アメリカ合衆国の麻薬取締局によって「最も進歩したテクノロジー を持ち、洗練された、暴力的な集団」とされるカルテル。セタスの 登場によってメキシコの麻薬戦争に絡む暴力が激化したと言われ ている。元々はゴルフォ・カルテルのボス、オシエル・カルデナス・ ギジェンが90年代の終りにメキシコ軍の特殊部隊員らを雇い、カ ルテルの武装部隊としたもの。その後ゴルフォ・カルテルと袂を分 かち、独自の組織となった。隊員にはZ(セタ)のコードネームが付 けられている。創設時の隊長であるZ-1=アルトゥーロ・グスマンは メキシコ軍との銃撃戦で2002年に死亡。麻薬密輸よりも恐喝や 誘拐などその他の犯罪からより多くの資金を得ているとされる。メ キシコ北東部からメキシコ湾岸地帯を支配し、グアテマラにも勢力 を伸ばしている。
アメリカ禁酒法時代にさかのぼる歴史を持つ、メキシコで最も古 い麻薬カルテル。当初はアルコールの密輸をしていたが、やがて コカインなどの麻薬を扱うようになった。かつてはメキシコで最大・ 最強を誇ったが、武装部隊として創出したセタスに裏切られ、かつ ての敵対組織シナロア・カルテルと手を組んでいる。本拠地はタ マウリパス州マタモロス市。2014年11月4日にはタマウリパス州 の警察司令官が暗殺されたが、タマウリパス州はゴルフォ・カルテ ルとセタスの縄張り争いの舞台である。
カルト宗教的な性格を持ったカルテル、「ラ・ファミリア」のボス、大 狂人=ナサリオ・モレノらによって創出された集団。2011年にラ・ ファミリアが内部分裂し、主流派がテンプル騎士団と名称を変え た。モレノは暗殺や斬首を“聖断”と呼び、自分自身の“聖書”を書 きあげた。一方でモレノらは、農民への貸し付け、灌漑事業への 出資、学校や教会の建築などによって地元ミチョアカン州の貧困 層に多大な人気を得ていた。メキシコ軍との銃撃戦で2010年に 死亡したとされ、組織はこれを聖人に祀り上げ、廟も建てられた。 2014年3月に生存が確認され、再度銃撃戦が行われ、死亡が確 認された。最近は地元住民がテンプル騎士団に対抗するため、自 ら武装し自衛団を結成して、抗争にも発展している。ミチョアカン 州を拠点とする。
世界最大級の麻薬密輸組織。シナロア州・デュランゴ州・チワワ 州にまたがるメキシコ最大の麻薬生産地“ゴールデン・トライアング ル”に強い影響力を持ち、また南米産のコカインを毎年トン単位で アメリカ合衆国に密輸しているとされる。『フォーブス』誌の世界長 者番付に名を連ね、史上最大のボスとされたチャポ=ホアキン・グ スマンが2014年2月に逮捕されたことによって、シナロア・カルテ ルの状況は流動的になっている可能性がある。本作品の主人公 のひとり、エドガーが旅をするシナロア州クリアカンが本拠地。エ ドガーはクリアカンで、シナロア・カルテルのギャングたちに接し、 その権勢を目の当たりにする。
グアダラハラ・カルテルが分裂して生じたカルテル。80年代末から 90年代前半にかけて、メキシコで最も大きく暴力的な犯罪組織と されていたが、ボスであるアレジャーノ・フェリックス兄弟の相次ぐ 逮捕、殺害によって現在は弱体化。しかし、地元のティフアナで は変わらず影響力を持っていると見られている。本拠地はバハ・カ リフォルニア州、ティフアナ。
この作品に登場するリチ・ソトが住む、チワワ州シウダー・フアレス を拠点とするカルテル。映画撮影時には、フアレスの街を舞台に シナロア・カルテルと激しい抗争を行っていた。かつてメキシコか らアメリカへのコカイン密輸の大部分を担っていたが、ボスの整 形手術の失敗による死、またつながりのあった将軍の逮捕もあり、 現在はシナロア・カルテルに縄張りを奪われつつある。殺人部隊 のラ・リネア、地元ギャング団バリオ・アステカなどを傘下に置いて いる。