デジタル機材の発達を通じていまや身近になった映像表現。その様々な表現の歴史を辿ってみると、産業としての映画とは別のアートとしての映画(実験映画)という大きなムーブメント、そして数々の冒険者・先駆者たちに出会う。映像メディアの特質に根差したこのもう一つの映画史の流れを、映画前史、 20年代前衛映画、戦後アメリカのアンダーグラウンド映画、そして現在の新しい映像アートまで、時代を追い国内外の代表作を見つつ映像作家のユニークな思考と表現にふれる。
■講座日程:8月13日(火)〜8月18日(日)<6日間>
■時間:19:00〜22:00
■受講費:15,000円(税込)
■定員:30名
■上映作品(外国) [8月13日(火)〜8月15日(木)]
【映画誕生 その驚異】
列車の到着<リュミエール兄弟、1895、フランス>
月世界旅行<ジョルジュ・メリエス、1902、フランス>他
【アヴァンギャルド/シュルレアリズム映画】
バレエ・メカニック<フェルナン・レジェ、1924、フランス>
アンダルシアの犬<ルイス・ブニュエル+サルバドール・ダリ、1928、フランス>
午前の幽霊<ハンス・リヒター、1928、ドイツ>他
【絶対映画から抽象映画へ】
対角線交響曲<ヴィキング・エッゲリング、1924、ドイツ>
トレード・タトゥー<レン・ライ、1937、イギリス>他
【拡張する現実 ロシア・アヴァンギャルド】
カメラを持った男<ジガ・ヴェルトフ、1929、ロシア>(抜粋)他
【アメリカ・アンダーグラウンド映画】
午後の網目<マヤ・デレン+アレクサンダー・ハミット、1943、アメリカ>
A Movie<ブルース・コナー、1958、アメリカ>
スリープ<アンディ・ウォーホル、1963、アメリカ>
ドッグ・スター・マン(第2章)<スタン・ブラッケージ、1963、アメリカ>
ウォールデン<ジョナス・メカス、1969、アメリカ>(抜粋)他
【構造映画】
秋の樹々<クルト・クレン、1960、オーストリア>
波長<マイケル・スノウ、1967、カナダ>(抜粋)他
【ロンドン・フィルムメーカーズ・コーポとイギリスの実験映画】
チューインガムの少女<ジョン・スミス、1976、イギリス>他
【メタ映画 メディアの探求】
ダイアル・ヒストリー<ヨハン・グリモンプレ、2002、ベルギー・フランス>(抜粋)
移行する行為<マーティン・アーノルド、1993、オーストリア>他
【ナラティブの実験】
毎日強くなる<ミランダ・ジュライ、2001、アメリカ>他
【歴史/時間/政治としての風景】
セントラル・ヴァレー<ジェームス・ベニング、1999、アメリカ>(抜粋)他
■上映作品(日本) [8月16日(金)〜8月18日(日)]
【戦後復興からアングラへ】
キネカリグラフ<グラフィック集団、1955>
へそと原爆<細江英公、1960>
シベール<ドナルド・リチー、1968>
トマトケチャップ皇帝<寺山修司、1970>
【映画で映画を考える】
映画-LE CINEMA<奥山順市、1975>
観測概念<山崎博、1975>
アートマン<松本俊夫、1975>
SPACY<伊藤高志、1981>
【アニメーション表現の系譜】
why<田名網敬一、1975>
コーヒー・ブレイク<古川タク、1977>
Black Fish <相原信洋、2006>
わからないブタ<和田淳、2010>
【油断ならぬナラティヴ】
15日間<鈴木志郎康、1980>
映像書簡2<かわなかのぶひろ+萩原朔美、1980>
チェンマイ チェンライ ルアンパバーン<栗原みえ、2012>
【現代美術へ/現代美術から】
部屋/形態<石田尚志、1999>
氏の肖像<小瀬村真美、2004>
■講師
山下宏洋(イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター)
2001年から現在までイメージフォーラム・フェスティバルにてディレクターを務める。2005年から渋谷のアート系映画館、シアター・イメージフォーラムの番組編成担当。ブリュッセル芸術の宮殿や香港映画祭をはじめ、世界各地の映画祭やメディアアート・フェスティバル、美術館などでプログラミング/キュレーションを行い、カンヌ映画祭監督週間、ロッテルダム国際映画祭を初め数々の映画祭で審査員を務める。例年平均10前後の国際映画祭に参加し、世界の映像アート作品の最先端の動向に通じている。
澤隆志(映像作家、キュレーター)
2000年から2010年までイメージフォーラム・フェスティバルのディレクターを務める。現在はフリーランス。パリ日本文化会館、あいちトリエンナーレ2013、東京都庭園美術館、青森県立美術館などと協働キュレーション多数。「Track Top Tokyo」(2016)、「めぐりあいJAXA」(2017-)、「都市防災ブートキャンプ」(2017-)、「写真+列車=映画」(2018)、「浮夜浮輪」(2018) などプロデュース。
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