作品案内

〈特集上映〉想田和弘と世界

基本 CMYK
上映日程: 6月2日〜6月8日

なぜ想田和弘はドキュメンタリーを撮るのか? 「観察映画」とは何か? その全貌を劇場初公開のリマスタリング版で一挙上映。

ベルリン国際映画祭2018に正式出品された『港町』が絶賛公開中、さらに初めてアメリカを舞台に、現代アメリカの光と影を映した『ザ・ビッグハウス』が6月9日より公開中となる想田和弘監督。新作2作品の連続公開を記念して、特集上映【想田和弘と世界】の開催が決定しました。
事前のリサーチやテーマの設定をせず、ナレーションや音楽を一切使用しないなどといった「観察映画の十戒」を自ら掲げ「観察」をキーワードにドキュメンタリー映画の制作を続け、ベルリン国際映画祭正式招待・2007年公開の『選挙』以降、コンスタントに作品を発表し続ける想田和弘監督。公開中の新作『港町』まで一挙公開される初の特集上映です。「観察映画」の軌跡と、その進化・深化が堪能できる1週間となっています。

〈上映作品〉※コメントは敬称略。封切時のチラシ等より転載。

◎『選挙』 120分/2007年/リマスタリング版初上映
ニッポンの民主主義を大解剖 選挙運動の裏まで見せた史上初のドキュメンタリー。
「日本のどぶ板政治の典型とも言える市会議員選挙の舞台裏に密着したカメラは、最後まで近からず遠からず微妙な距離感を保ち続けて、見事にニッポンの根っ子を活写した。このダイレクトシネマは監督の想田和弘が、日本を離れアメリカに暮らした余所者の視点で最も日本的な集団と組織のあり方を見つめたが故に可能になったのであろう。そこにこの映画のユニークな新しさがある。」 佐藤真(ドキュメンタリー映画監督『阿賀に生きる』)

◎『精神』 135分/2008年/リマスタリング版初上映
これまでタブーとされてきた精神科にカメラをいれ、「こころの病」と向き合う人々がおりなす悲喜こもごもを、モザイク一切なしで鮮烈に描きだす。
「進化するメディアを媒介にして二分化が進む。そのひとつが精神の正常と異常。その二分がいかに空しいものであるかを、この作品は教えてくれる。狭間がいかに豊かであるか、そしてその狭間こそが僕らが生きている領域であることを、しっかりと呈示してくれる。想田に言いたい。ありがとう。あなたはまた、世界をひとつ広げてくれた。」 森達也(映画監督/作家)

◎『Peace』 75分/2010年/リマスタリング版初上映
平和へのヒントは、野良猫たちから教わった。
「何も物語が生まれないと思い込んでいる日常が、鮮やかに立ち上がる瞬間。小さな世界、猫たちのルール、ゆるやかな変化と調和。不満と諦め、たまにきらめき。「平和」はいつもわたしたちの手の中にある。」 今日マチ子(漫画家「センネン画報」「みかこさん」)

◎『演劇1』 172分/2012年/リマスタリング版初上映  ◎『演劇2』 170分/2012年/リマスタリング版初上映
人間とは、演じる生き物である――想田和弘監督が迫る、劇作家・平田オリザと青年団、そして現代社会。
「たいへんに面白かった。何がどう面白かったのか、手持ちの映画批評の用語ではうまく表現できない。そういう種類の経験だった。この映画の「成功」(と言ってよいと思う)の理由は二つある。一つは「観察映画」という独特のドキュメンタリーの方法を貫いた想田和弘監督のクリエーターとしての破格であり、もう一つは素材に選ばれた平田オリザという世界的な戯曲家・演出家その人の破格である。この二つの「破格」が出会うことで「ケミストリー」が生み出された。二人がそれぞれのしかたで発信している、微細な歪音がぶつかりあい、周波数を増幅し、倍音をつくり出し、ある種の「音楽」を作り出している。」 内田樹(凱風館館長)

◎『選挙2』 149分/2013年/リマスタリング版初上映
民主主義の素顔とは?想田和弘監督が再び挑む、知られざる選挙の裏側。現代ニッポンの限界と可能性。
「山さん、ストライクス・バック!!! いまだかつて、こんな「政治ドキュメンタリー」が、そしてこんな「反原発映画」があっただろうか? と同時に、これは一種の「活劇映画」でもある。このヒーローならざるヒーローの、破天荒で孤独で悲喜こもごもの戦いを、われわれ観客は固唾を呑んで見守ることになる。」 佐々木敦(批評家)

◎『牡蠣工場』 145分/2015年
美しき瀬戸内の海。過疎の町にグローバリズムがやってきた。「歴史の歯車」が、いま、静かに回りだす!
「観察する「カメラ=身体」は記述の道具ではなく、偶然性を受け入れ、変化する現場の一部となるくらいダイナミックで生き生きとしている。」港千尋(写真家) 「大切なことは、いつも小さな声で語られる」。本作の、カメラはそう言っているように思える。」平川克美(文筆家)

◎『港町』 122分/2018年
生きて、死ぬ。死んで、生きる。比類なき映画体験。ドキュメンタリーの驚天動地。
「人の営みというものを成り立たせている根幹のサイクルを、これでもかという丁寧さで「観察」してゆくカメラ……ミクロからマクロを浮き上がらせる視点の鋭さは相変わらず流石!というほかないが、 今回の作品ほど、切り取られた「その時間」の絶対的なかけがえなさと、儚さを思い知らされたことはなかった。ほとんど神話的と言っていいような余韻を残す、これは間違いなく想田さんの新境地!」 ライムスター宇多丸(ラッパー/ラジオパーソナリティ)

〈上映スケジュール〉
6月2日(土)13:00『牡蠣工場』/16:00『港町』/19:30『Peace』
★16:00『港町』上映後トークあり〈ゲスト:濱口竜介さん(映画監督)、想田和弘監督〉
6月3日(日)13:00『演劇1』/16:25『演劇2』
★16:25『演劇2』上映後トークあり〈ゲスト:岩井秀人さん(劇作家・演出家・俳優)、想田和弘監督〉
6月4日(月)13:00『精神』/15:45『Peace』/17:30『演劇1』
6月5日(火)13:00『港町』/15:30『牡蠣工場』/18:30『選挙』
6月6日(水)13:00『Peace』/14:45『選挙』/17:15『選挙2』
★17:15『選挙2』上映後トークあり〈ゲスト:山内和彦さん(本作出演)、想田和弘監督〉
6月7日(木)13:00『選挙2』/16:00『精神』/18:45『港町』
6月8日(金)13:00『Peace』/14:45『牡蠣工場』/17:40『港町』
★17:40『港町』上映後トークあり〈ゲスト:深田晃司さん(映画監督)、想田和弘監督ほか〉

〈入場料金〉
当日一般1,500円/学生・シニア1,200円/会員1,100円 (『港町』のみ当日一般1,800円)