター」のポストカードをプレゼント。なくなり次第終了

《関連書籍発売》
『チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ』公式本を国書刊行会より10/25発売!くわしくはこちら

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