

JIL FURMANOVSKY (C) 1994

JIL FURMANOVSKY (C) 1994
[鹿のモチーフ/ベンヤメンタ氏の執務室]
ヤーコプが自己紹介するのがベンヤメンタ氏の執務室だ。私たちはヤーコプが腰掛けると鹿の角が彼の頭から生えているかに見えるように綿密に構図を決定した。ヤーコプの頭部を計測する時、ベンヤメンタ氏は若い牡鹿を手に入れたように振る舞う。ヤーコプのことを「12ポイント(枝角の数が12ある)」と呼び、角と角の間隔を計る。ベンヤメンタ氏は妄想に毒されていて、彼の思考はすべて鹿を中心にしているのだ。壁に飾られた卒業生たちの写真も鹿角の生えたフレームに収められている。家畜の計量を行うようにベンヤメンタ氏はヤーコプを調べる。ベンヤメンタ学院に入学する者はみな優れた品種でなければならないのだ。だから彼は履歴書を読む代わりに生徒の身体を計測するのだ。もちろんこう付け加えることを忘れない。「目印になる傷はあるかね?」そう、強制収容所で人々が尋ねられたように。
ベンヤメンタ氏の執務室は鹿の博物館の様相を呈している。引出には鹿撃ち用の散弾があふれ、それぞれに日時と備考が添えられているのだ。私たちはまるまるすべてを鹿に費やしたシーンをひとつ撮ったが、結局そのシーンを本編では使わなかった。それは将来「ベンヤメンタ学院」がら派生した作品の一部となるだろう。

JIL FURMANOVSKY (C) 1994

JIL FURMANOVSKY (C) 1994
[ナプキン]
リーザが授業で有名な“ミトラ(司教冠)”ナプキンの折り方を教授する。このシーンはベンヤメンタ学院の授業風景のドキュメントといえる。しかし、このシーンは次第にヤーコプの暴走する幻想シーンへと変わっていくのだ。とはいえナプキン自体は歴史的事実である。私たちの調査によるとじっさいにこうした訓練が行われていたようだ。このシーンの導入部では窓は閉じられているが、次に観客はリーザが生徒にはまったく無関心で、戸惑ったように窓の外を眺めている姿を目にする。

●コメントはブラザーズ・クエイ自身による。
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