作品案内

〈ソクーロフを発見する「権力の4部作」+傑作選〉

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上映日程: 3月17日〜4月13日

ロシアの巨匠、アレクサンドル・ソクーロフ。1951年シベリア生まれ。昭和天皇をイッセー尾形が演じた『太陽』(2006)で、一躍日本でも知られたロシアを代表する監督。第一回監督作『孤独な声』(1978)はロカルノ映画祭銅豹賞、『ボヴァリー夫人』(1989)はモントリオール世界映画祭国際批評家連盟賞、権力の4部作中の『モレク神』(1999)でカンヌ国際映画祭脚本賞、『エルミタージュ幻想』(2002)で90分ワンカット撮影に成功し、『ファウスト』(2011)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞と、世界の映画人に注目される監督である。映像と音、音楽、役者が一体となり、一幅の絵画を描くように構成される作風は映画界のみならず、芸術や文学を始め広い分野で評価が高いが、ソ連時代の全作品は公開禁止だった。権力の4部作をはじめ、傑作14作品を特集上映。

│A│モレク神
1999│露・独│カラー│108分│配給:ラピュタ阿佐ヶ谷
カンヌ国際映画祭脚本賞
▶︎ベルヒテスガルテンの山荘でのヒトラー、エヴァ、側近たち…。モレク神とは、子どもを人身御供にさせた古代セム族の信仰に由来する神の名で、旧約聖書では悲惨な災いや戦火の象徴

│B│牡牛座 レーニンの肖像
2001│露│カラー│94分│配給:パンドラ
ニカ賞最優秀監督賞 他多数
▶︎最初の脳梗塞の発作による療養中のレーニン。看病する妻と妹、権力掌握を目前にして喜色満面たるスターリン、監視する兵士など周辺の人々…

│C│太陽
2005│露・伊・瑞・仏│カラー│115分
配給:The Works International
サンクトペテルブルグ国際映画祭グランプリ
▶︎昭和天皇裕仁が、第二次世界大戦の敗戦直前の御前会議から、占領軍の総司令官マッカーサーと会見し、人間宣言を決断するまでを描いた「権力の4部作」第3作。神と崇められた天皇が、人間として歩み始めようとしていた瞬間を、慈しみを込めて繊細に描き出した傑作

│D│ファウスト
2011│露│カラー│140分│配給:セテラ・インターナショナル
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
▶︎ソクーロフが『モレク神』『牡牛座』『太陽』に続く「権力の四部作」最終章としてドイツの文豪ゲーテの代表作を映画した本作は、2011年のヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。悪魔のメフィストを高利貸しとして19世紀的な世界を現代社会に敷衍させ、日本でもヒットを記録した

│E│孤独な声
1978=1987│ソ連│カラー│86分│配給:パンドラ
ロカルノ国際映画祭銅豹賞
▶︎ニキータとリューバの愛の物語。タルコフスキーの擁護にもかかわらず上映禁止に。ひたすらコンクリートをこねる労働者、貧しい市民生活の描写などが、当局のカンに触ったのだろうか…

│F│日陽はしづかに発酵し…
1988│ソ連│カラー│138分│配給:パンドラ
ベルリン国際映画祭OCIC賞 他多数
▶︎中央アジアの荒涼としたウラン採掘坑跡地を舞台に、ロシアと中央アジアの青年の交流を軸に、スターリンの強制移住に端を発した民族問題、イスラム教とキリスト教古儀式派との関係、核開発による自然破壊など、複雑なロシア現代史が隠喩のように込められている傑作!

│G│セカンド・サークル
1990│露│93分│カラー│配給:パンドラ
ロッテルダム国際映画祭FIPRESCI賞
▶︎父親の死で帰省した息子。入れ替わり立ち替わり訪れる役人や医者は一様に機械的で融通がきかない…。監督は完成当時、「この映画は今のソ連(崩壊直前)を象徴する」と

│H│静かなる一頁
1993│露・独│モノクロ+カラー│77分│配給:パンドラ
ストックホルム映画祭最優秀撮影賞
▶︎SF的ともいえる要素を加えてロシア文学の傑作「罪と罰」を大胆に解釈!

│I│痛ましき無関心
1983│ソ連│カラー│96分│配給:パンドラ
モスクワ国際映画祭FIPRESCI賞
▶︎舞台は第一次世界大戦中のイギリス。上空にドイツの爆撃機が飛来する厳しい社会情勢とは無関係に、ショットヴァー船長と娘夫婦とその友人たちは、恋愛ゲームに興じていた。記録挿入など、斬新な手法が用いられている。本作もソビエト時代は上映禁止だった
※諸般の事情により、35mmプリントではなく、デジタルでの上映に変更となりました。誠に申し訳ありませんが、何卒、ご了承の程、お願い申し上げます。

│J│精神の声
1995│露・独・日(パンドラ)│カラー│328分│配給:パンドラ
ロカルノ映画祭ソニー賞
▶︎旧ソ連のタジキスタンでの内戦に派兵されたロシア軍兵士たちを撮った金字塔的作品。映画に登場する兵士全員が戦闘で死去している

│K│エルミタージュ幻想
2002│露・独・日(NHK)│カラー│96分 │配給:パンドラ
トロント国際映画祭最優秀造形賞 他多数
▶︎美術品が陳列されたままのエルミタージュ美術館(世界最大所蔵品数300万点以上)内部を使い、ロシア近・現代300年間の歴史を、映画史上初の90分全篇ワンカットの手法で描いた映画史上最も贅沢な作品!世界的に大ヒット!!

│L│チェチェンへ
アレクサンドラの旅
2007│露・仏│カラー│92分│配給:パンドラ
ロシア映画批評家協会賞最優秀女優賞 他多数
▶︎チェチェンのロシア軍基地に赴任中の孫に会いに行くアレクサンドラが見たものとは…。主演のビシネフスカヤは、チェリスト、ロストロポーヴィチ夫人で、撮影当時80歳の世界的オペラ歌手!

│M│フランコフォニア
ルーヴルの記憶
2015│仏・独・蘭│モノクロ+カラー│88分
配給:キノフィルムズ 木下グループ
▶︎ドイツ軍のパリ侵攻に際してのルーヴル収蔵作品の疎開、戦争の略奪品でルーヴルを埋めたナポレオン一世といった歴史と現在を往還し、12世紀から現在に至るまでのルーヴル美術館の記憶を紡ぐ、芸術と戦争の歴史を紐解くエッセイ・フィルム。ソクーロフ現時点での最新作

│N│ストーン/クリミアの亡霊
1992│露│カラー│88分│配給:パンドラ
▶︎夜、誰もいないはずのチェーホフ館に人影が…。番人の青年が覗くとチェーホフが服を着たまま水を浴びている!蘇ったチェーホフとこの青年との交流がモノクロの映像と神秘的な音響で幻想的に描かれる

《特集上映作品》
[A]モレク神
[B]牡牛座 レーニンの肖像
[C]太陽
[D]ファウスト
[E]孤独な声
[F]日陽はしづかに発酵し・・・
[G]セカンド・サークル
[H]静かなる一項
[I]痛ましき無関心
[J]精神の声
[K]エルミタージュ幻想
[L]チェチェンへ アレクサンドラの旅
[M]フランコフォニア ルーヴルの記憶
[N]ストーン/クリミアの亡霊

※『精神の声』『痛ましき無関心』はデジタル、『フランコフォニア ルーヴルの記憶』はDCP、その他はすべて35㎜フィルムでの上映
※『痛ましき無関心』は諸般の事情によりフィルムではなくデジタル上映となりました。大変申し訳ございません。
《上映スケジュール》

3/17(土)=13:00[A]/15:00[B]/17:00[H]/19:00[I]
3/18(日)=13:00[C]/15:30[D]/18:15[F]
3/19(月)=13:00[N]/15:00[A]/17:00[C]/19:10[B]
3/20(火)=13:00[F]/16:00[D]/19:00[I]
3/21(水)=13:00[M]/15:00[H]/18:15[F]
3/22(木)=13:00[A]/15:00[N]/17:00[H]/19:00[B]
3/23(金)=13:00[C]/15:30[D]/18:15[F]

3/24(土)=13:00[B]/15:00[D]/18:30[C]
3/25(日)=13:00[N]/15:00[F]/17:45[H]/19:15[A]
3/26(月)=13:00[I]/15:00[N]/17:00[M]/19:00[H]
3/27(火)=13:00[N]/15:00[A]/17:00[I]/19:10[B]
3/28(水)=13:00[I]/15:00[F]/17:45[H]/19:15[N]
3/29(木)=13:00[J1•2]/15:00[J3]/17:00[J4]/19:00[J5]
3/30(金)=13:00[B]/15:00[D]/18:30[C]

3/31(土)=13:00[D]/16:00[L]/18:30[A]
4/01(日)=13:00[K]/15:00[M]/17:00[B]/18:50[C]
4/02(月)=13:00[G]/15:00[K]/17:00[E]
4/03(火)=13:00[A]/15:00[G]/17:00[B]/19:00[C]
4/04(水)=13:00[E]/16:45[L]/18:30[D]
4/05(木)=13:00[D]/16:00[G]/18:30[A]
4/06(金)=13:00[K]/15:00[M]/17:00[L]/18:50[C]

4/07(土)=13:00[C]/15:10[E]/17:00[B]/19:00[K]
4/08(日)=13:00[A]/15:00[D]/17:45[L]/19:30[G]
4/09(月)=13:00[L]/15:00[G]/17:00[B]/19:00[M]
4/10(火)=13:00[J1•2]/15:00[J3]/17:00[J4]/19:00[J5]
4/11(水)=13:00[K]/15:00[L]/17:00[E]
4/12(木)=13:00[B]/15:10[E]/19:00[C]
4/13(金)=13:00[A]/15:00[D]/17:45[K]/19:30[G]

《当日料金》
一般1,500円/学生・シニア1,200円/会員1,100円
特集上映がお得に鑑賞できる3回券3,600円発売中(3/16までの販売)
※Jプログラム『精神の声』は各コマごとに料金が発生します。(1部+2部で1作品分、3部、4部、5部はそれぞれで1作品としてカウントします)

《トークイベント》
3/17(土)15:00の回『牡牛座』上映後。ゲスト:沼野充義さん(東京大学教授)
3/18(日)13:00の回『太陽』上映後。ゲスト:飯島洋一さん(建築評論家)
4/01(日)13:00の回『エルミタージュ幻想』上映後。ゲスト:近衛はなさん(女優・脚本家・詩人)

※Bプログラム『牡牛座 レーニンの肖像』以下の日時で追加上映を実施します。
2018年4月7日(土)17:00より。

淀川長治 寄稿文「映画に淫する男ソクーロフ」(「アレクサンドル・ソクーロフの宇宙」パンフレットより/1994年刊/ダゲレオ出版)以下よりご覧いただけます。
映画に淫する男ソクーロフ

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