作品案内

GEORAMA 2017-2018 presents ワールド・アニメーション 長編アニメーションの新しい景色

main visual feature animation
上映日程: 1月13日〜1月26日

GEORAMA 2017-2018 presents ワールド・アニメーション 長編アニメーションの新しい景色

「まったく新しいアニメーション・フェスティバル」GEORAMAの新シリーズがお届けする、世界最新の長編アニメーションの達成を網羅する大規模特集上映が遂に開催。監督本人が来日してのライブ上映や、過去のGEORAMAで好評だった作品のアンコール上映、知られざる過去作の発掘なども交え、これを観れば目の前に世界のアニメーションの新たな景色が広がる!

《アジアの新しい景色》
アジア各国から続々と現れるアニメーションの新しい才能。艷やかで、ポップで、キャッチーで、それでいて骨太のメッセージを放つ4本の作品。「イランの宮﨑駿」と呼ばれはじめたアリ・ノーリ・オスコーイエの長編は日本初上映。リュウ・ジアン(中国)、大ブレイク中のヨン・サンホとチャン・ヒョンユン(ともに韓国)は初めての長編作品が勢揃い。フィリピンからは実写とアニメーションを混ぜるポップなスタイルの作品が。アニメーションの未来がここにある。

【Aプログラム】『天国から見放されて』(アリ・ノーリ・オスコーイエ/イラン/2017年/76分)
寄宿学校が戦火に巻き込まれたとき、女性教師は子供たちのため、物語を語り始める…かつて自分を救ってくれた、二人の英雄たちについて。3DCGと2Dドローイング、そして過去・現在・空想が混じり合う意欲的なストーリーテリングが、なぜ人々に「英雄」という存在が必要なのか、その本質的な部分を語ろうと試みる。このイラン初の本格的アニメーション長編は、イスラエルにおける『戦場でワルツを』と比肩できるような戦地のリアリティを強く感じさせる物語であり、厳しい環境のなかで生き延びていくための切実な思いが刻み込まれている。

【Bプログラム】『サリーを救え!』(アヴィッド・リオンゴレン/フィリピン=フランス/2016年/94分)
漫画家志望のマーティは、発明家のサリーを救うため、性欲の塊のような彼氏やモンスターのような両親たちと戦っていく。実写俳優とアニメーションを合成するスタイルはフィリピン版『スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団』? 画面に滴るフレッシュさはまるで『君の名は。』のようでもある。12年かけて作られた本作は、東南アジアの新たな景色を間違いなく見せてくれる。字幕協力:大阪アジアン映画祭

【Cプログラム】『PIERCING I』(リュウ・ジアン/中国/2009年/75分)
金融危機の煽りで失職したチャンは故郷に戻り農夫になることを決意するが、様々な不幸の連鎖が彼を次第に追い込んでいく…中国画家としてのキャリアがもたらす細密な背景、郊外を舞台に現代の空気感を切り取るストーリーテリングが特徴的な本作は、新作『HAVE A NICE DAY』が中国アニメとして初めてベルリン映画祭にコンペインした中国インディーを代表するリュウ・ジアンの長編第一作。字幕協力:中国インディペンデント映画祭

【Eプログラム】『豚の王』(ヨン・サンホ/韓国/2011年/97分)
衝動的に妻を殺したギョンミンは、中学時代の同級生でゴーストライターのジョンソクを訪ね、15年前の隠された事実を告げようとする。いつまでも終わらぬスクール・カースト。『新感染 ファイナルエクスプレス』の大ヒットが記憶に新しいヨン・サンホの原点であるこの初長編アニメーション作品は、現代韓国の闇を暴力的な描写でえぐり出す。ヤン・イクチュン、キム・コッピらの声にも注目。字幕協力:花開くコリア・アニメーション(KIAFA)

「GEORAMA 2017-2018 presents ワールド・アニメーション 長編アニメーションの新しい景色」で上映予定だった『豚の王』が上映中止となりました。中止に至る経緯や代替プログラムに関してはこちらをご参照ください。http://newdeer.net/world-animation/georama20180116.pdf

【Dプログラム】『ウリビョル1号とまだら牛』(チャン・ヒョンユン/韓国/2014年/81分)
人工衛星のイルホは地球を観察するうち、ミュージシャンを夢見る大学生キョンの歌声に惹かれ、地球に落下。しかしキョンは魔術の力で牛になってしまい、狩りの対象に…! イルホは魔法使いのトイレットペーパーの助けを借りて女の子に変身、キョンを助けようとする。短編『ウルフ・ダディ』が広島で受賞するなど日本でも著名なロマンチック・コメディの名手チャン・ヒョンユンの初長編。字幕協力:新千歳空港国際アニメーション映画祭

《アメリカ大陸の新しい野生》
アメリカは野生のアニメーターの宝庫。クライド・ピーターソンfromシアトルは自分自身の性同一性障害を意識した思春期の思い出をライブ上映形式の長編アニメーションで披露。戦前アメリカの狂った医者のアニメーション・ドキュメンタリー『ナッツ!』の独自性に笑い、登場人物すべてが吹き出しでしゃべる『海でひとりのスローカム』が見せる老境の技術に震える3本。

【Fプログラム】『トーリー・パインズ』(クライド・ピーターソン/アメリカ/2016年/60分) 【監督来日! ライブ上映!】
1990年代初頭、南カリフォルニア。12歳のピーターソンは、妄想で気を病む母親から逃れるように、アメリカ大陸を横断する旅に出る。そこで起こる奇妙な出来事と、次第に湧き上がる自分の性別への違和感。監督の自叙伝でもある個人制作切り絵長編作品を、ミュージシャンとしても活躍する監督本人によるライブ演奏版で特別にお届け! 元デス・キャブ・フォー・キューティーのクリス・ウォラのプロデュース、グラミー賞受賞のキンヤ・ドーソン(『JUNO』)によるサウンドトラックにも注目。

【Gプログラム】『ナッツ! ブリンクリー博士の奇妙な運命』(ペニー・レイン/アメリカ/2016年/79分)
大恐慌時代のアメリカ、ブリンクリー博士は性的不能者の画期的な治療法を考案する――ヤギの睾丸を移植するのだ! 政治家になったり、100万ワットのラジオ局を作ったり、治療法のウソを暴かれたり……とにかく破天荒なこの実在の人物の人生が、様々な手法を組み合わせた愉快なアニメーション・ドキュメンタリーで蘇る。

【Hプログラム】『海でひとりのスローカム』(ポール&サンドラ・フィエリンガー/2015年/アメリカ/122分)
キャプテン・スローカムは一人海へと飛び出す、史上初のヨットでの単独世界周航を果たすため…実在の人物の人生をベースに、セリフがすべてが吹き出しで展開するユーモラスな冒険譚。完成時の御年80歳、かつてはセサミストリートなどのアニメーションを手掛け、過去のGEORAMAで上映した初長編『マイ・ドッグ・チューリップ』も話題のアメリカ・インディーの最長老から届いた野心的な新作。

《ヨーロッパの新しい風》
ヨーロッパの長編アニメーションはいよいよ多様化。クラウドファンディングで資金を集めた自叙伝的作品から、チェコ最新の人形アニメーション長編、そしてアイルランドのトム・ムーア(『ソング・オブ・ザ・シー うみのうた』)に続くネクスト・ブレイク候補、スペインのアルベルト・バスケスの初長編……ファンタジーから実話ものまで、この幅広さを見逃すな!

【Iプログラム】『サイコノータス 忘れられたこどもたち』(アルベルト・バスケス/スペイン=フランス/2015年/75分)
大惨事によって汚染・荒廃した島。10代の少女ディンキはそこから脱出することを決意する。彼女が気にかけるのはバードボーイが果たして一緒に来てくれるのかどうかということ。世界各国でコミックが出版され、数々の短編アニメーション作品が映画祭で受賞を重ねたスペインの新星アルベルト・バスケスが手がけた初めての長編は、日本アニメをはじめとする数々のポップカルチャーを貪欲に吸収した新時代のストーリーテリングを見せる。見慣れた景色が、ダークかつポップに歪んでいく。字幕協力:新千歳空港国際アニメーション映画祭

【Jプログラム】『さかなの子、リトル』(ヤン・ヴァレイ/チェコ=フランス=スロバキア/2015年/72分)
魚の王様とその一家は、長年親しんだ海を離れ、地上の街で魚屋を営みはじめる。彼らを待っていたのは孤独で過酷な労働の日々。娘のリトルはハンサムな人間の男H.H.を好きになるが、それが彼女の運命を狂わせていく…魚たちのオーケストラと海の声で語られるダークでエロティックで悲しいこの長編は、人形大国チェコのアニメーションの歴史に、新たな一歩を刻む作品だ。

【Kプログラム】『ロックス・イン・マイ・ポケッツ』(シグネ・バウマネ/2014年/ラトビア/88分)
シグネが自分自身の病気に悩まされるなか家族の事情を探っていくと、自分の家系の女性たちがみな同じように精神的な病を患っていたことが分かってくる…病気や自殺といったシリアスなテーマをカラリとしたユーモアで笑い飛ばしていく本作は、過去、性などの扱いづらいテーマを果敢にユーモアに変えてきた作家が、クラウドファンディングを駆使して作った、勇敢な長編である。

《リ=ディスカバリング・クラシックス》
現在から過去に新たな光を当てる。『ロジャー・ラビット』や『アニメーターズ・サバイバルキット』の伝説のアニメーション作家ロジャー・ウィリアムスの幻の長編をめぐるドキュメンタリーと、いまだ知られざる「ハンガリーの宮﨑駿」マルセル・ヤンコヴィッチのクレイジーなサイケデリック長編をお届け。

【Lプログラム】『パーシスタンス・オブ・ヴィジョン リチャード・ウィリアムスと幻の長編』(ケビン・シュレック/2012年/カナダ=イギリス=アメリカ/83分)
『ロジャー・ラビット』のアニメーション監督リチャード・ウィリアムスには、完成に向けて四半世紀以上も苦闘しつづけた長編作品があった。1990年代にひっそりと公開されたその作品は、どうも本人のお気に召す出来ではないようで…彼の脳内にあった完全なる傑作がいかに失敗してしまったかを関係者のインタビューや未公開クリップを交えて語っていく本ドキュメンタリーは、クリエイターであれば涙ナシでは観ることのできないものとなっている。

【Mプログラム】『サン・オブ・ホワイトメア』(マルセル・ヤンコヴィッチ/1981年/ハンガリー/81分)
ある男が、白馬の息子として生まれる。手に入れた超能力によって、三人の姫を救うため、伝説のドラゴンたちと戦いを繰り広げる。ハンガリーの知られざる巨匠マルセル・ヤンコヴィッチ二本目の長編となる本作は、サイケデリックさと美しさが極まり、信じられないような流麗さで観客を魅了する。イメージの奔流に身を委ねる、豊かな視聴覚体験。

《ベスト・オブ・GEORAMA》
国内未公開長編を粘り強く紹介してきた過去のGEORAMAより、傑作選を上映。ミシェル・ゴンドリーの秘蔵アニメーション・ドキュメンタリーから、アクの強い米英の個人制作長編アニメーションまで、濃密にお届けする3プログラム。

【Nプログラム】『背の高い男は幸せ?』(ミシェル・ゴンドリー/2013年/フランス/88分)
ミシェル・ゴンドリーがノーム・チョムスキーの元を訪れ、彼の理論や最近の思想を理解しようとアニメーションを作ってみる。チョムスキーの比肩するもののない圧倒的な知性が、ゴンドリーによるナイーブかつ複雑なドローイングで具現化する。

【Oプログラム】『コンシューミング・スピリッツ』(クリス・サリバン/2012年/アメリカ/136分)
1月13日(土)13:00/1月16日(火)13:00/1月17日(水)16:45/1月20日(土)19:00/1月24日(水)13:00/1月25日(木)15:00
アメリカ郊外の田舎町マグソンに暮らす42歳のヴィオレット、38歳のブルー、64歳のグレイ。3人の運命は、思わぬかたちでつながり、変容していく。隠されるべき家族の秘密、明らかにされるべきもの。ある夜の飲酒運転と自動車事故が引き金に、記憶の貯蔵庫が開け放たれる。初上映以来、ここ日本でも着実にファンを増やす現代の傑作が、GEORAMAに再度上陸。巨大な癒しと救いの物語。

【Pプログラム】フィル・ムロイ「クリスティーズ」シリーズ一挙上映
『ザ・クリスティーズ』The Christies(フィル・ムロイ/2006年/イギリス/80分)
『さよならミスター・クリスティー』Goodbye, Mister Christies(フィル・ムロイ/2010年/イギリス/77分)
『死亡以上埋葬未満』Dead but Not Buried(フィル・ムロイ/2011年/イギリス/80分)
『痛くて惨めだ』(フィル・ムロイ/2013年/イギリス/75分)
口パクするシルエットとテキスト読み上げソフトによるセリフ…イギリスの鬼才フィル・ムロイによる超ミニマルな個人制作長編4部作を一挙上映。イギリスの「典型的な」クリスティー一家で巻き起こる数々の騒動。適当さや悪趣味さに胸クソが悪くなるくらいに笑えて、最終的には背筋が凍るくらいに怖くなり、観終わったあとにはただ唖然と東京の街を彷徨うしかなくなる、圧倒的な体験。

《特別プログラム》
短編アニメーション・ファンには特別プログラムがおすすめ。「棒線画の魔術師」ドン・ハーツフェルトは新作『明日の世界II』を日本プレミア上映。併映の『イライザから私たちへ』は穏やかに涙を誘う。第4回新千歳空港国際アニメーション映画祭の受賞作品集は、人形と3DCGという二つの立体アニメーションの形式の最新の到達点を示す。

【Qプログラム】「『明日の世界』(ドン・ハーツフェルト)二部作&『イライザから私たちへ』」(65分)
『イライザから私たちへ』(ポール&サンドラ・フィエリンガー/2018年/アメリカ/27分)
『明日の世界』(ドン・ハーツフェルト/2015年/アメリカ/16分)
『明日の世界II 他人の思考の重荷』(ドン・ハーツフェルト/2017年/アメリカ/22分)
現代アメリカが誇る「棒線画の魔術師」ドン・ハーツフェルトの人気作『明日の世界』の続編が日本プレミア上映! 未来の世界を駆け巡る二人のエミリーたちの冒険はますますの混沌と物悲しさで私たちの存在自体に深く染み透る。フィエリンガー夫妻がかつて出会った重病患者との交流が産んだ傑作『イライザから私たちへ』は世界初上映。静かな悲しみと救いが劇場を満たす。

【Rプログラム】「立体表現の新たな波 ベスト・オブ・新千歳2017」(65分)
『ドールズ・ドント・クライ』(フレデリック・トレンブレイ/2017年/カナダ/20分)
『ネガティブ・スペース』Negative Space(マックス・ポーター&ルー・クワハタ/2017年/フランス/6分)
『ヘッジホッグの家」Hedgehog’s Home(エヴァ・ツヴィアノヴィッチ/2017年/カナダ=クロアチア/10分)
『オロジェネシス』Orogenesis(ボリス・ラベ/2016年/スペイン=フランス/7分)
『アグリー』Ugly(ニキータ・ディアクル/2017年/ドイツ/12分)
『エブリシング』Everything(デイヴィッド・オライリー/2017年/アメリカ/10分)
初回開催から4年、アニメーション表現の未来を見通す映画祭として定着した感のある新千歳空港国際アニメーション映画祭より、2017年の第4回の傑作選をお届け。個人制作の3DCGが到達した新たな境地と、昔ながらの人形アニメーションがデジタル時代に踏み入れる野生の領域。立体表現の現在と未来が一望できるプログラム。

【チケット】
前売
1回券:1,300円
4回券:4,400円
10回券:10,000円
当日
一般:1,500円
学生・シニア:1,200円
会員:1,100円

※前売1回券・4回券・10回券はシアター・イメージフォーラム劇場窓口にて販売(4回券・10回券は期間中も販売いたします)。
※上映プログラムおよびタイムスケジュールは予告なく変更になることがございます。あらかじめご了承ください。

【イベント情報】
1/13(土)19:45〜 F「トーリー・パインズ」上映後 クライド・ピーターソン(「トーリー・パインズ」監督)
※監督本人による劇伴ライブの上映後となります。
1/14(日)15:00〜J「さかなの子、リトル」上映後 ペトル・ホリー(チェコ蔵)
1/14(日)19:45〜 F「トーリー・パインズ」上映後 クライド・ピーターソン(「トーリー・パインズ」監督)
※監督本人による劇伴ライブの上映後となります。
1/17(水)19:30〜 B「サリーを救え!」上映後 石岡良治(批評家)×高瀬司(Merca主催・アニメ批評)×土居伸彰(ニューディアー/本上映プログラマー)
1/18(木)19:00〜Q「『明日の世界』(ドン・ハーツフェルト)二部作&『イライザから私たちへ』」上映後 和氣澄賢(オレンジ・「宝石の国」制作プロデューサー)
1/22(月)19:00〜P-4「痛くて惨めだ」上映後 水江未来(アニメーション作家)×土居伸彰(ニューディアー/本上映プログラマー)
1/25(木)19:30〜 L「パーシスタンス・オブ・ビジョン」上映後 ケビン・シュレック(「パーシスタンス・オブ・ビジョン」監督) ※スカイプでの出演となります。

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