◎ドキュメンタリー:作家と表現
ドキュメンタリー映画の歩みや理論の変遷、上映環境の現況などを知り、近年の注目すべき作品に焦点を当てる。セルフ・ドキュメンタリーから歴史をテーマとした作品まで、多様な作品の鑑賞と同時に作者自身の解説を聞くことで、作家、制作者の方法論的な思考をも捉え、ドキュメンタリー表現の深層に迫る。ドキュメンタリーの現在を知るための必見のラインナップ。


講座日程■8月6日(金)〜14日(土)<8日間>(日曜日休講)
時間■午後6時30分〜9時30分
受講費■22,000円
定員■30名
講座内容■
(1) 「歴史と理論」講師:村山匡一郎
  ドキュメンタリーの歴史は映画の誕生とともに始まり、110年を越える
  歴史の中で、さまざまな運動や理論が展開された。このジャンルに対す
  る理解をより高めることを目的に、さまざまな参考上映を交え、現代ま
  でに至るその変遷を概観する。
(2) 「撮影する根拠」講師:かわなかのぶひろ
  『映像書簡10』などの鑑賞と自作解説
(3) 「ドキュメンタリーとフィクション」講師:村上賢司
  『夏に生れる』などの鑑賞と自作解説
(4) 「対象に迫る:台湾人生」講師:酒井充子
  『台湾人生』の鑑賞と自作解説
(5) 「対象に迫る:未帰還兵の場合」講師:松林要樹
  『花と兵隊』の鑑賞と自作解説
(6) 「対象に寄り添う」講師:三浦淳子
  『空とコムローイ』の鑑賞と自作解説
(7) 「"ライブ”の時間を見せる」講師:松江哲明
  『ライブテープ』の鑑賞と自作解説
(8) 「ドキュメンタリー上映の現場」講師:藤岡朝子
  山形国際ドキュメンタリー映画祭などの現場を通して見えてくるドキュメ  
  ンタリー映画の現在。

講師■
村山匡一郎(映画研究者)
ドキュメンタリー映画、アジア映画、フランス映画、実験映画など専門とする分野は幅広く、旺盛な執筆活動を行なう。主な訳書・共著・編著に、ジョルジュ・サドゥール著「世界映画全史」(国書刊行会・全12巻)「映画は世界を記録する ドキュメンタリー再考」(森話社)『ドキュメンタリー;リアルワールドへ踏み込む方法』(フィルムアート社)など。

かわなかのぶひろ(映像作家)
60年代初頭より実験映画を制作。77年「イメージフォーラム」を設立。精力的に作品を発表する一方、東京造形大学、イメージフォーラムなどで多くの新人の育成に尽力するなど、教育、執筆活動も含め長年にわたり日本の実験映画、個人映画を牽引する第一人者。近年では1〜2ヶ月に1回のペースで新作を制作・上映。代表作に「映像書簡」シリーズ、「私小説」シリーズ、「つくられつつある映画」シリーズなど多数。

村上賢司(映画監督)
95年『原色バイバイ』がイメージフォーラム・フェスティバルで入賞。99年『夏に生れる』が同映画祭で審査員特別賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリを受賞した他、バンクーバー国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭などで招待上映された。その他のドキュメンタリー作品に『川口で生きろよ!』(03)、『ラブドール 抱きしめたい!』(09)など。

酒井充子(映画監督)
新聞社勤務を経て、2000年からドキュメンタリー映画、劇映画の制作、宣伝に関わる。01年から重症心身障害者施設の生活を5年にわたって追ったドキュメンタリー映画「わたしの季節」(小林茂監督、04年毎日映画コンクール記録文化映画賞/05 年度文化庁映画賞文化記録映画大賞)に取材スタッフとして参加。『台湾人生』が初監督作品

松林要樹(映画監督)
04年に日本映画学校を卒業したのち、05年よりアフガニスタン、インドネシア、アチェの映像取材に従事する。05年よりバンコクを拠点に、テレビの取材と並行してインドネシア、タイ・ミャンマー国境にいる未帰還兵への取材に取り組む。『花と兵隊』が初監督作品。

三浦淳子(ドキュメンタリー作家)
イメージフォーラム映像研究所卒業。『トマトを植えた日』(92)でイメージフォーラム・フェスティバル大賞受賞。『白い蛹は口笛を吹く』(96)、 『孤独の輪郭』(97)がポンピドゥーセンターの主催する映画祭・シネマデュレールや釜山国際映画祭などで上映。04年、『枇杷の実待ち』他4作品を東京都現代美術館アニュアル展に出品。

松江哲明(映画監督)
99年日本映画学校卒業制作として『あんにょんキムチ』を監督。山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波特別賞、NETPAC特別賞、平成12年度文化庁優秀映画賞などを受賞。その他の作品に『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズ『カレーライスの女たち』(03)、『セキ☆ララ』(05)、『童貞。をプロデュース』(07)、『あんにょん由美香』(09)など。

藤岡朝子(国際映画祭コーディネーター)
山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務職ディレクター。映画配給会社勤務や写真家のアシスタントを経て93年より山形国際ドキュメンタリー映画祭のスタッフに。03年までアジアの新進映像作家を紹介する「アジア千波万波」プログラムのコーディネーター。09年より東京事務局ディレクター。97年より、ベルリン映画祭等で日本映画を海外に紹介するさまざまな事業に関わる。