監督:ラリー・クラーク
製作:ケイリー・ウッズ
脚本:ハーモニ一・コリン
共同製作:キャシー・コンラッド、クリスティン・ヴェイコン、口ーレン・サラズニック
製作総指揮:ガス・ヴァン・サント、パトリック・パンザレッラ、マイケル・チャンバース
撮影:エリック・エドワーズ
編集:クリストファー・テレフソニ
プロダクション・デザイナー:ケヴィン・トンプソン
衣装デザイン:キム・ドルース
音業コンポーザー:ルー・バーロウ、ジョン・デイヴィス
音楽スーパーヴァイザー:ランダル・ポスター
出演:レオ・フィッツパトリック(テリー)/ジャスティン・ピアース(キャスパー)/クロエ・セヴィニー(ジェニー)/ロザリオ・ドウソン(ルビー)/ハロルド・ハンター(ハロルド)/ヤキーラ・ペゲエロ(ダーシー)

lNDEPENDENT PICTURES and THE GUYS UPSTAIRS presents

1995年/アメリカ/カラー/1時間32分/5巻2505m/ビスタサイズ 1:1.85/ドルビー/字幕翻訳:林完治
共同提供:松竹、アミューズ/配給:松竹/R-15

※上映予定

ある夏の暑い目の午後。場所はNY。テリーはいつものようにバージンの女の子を守備よくモノにし、いつものように親友キャスパーにそれを自慢げに話しながら街をブラつく。トランクスが見えるぐらいにずりさがったジーンズにダボダポTシャツの2人。仲間がたむろしているポールの家へ向かうと、ビールを飲み、ドラッグを決め、陽気にとりとめもなくSEXの話で盛り上がる。一方、ルビーの家では、ジェニーたち女の子5人がやはりSEXの話で盛り上がっている。ジェニーは、バージンを奪いあとは知らんぷりを決め込むデリーを許せない。経験豊富なルビーは、自分の体験談をおかしく話す。そして、ジェニーとルビーばこHIV検査の結果を聞きにいく。 ルビーは無防備なSEXが多いのでちょっと心配だ。テり一とのSEXしか経験のないジェニーは、ルビーのお供で検査を受けただけだ。しかし結果は、ルビーはネガティブだがジェニーはポジティヴ。あまりの突然の「死」の宣告。たった一度の経験だけで。たった1人の男のために。ジェニーはどうしていいか分からず呆然と街よい歩く。とにかくテリーを見つけなけれぱいけない。会ってこの業実を伝えなければ……。 しかし、そんなことが起こっていることも知らテリー。今夜もキャスパーと一緒に新しいバージの女の子を探しに出かける。自分自身がHlVキャリアとも知らずに……。

「アメリカ人がかつて誰もつくらなかったティーンエイジ映画をつくりたい」。「タルサ」、「ティーンエイジ・ラスト」と、ティーンエイジャーのリアルな姿を撮り続けてきた写真家ラリー・クラークの映画製作への思いは、そこから始まった。

クラーク自身も10代だったころ、自分自身を投影できるようなティーン・エイジ映画を待っていたと言う。「でも、今までそんな作品には出会わなかった。役者にしても等身大の世代の役者を起用したものはなかったし、エンディングはいつも幸せなもので、何かが変わるんだという期待感をもたせるものばかりだった。でも、それじゃあ真実は伝わらないんだ」(ラリー・クラーク)。

ティーンエイジャーという世代の真実。誰もが経験する時代。ラリー・クラークがこの『KIDS』でとらえたかったのは、飾り気のない、生々しい彼らの現実だ。だからこそ映画そのものを単なる物語ではなく、「90年代のティーンエイジャーの人生の24時間」であることにこだわった。

脚本を当時19歳だったハーモニー・コリンに書かせ、キャスティングは、俳優ではなくストリートやユニオン・スクエアで知り合ったレオ・フィッツパトリック、ジャスティン・ピアースといった実際のスケーター・キッズを起用。

映画の重要な役であるジェニーを決定するにあたっては難航。ストリートでよく見かける雰囲気をもった女の子であることにこだわったクラークは、撮影開始2日前にやっとクロエ・セヴィニーに出会った。

完全なるキッズによる脚本とキャスティング。それが実現できたのも、キッズにとってクラークだけが彼らの話をきくことができた唯一の大人だったからなのだ。

そして撮影では「少年たちが本当にそこに存在するかのように観客が意識するような映画を撮りたい」というクラークの希望で、ガス・ヴァン・サントが監督した『マイ・プライベート・アイダホ』のカメラマン、エリック・エドワーズを指名。「フィクションか現実か」と全米を論争の渦にまきこんだ『KlDS』のショッキングな映像。これはエドワーズのカメラワークの成功を物語っている。

「映画づくりは戦地のようなものだった」と撮影を振り返るラリー・クラーク。そして自分自身の今までの50数年の人生は、この映画を撮るための準備期間だったと語る。彼の永遠のテーマであるティーンエイジャーの真実とは何なのか。それは誰にも止めることのできない欲望に満ちた世界なのだとクラークは言う。「今、彼らに対して願うことは広い視野で外を見て欲しい。可能性は広い世界にあるのだから」。

■『KIDS』はラリー・クラークの最新作『KEN PARK』の関連上映として2003年9月27日より2週間シアター・イメージフォーラムにてレイト・ロードショー


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